2021年4月 3日 (土)

渡辺省亭展、欧米を魅了した花鳥画・・・花の盛りを過ぎ、風が吹き、花びらが零れ落ちる「牡丹に蝶の図」

Seitei-2021-geidai-0
Seitei-botannicho
Seitei-harunohatozu
Seitei-shichibijinnozu
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第240回

花盛りの森を歩いて、藝大美術館に行く。上野の森は桜満開、人があふれている。仏大統領は3月31日パリの都市封鎖を4月3日全土に拡大すると発表した。フランス3度目の都市封鎖。
「牡丹に蝶の図」花の盛りを過ぎ、風が吹けばこぼれ落ちてしまう花、退廃的な雰囲気が漂う。落ちていく雄蕊、風の流れ、花びら落ちていく時間の経過が描かれている。*
忘れられた知られざる名匠による繊細で洒脱な花鳥画、フランス人を魅了し、印象派画家と交流した。
【美人画、省亭と勝川春章】渡辺省亭「七美人之図」は室町時代の「竹林七賢図」の水墨画の世界を美人画で表現する。勝川春章「竹林七研図」を直接参照したらしい*。省亭の妻は美人だった。省亭の妻さくの面影を美人画に投影させていると長男、渡辺水巴の証言がある。【鳥、省亭と伊藤若冲】渡辺省亭「雪中鴛鴦之図」1909年は、伊藤若冲「動植綵絵之内雪中鴛鴦図」の極微の世界を研究し追求する。
【曲水流觴】王羲之、李白、嵯峨天皇、空海、大伴家持、藤原俊成、藤原定家、西行、豊臣秀吉。春の兆し、桜を愛で、桃を愛し、神泉苑で、花の宴を催した文人たち。儚い花、儚い香り、儚い夢、儚い愛、怨憎会苦、愛別離苦の悲しみを歌った詩人たち。この世の苦しみを、花盛り花を愛で、宴を催し、心を癒した。
【花と死】願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ、西行『続古今和歌集』。西行は文治六(1190)年二月十六日 73歳で亡くなる。
【花と蝶】花に蜜を求めて乱舞する蝶、花に吹く風、零れ落ちる雄蕊、漂う風。竹林を歩く七美人。省亭は若冲のように鳥を好んだ。花と鳥と龍頭観音を愛した省亭は、可視界の彼方に何を求めたのか。
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
【省亭とパリ】省亭は一八七八年の万博を機にパリに渡り、ドガと印象派の画家たちと交流した。万博出品やロンドンでの個展により海外で高い評価を得た。国内での大規模な作品展は初めて。ドガに贈られた「鳥図」(枝にとまる鳥)。
絹本に薄塗りの技法は、繊細で儚い世界を表現する。
「この絵には、「為ドガース君 省亭席画」という落款が施されている。「ドガース君」とは、踊り子を描いた絵で有名なフランスの画家、エドガー・ドガ(1834~1917)。省亭は明治11年、日本画家としてはじめて渡欧し、パリ万博にまつわる輸出産業の仕事に従事した。その折、その画技が評判となって、ドガをはじめとするフランス人が集まった会合で、席画(即興で描く絵)を披露した。いかにも速い筆捌(さば)きによる枝、葉、そして鳥の尾羽。かすれているのが生々しい。ドガは省亭の筆技に驚嘆したことだろう。そしてこの絵はいま、アメリカ、マサチューセッツ州にあるクラーク美術館に保管されている。はじめて里帰りして展示される。ドガはいつ手放したのか」山下裕二*。
明治20年代にロンドンで開かれた展示会で、100点を超える省亭作品が販売された。
――
渡辺省亭、パリと浅草に棲息した絵師 1852年~1918年
嘉永4年12月(1852年1月)江戸神田佐久間町に生まる。16歳、歴史画家・菊池容斎に入門、書道、筆遣いや写生の基礎を学ぶ。明治8年(1875)23歳。起立工商会社に入社、輸出用工芸図案を担当。明治10年(1877)の内国勧業博覧会出品作を翌年のパリ万博にも出品する。
【1878年(明治11年)、パリ万博】26歳
同社派遣により日本画家としてはじめてパリに渡る。帰国後、内外の博覧会や展覧会に花鳥画を中心に積極的に出品、明治20年代、伝統と洋風を融合、自己の様式を確立。
【1898年(明治31年)、日本美術院、創立】
岡倉覚三(天心)が東京美術学校を排斥されて辞職した際に、自主的に連座して辞職した美術家達(橋本雅邦、六角紫水、横山大観、下村観山、寺崎広業、小堀鞆音、菱田春草、西郷孤月)が結成。谷中大泉寺にて。
省定は、明治30年代以降、美術展覧会、美術団体に参加せず、市井の画家として活動を行う。明治40年代からは高い画料で仕事をした、弟子をとらず、注文に応じて制作活動を行った。大正7年(1918)68歳で亡くなる。
――
展示作品の一部
渡辺省亭「牡丹に蝶の図」1893(明治26)年 絹本着色 一幅 個人蔵
渡辺省亭「百舌鳥に蜘蛛図(花