2025年4月15日 (火)
2025年4月12日 (土)
相国寺展、金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史・・・無の宗教と雪舟、若冲、円山応挙
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「大成若缺、其用不弊、大盈若冲、其用不窮。大直若屈、大巧若拙、大辯若訥。躁勝寒、靜勝熱。淸靜爲天下正。「老子」第45章」。★
2025年3月27日 (木)
美への旅、「異端の奇才——ビアズリー」、運命の女サロメの図像学、洗礼者ヨハネの図像学
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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2025年3月24日 (月)
アグリジェント、神殿の谷・・・コンコルディア神殿、アグリジェントのクーロス
理念を探求する精神・・・ギリシアの理想、知恵、勇気、節制、正義、美と復讐
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アポロンは、オレステスにはアテナイで裁判を受け、ヘルミオネと結婚すると予言。そしてピュラデスにエレクトラを娶るように命じる。アポロンは「二人のこれからの人生は幸せが続く」と予言する。
紀元前1100年。繁栄を誇るトロイ市は、ギリシャ諸国の征服の対象だった。トロイ王プリアモスにはヘクトール、ポリドロスそしてパリスと3人の王子がいた。パリスは父を説いて平和使節としてギリシャへ向かった。だが途中、嵐にあったパリスはスパルタ海岸に漂着した。パリスを救い、かくまったのはスパルタ王メネラウスの妃ヘレンだった。パリスがスパルタの王宮を訪れたとき、宮廷ではトロイ攻撃の軍議の最中だった。アガメムノン、オデュッセウスなどの顔もみえ、パリスは身分を証明するため勇将エイジャックスと拳闘の試合をして彼を破った。しかし平和への熱意は認められず、パリスは檻禁された。これはパリスへのヘレンの秘かな愛情をメネラウス王が嫉妬したためでもあった。ヘレンはパリスを救い出しトロイへ去ったが、怒ったメネラウス王はトロイ征服の兵をおこした。
2025年3月15日 (土)
生誕120 周年サルバドール・ダリ―天才の秘密―・・・魔術的写実主義、ヴィーナスの夢
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第392回
リアス式海岸の断崖と入り江の港町を数々越えて、ダリのポルト・リガトの岬町へ。
横須賀美術館、観音崎へ。横浜から京浜急行線特急で堀ノ内乗り換え、馬堀海岸からバスで、観音崎へ行く。
魔術的写実主義、サルバドール・ダリ、魔術的写実主義、サルバドール・ダリ。
【シュルレアリスムの図像学】デ・キリコ「ある秋の午後の謎」1910「通りの神秘と憂鬱」「イタリア広場」(1914年)、ダリ『記憶の固執』1931、ポール・デルヴォー「眠れるヴィーナス」1944、『記憶の固執の崩壊』1954、ルネ・マグリット『大家族』1963、ルイーズ・ブルジョワ『ママン』1999・2002
【シュルレアリスム100年】『シュルレアリスム宣言 溶ける魚』アンドレ・ブルトン1924から始まる。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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魔術的写実主義、サルバドール・ダリSalvador Dali(1904-89)の生涯と藝術
サルバドール・ダリ(1904-89)の生涯
【サルヴァドール・ダリSalvador Dali 生涯】
ダリは1904年5月11日、スペインのカタルーニャ地方フィゲーラスで生まれる。1922年、マドリードのサンフェルナンド美術学校に入学、詩人フェデリコ・ガルシーア・ロルカ、映画監督ルイス・ブニュエルと知り合う。1929年、パリに赴き、ルイ・アラゴン、アンドレ・ブルトンら、シュルレアリスムの中心人物たちと面識を得る。1931年27歳の時、『記憶の固執』を描き、生涯の最高傑作となる。1929年夏、ポール・エリュアールが妻とともにカダケスのダリのアトリエを訪ねた。ダリの妻となるガラ・エリュアールとの出会いである。ダリとガラは強く惹かれ合い1934年に結婚。1982年にガラが死去。「自分の人生の舵を失った」。ジローナのプボル城に引き籠もった。1983年5月を最後に絵画制作を止める。
【ダリ、シュルレアリスムとの出会い】シュルレアリスムの代表的なアーティスト、絶大な人気を誇るサルバドール・ダリ。スペイン・フィゲラス出身のダリは1929年パリでミロの紹介でアンドレ・ブルトンに会い、29年夏カダケスにシュールレアリストたちポール・エリュアール夫妻、ルネ・マグリット夫妻の訪問を受ける。1934年アンドレ・ブルトンと離れる。1934年ガラと入籍、アメリカで見聞を広げ、39年ニューヨーク万博でパビリオン展示。人生の後半は生まれ故郷で愛妻のガラとともに多数の作品を制作した。
【ダリとガラ、ガラは雌カマキリ】ダリとガラは強く惹かれ合い1934年に結婚。1982年にガラが死去。「自分の人生の舵を失った」。ジローナのプボル城に引き籠もった。ダリ『ロートレアモンのカマキリの人肉食』1934。
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サルバドール・ダリ(1904-89)の藝術
魔術的写実主義【サルバドール・ダリ(1904-89)】『記憶の固執』1931、『ロートレアモンのカマキリの人肉食』1934、『ゆでたインゲン豆のある柔らかい構造(内乱の予感)』1936『ナルシスの変貌』37『燃えるキリン』37『ヴィーナスの夢』1939『聖アントニウスの誘惑』46『ビキニの3つのスフィンクス』1947、『記憶の固執の崩壊』1954、「テトゥアンの大会戦」1962、『引き出しのあるミロのヴィーナス』1936『夜のメクラグモ 希望』40『焼いたベーコンのある自画像』41『象』1948『ポルト・リガトの聖母』1950『MeltingWatch溶けた時計』54、『大惨事シリーズ(Série des catastrophes)《ツバメの尾》』1979【初期ダリ】『窓辺の少女』1925『陰鬱な遊戯』29『不可視のライオン』1930『降りてくる夜の影』1931
ダリ『ロートレアモンのカマキリの人肉食』1934、大野方子(諸橋近代美術館学芸課長)に聞いたところ、この作品はアメリカにあるとのことである。
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【『記憶の固執』1931】
ダリのアトリエからみえるポルト・リガトの海と岩と柔らかい時計がある。ある日の午後、溶けた時計が見えた。「私は二つの柔らかい時計を見た。そのうちひとつはオリーヴの木の枝に嘆かわしい姿でぶらさがっていた。」ダリ『わが秘められた生涯』1942
【『ヴィーナスの夢』1939】
《ヴィーナスの夢》1939年ニューヨーク万博で制作したパビリオンの内壁を飾るために制作された代表作。パビリオンの正面にボッティチェリ『ヴィーナスの誕生』1485の複製が展示されていた。柔らかい時計や燃えるキリン、引き出しのある人物、焼けたベーコンなどダリのシンボリック・イメージと言えるモチーフが集結、揃い踏みである。
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展示作品の一部
《ビキニの3つのスフィンクス》1947、公益財団法人諸橋近代美術館蔵
ダリ「ヴィーナスの夢」1939、(Salvador Dali、1904-1989『ヴィーナスの夢』(The Dream of Venus)広島県立美術館蔵
サルバドール・ダリ《ダンス:セブン・ライブリー・アーツより》1957 年頃、公益財団法人諸橋近代美術館蔵 Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR Tokyo, 2024 B0824
サルバドール・ダリ《アン・ウッドワードの肖像》1953年 公益財団法人諸橋近代美術館蔵 Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR Tokyo, 2024 B0802
フィリップ・ハルスマン 《サルバドール・ダリ》 1954年
Photo by Philippe Halsman Philippe Halsman Archive Image Rights of Salvador Dali reserved: Fundacio Gala-Salvador Dalí Figueres
シュルレアリスム宣言 100 年
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参考作品
ダリ『ロートレアモンのカマキリの人肉食』1934
ダリ「テトゥアンの大会戦」1962、諸橋近代美術館
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開催概要
サルバドール・ダリ(1904-89)の生誕 120 周年、シュルレアリスム宣言 100 年の記念すべき節目に開催する本展は、世界屈指のダリ・コレクションを形成する諸橋近代美術館の所蔵品を中心にダリの生涯を概観し、ダリの渡米以降の活動にも注目します。 ダリが私たち観衆に魅せた「シュルレアリスト・ダリ」とその背景にある「人間・ダリ」の複雑で繊細な内面を探り、世界中で愛されているサルバドール・ダリがいかなる芸術家であったのか、油彩、 素描、版画、彫刻のほか、ミロやマグリットなどシュルレアリスムの作家の作品群など約 120 点により明らかにいたします。
会場:横須賀美術館(神奈川県横須賀市鴨居4-1)
会期:2月8日(土)~4月6日(日)
講演会「天才サルバドール・ダリの秘密」大野方子(公益財団法人 諸橋近代美術館学芸課長)2025 年2月8日(土) 14:00~15:30(終了予定)
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参考文献
生誕100年記念 ダリ回顧展 Salvador Dalí Centennial Retrospective図録、朝日新聞社、上野の森美術館、2006
絶世の美女、憂愁の王妃、強欲な魔女、才色兼備の美女、ゾフィア・ドロテア、ガラ、クレオパトラ7世・・・美と復讐第3巻
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ダリ『記憶の固執』、『記憶の固執の崩壊』・・・スペインの荒涼とした大地、記憶の迷路
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シュルレアリスムの夢と美女、藝術家と運命の女
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デ・キリコ、形而上絵画の謎・・・形而上絵画と古典絵画を往還する
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生誕120 周年サルバドール・ダリ―天才の秘密―・・・魔術的写実主義、ヴィーナスの夢
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著者プロフィール 大久保正雄 哲学、美学、比較宗教学、図像学。美術評論。著書『ことばによる戦いの歴史としての哲学史』理想社。質疑応答、島薗進×大久保正雄『死生学 ファンタジーと魂の物語』2019、島薗進×大久保正雄『死生学 宗教の名著』2018、島薗進×大久保正雄『死生学 ファンタジーと宗教』2017.島薗進×大久保正雄『死生学 人の心の痛み』
2025年2月28日 (金)
美への旅 旧嵯峨御所 大覚寺百花繚乱御所ゆかりの絵画 質疑応答篇
大覚寺には、五大明王があります。どのような意味をもつのですか。
【空海と嵯峨天皇、寺院】大同4年(809)4月3日神野親王が践祚、13日に即位式を挙げ嵯峨天皇。7月16日、空海は、太政官符により高雄山寺に入住勅許。弘仁7年(816)天皇から高野山を賜り金剛峯寺を開創。弘仁14年(823)、真言陀羅尼宗の根本道場、教王護国寺、東寺を嵯峨天皇より賜る。
【嵯峨天皇は曲水流觴の宴を催した】青春が半ばを過ぎた頃、何がせき立てるのか、柔らかな風がしきりに吹いて、花がせかされるように咲く。芳しい花の香りは失せようとして止めることはできない。私は文雄に呼びかけ、詩人たちは花を愛でるこの宴にやって来た。神泉苑花宴賦落花篇
【嵯峨天皇、神泉苑花宴賦落花篇「凌雲集」】春園遥かに望めば、佳人あり。乱雑繁花、相映じて輝き、点珠顏綴、駘鬟(たいかん)として吹く。人懐の中、嬌態閑(しず)かなり。朝に花を攀(よ)じり、暮に花を折る。花を攀じる力尽き、衣帶ゆるく。未だ芬芳(ふんぽう)を厭はず、
【嵯峨天皇の花の宴、神泉苑にて】花(桜)を賞翫しながら漢詩を作って遊ぶ典雅な催し、その始まりが嵯峨天皇の神泉苑の詩宴。神泉苑の詩宴は『日本後紀』弘仁三年(812)二月一二日の記事「神泉苑に幸(いでま)す。花樹を覧(みそな)はし文人に命じて詩を賦せしむ」
空海の思想の奥義は、即身成仏である。人は覚者、仏陀になることができる。この世の身において、大日如来の現れである。
【仏陀の理念の三身論、空海『即身成仏義』】加持とは如来の大悲と衆生の信心を表す。行者もしよくこの理趣を観念すれば、三密(身密、口密、意密)相応するが故に現身に速疾に. 本有の三身(法身、報身、応身)を顕現し証得す。
【嵯峨天皇は曲水流觴の宴を催した】青春が半ばを過ぎた頃、何がせき立てるのか、柔らかな風がしきりに吹いて、花がせかされるように咲く。芳しい花の香りは失せようとして止めることはできない。私は文雄に呼びかけ、詩人たちは花を愛でるこの宴にやって来た。神泉苑花宴賦落花篇
3、密教美術、仏教美術
密教美術、五大明王の意味。【空海、立体曼荼羅、五大明王、怨敵調伏する】忿怒の形相をもつ五大尊、五忿怒。悪魔を調伏し、仏法を守る守護神。大日如来の変化身。密教で不動明王を中心として四方に配され、魔を降伏させる五明王で、中央が不動、東方が降三世、南方が軍荼利、西方が大威徳、北方が金剛夜叉。
【空海、立体曼荼羅】白象にのる帝釈天騎象像、六面六臂六足の大威徳明王騎牛像、七頭の獅子にのる大日如来、鳥獣に乗る金剛界五仏、五知如来、金剛五菩薩、五大明王、四天王、二天、幻の密教空間。東寺、講堂における立体曼荼羅は知恵と武による、無明の支配。
【空海、立体曼荼羅、東寺講堂】金剛界曼荼羅「成身会」『即身成仏義』『理趣経』に謎を解く鍵がある。空海(774-835)
帝釈天は、インドラ、戦いの神、宮澤賢治『インドラの網』に描かれている。『即身成仏頌』「インドラの網」が出てくる。「重重帝網なるを即身と名づく」(空海『即身成仏義』)。【因陀羅網】インドラ、すなわち帝釈天の宮殿を飾っている網。その網の結び目には宝玉がついており、それぞれが互いに反映している。華厳宗の説く、すべての事物が無限に交渉し、通じあっているとする事事無礙法界(じじむげほつかい)の比喩としてよく用いられる。『華厳五教章』
4、狩野山楽筆「紅白梅図」「牡丹図」、狩野山楽は、狩野永徳の弟子。狩野永徳の繊細にして華麗なる画風を受け継ぎ、壮麗な障壁画を描いた。
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美への旅 旧嵯峨御所 大覚寺百花繚乱御所ゆかりの絵画 質疑応答篇
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「旧嵯峨御所大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画」・・・嵯峨天皇と空海、運命の美女
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学問僧、空海 ・・・空海の生涯と思想
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2024/05/post-964d84.html
空海『秘密曼荼羅十住心論』・・・大日如来は、法界体性智、自性清浄心(阿摩羅識)をもつ
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2024/06/post-2f9322.html
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【質疑応答】島薗進先生に、死生学、比較宗教学の観点を踏まえて、質疑応答しました。内容を記録します。島薗進「死生学 ファンタジーと魂の物語」2019年5月26日、上智大学6号館203教室にて。
1、宮澤賢治『雁の童子』、『インドラの網』、2、天正、織田信長、改元の目的、3、密教真言、藝術と魔術、5、学問の不可欠な要素。
島薗進×大久保正雄『死生学 ファンタジーと魂の物語』
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6、3つの時間論。自分が生きたい時間論を選ぶならば、何を選びますか。
大久保正雄
3つの世界観の時間論。時間には、回帰的時間と終末観的時間と進化的時間がある。(渡辺慧『時』第3章、時間の起源と機能)(回帰的時間は、エンペドクレス、ニーチェ『ツァラトゥストラ』。終末観的時間はキリスト教。進化的時間は、ベルクソン『創造的進化』)1974、初刊1948年。*エンペドクレスの宇宙円環(Cosmic Cycle)、ヘラクレイトスの回帰的宇宙、ニーチェの永劫回帰(Ewig Wiederkehren)、ピュタゴラスの輪廻転生。
島薗進×大久保正雄『死生学 宗教の名著』
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【質疑応答】宗教学者、島薗進先生に死生学について質疑応答しました。2018.5. 27、上智大学にて。
1、宗教とは何か、2、宗教が生まれる原因は何か、3、世界観の選択、4、藝術家と宗教、5、天から降りてきた魂、6、 織田信長と天の思想、7.秘密曼陀羅十住心論、8、父殺しのテーマ、9、人の痛みを知ること、10、理念の崩壊は『純粋理性批判』から始まった。
島薗進×大久保正雄『死生学 ファンタジーと宗教』2017.5.28
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島薗進×大久保正雄『死生学 人の心の痛み』2016.5.29
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孤高の思想家と藝術家の苦悩、孫崎享×大久保正雄『藝術対談、美と復讐』2019年1月 7日 (月)
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大久保正雄 著作目録1 哲学編
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大久保正雄 著作目録2 美学・美術史
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大久保 正雄『ことばによる戦いの歴史としての哲学史 理性の微笑み』 理想社
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プラトン哲学の戦い アカデメイア派対ペリパトス派、ローマ帝国、普遍論争、ルネサンス、フランス革命
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宗教の謎、国家と宗教の戦い、第1巻、ギリシアの神々、ローマ帝国、秦の始皇帝、漢の武帝、飛鳥、天平、最澄と空海
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宗教の謎、国家と宗教の戦い、第2巻、アカデメイア、ルネサンス、織田信長
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仏教2500年の旅 仏陀入滅、アレクサンドロス大王、瑜伽行唯識学派、密教
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大久保正雄 著作目録1 哲学編2025
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参考文献 追補
大貫隆 (著) 『終末論の系譜 初期ユダヤ教からグノーシスまで 』
ユダヤ教のなかで胚胎した独特な終末思想はいかにしてイエスに継承されていったのか
聖書正典のみならず外典・偽典その他の史料を渉猟し、さらにはベンヤミン、ガダマー、アガンベンなど現代思想家との対話も試みる
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河野 元昭先生「饒舌館長」
しかし様式的に、貞信一門とはどうしても見なせない点から、美術史研究者の間では元和5年東福門院女御御所説だけを生かし、「牡丹図」「紅白梅図」はそのころの山楽画とする見方が通説になっていました。土居先生もこの立場でした。
これに再考を迫ったのが、若き日の美術史家・川本桂子さんでした。川本さんは著書『友松・山楽』<名宝日本の美術>(小学館)において、東福門院女御御所説を完全に否定し、様式的にみて山楽慶長末期の傑作であることを明快に論じたのです。僕の所有する『名宝日本の美術』は<新版>なので、『友松・山楽』の発行は1991年になっていますが、オリジナル版は数年早いと思います。https:/
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空海の密教仏【五大明王】不動明王を中心とした降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王の総称、五大尊。空海の教王護国寺講堂の承和6 (839) 年作の木像 (国宝) 、大覚寺の明円作(1177)。金剛界五智如来の教令輪身、忿怒身。唐の不空のころ金剛界五仏
【空海と最澄、嵯峨天皇】809年八月、経疏の借覧を契機に最澄との交流がはじまり、一〇月嵯峨天皇の命で世説の屏風を献上、このころから書や詩文を通じて嵯峨天皇や文人の認めるところとなる【816年七月、勅許を得て高野山金剛峯寺を開創】『即身成仏義』819-820
【県犬養橘三千代】天武~聖武天皇の歴朝に内命婦 として仕え。壬申の乱672年~天平5年733、61年、生きる【藤原不比等と再婚、安宿媛 (あすかべひめ、光明子)を産む】【孫、阿倍内親王、興福寺阿修羅像】【法隆寺 伝橘夫人念持仏阿弥陀三尊像】白鳳時代
【県犬養三千代】藤原不比等と再婚し、安宿媛 (あすかべひめ、光明子) 、多比能を生む。また内命婦 (うちのみょうぶ) として天武~聖武天皇の歴朝に仕え、その功により、和銅1 (708) 年、元明天皇より橘宿禰の姓を賜わる。不比等と結女官として宮廷に大きな影響力
【嵯峨天皇と空海】空海と嵯峨天皇は、香茶を酌み交わした。嵯峨天皇と空海は秋の一日、大沢池に舟を浮かべ、茶を汲み交わし逍遥、夕方、空海が山に帰るにあたり、嵯峨天皇が詠まれた詩「道俗相分かれて数年を経たり。今秋晤語するもまた良縁なり。香茶酌みやすみて
【法隆寺 伝橘夫人念持仏阿弥陀三尊像】鎌倉時代の記録では橘三千代*の念持仏とあるが根拠不明。金銅製の後屏・台座を伴った木製厨子入りの銅造鍍金像。白鳳時代。中尊像高33.3cm。国宝【橘夫人】天武朝から元正朝の5代に歴仕した、古代屈指の有力女官。父は東人
【県犬養三千代】天武、持統、文武、元明、元正の5代に歴仕した古代屈指の有力女官。父は東人(あずまひと)。初め美努(みぬ)王に嫁し、葛城王(橘諸兄)、牟漏女王らを産み、藤原不比等に再嫁して光明子を産む。持統、元明、元正3女帝の信任、文武、聖武の養育。天平5年没
【空海『即身成仏義』(819-820)】六大無碍にして常に瑜伽なり(体)三密加持すれば速疾に顕はる(用)重重帝網なるを即身と名づく(瑜伽)法然に薩般若を具足して、心数・心王、刹塵に過ぎたり、各五智・無際智を具す、円鏡力の故に実覚智なり(成仏)
【空海『即身成仏義』(819-820)】六大無碍にして常に瑜伽なり(体)三密加持すれば速疾に顕はる(用)重重帝網なるを即身と名づく(瑜伽)法然に薩般若を具足して、心数・心王、刹塵に過ぎたり、各五智・無際智を具す、円鏡力の故に実覚智なり(成仏)。文献、竹村牧男
【狩野山楽】浅井家滅亡、秀吉、秀忠(1559-635)浅井長政の家臣で自らも画をよくした木村永光の子として近江国に生まれる。幼名を平三、のちに光頼。浅井家滅亡とともに父永光が豊臣秀吉に仕える彼も秀吉の小姓。秀吉の計らいで狩野永徳の門に入り狩野姓を授けられ修理亮
2025年2月 8日 (土)
「魂を込めた円空仏」飛騨・千光寺を中心にして・・・清水真澄館長、記者発表会
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学問僧、空海 ・・・空海の生涯と思想
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「魂を込めた円空仏」飛騨・千光寺を中心にして-・・・清水真澄館長、記者発表会
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「魂を込めた円空仏」-飛騨・千光寺を中心にして-
三井記念美術館、東京都中央区日本橋室町2-1-1三井本館7階)
会期:2025年2月1日(土)~3月30日(日)
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2025年1月23日 (木)
「旧嵯峨御所大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画」・・・嵯峨天皇と空海、運命の美女
序、大覚寺、3つの時代
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「旧嵯峨御所大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画」・・・嵯峨天皇と空海、運命の美女
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学問僧、空海 ・・・空海の生涯と思想
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2024/05/post-964d84.html
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注
【五大明王】不動明王を中心とした降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王の総称、五大尊とも言う。空海の教王護国寺講堂の承和6 (839) 年作の木像 (国宝) 日本における最古の作例、大覚寺の明円作(1177)。金剛界五智如来の教令輪身、忿怒身。唐の不空のころ金剛界五仏に対応して大日、阿閦、宝生、無量寿、不空成就の教令輪身(きようりようりんしん)忿怒身として五尊にまとめられた。
注2
藝術と精神文化を愛する嵯峨天皇【弘仁・貞観文化】嵯峨天皇は、藝術と精神文化を愛する王、自ら詩を書き、空海と交友した。詩文の粋を集めた『凌雲集』『文華秀麗集』『経国集』はその精華である。嵯峨天皇は、「光定戒牒」等の遺品があり、空海・橘逸勢とともに三筆と称せられる。承和九年(842)七月十五日崩じた。五十七歳。遺詔、「思う欲無位無号詣 山水 而逍遙、無事無為翫 琴書 以澹泊」と心境を述べた。目崎徳衛「政治史上の嵯峨上皇」
注3
嵯峨天皇809~823、淳和823~833、仁明833~850【空海と最澄、嵯峨天皇】809年八月、経疏の借覧を契機に最澄との交流がはじまり、一〇月嵯峨天皇の命で世説の屏風を献上、このころから書や詩文を通じて嵯峨天皇や文人の認めるところとなる【八一六年七月、勅許を得て高野山金剛峯寺を開創】【空海『即身成仏義』819-820】八二一年五月には請われて讃岐国満濃池を修築、土木工事の技術と指導力に才能を発揮【空海、東大寺、東寺】八二二年二月、東大寺に灌頂道場を建立して鎮護国家の修法道場。八二三年正月、東寺を賜り真言密教の根本道場、同年一〇月には真言宗僧侶の学修に必要な三学論を作成して献上、五十人の僧をおいて祈願修法せしめた。八二四年(天長一)少僧都、八二七年大僧都。空海、没、63歳835年3月
【平城上皇の乱】819年4月嵯峨天即位。9月譲位した平城上皇が太政官人半ばを率いて平城旧京に遷り藤原薬子とその兄仲成に擁され朝政に干渉。嵯峨天皇は巨勢野足・藤原冬嗣を蔵人頭に対抗。弘仁元年(820)九月、上皇の平城遷都の命を機として征夷大将軍・坂上田村麻呂以下の兵を派遣
2025年1月17日 (金)
美術館スケジュール2025・・・旅する哲学者、美への旅
「オーブリー・ビアズリー展」三菱一号館美術館、2月15日(土)~5月11日(日)
「緑の惑星 セタビの森の植物たち」、世田谷美術館、2月27日(木)〜4月13日(日)
「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s–1970s」、国立新美術館、3月19日~6月30日
「開館30周年記念 江戸の名プロデューサー 蔦屋重三郎と浮世絵のキセキ」千葉市美術館、5月30日(金)~7月21日(月)https://ccma-net.jp/y30th-exhibitions-2025/
美術館スケジュール2025・・・旅する哲学者、美への旅
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2025 長楽万年 蘇る不滅の精神 美への旅
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美術館スケジュール2025・・・旅する哲学者、美への旅
美術館スケジュール2025・・・旅する哲学者、美への旅
2024美術展ベスト10・・・旅する哲学者、美への旅
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2025 長楽万年 蘇る不滅の精神 美への旅
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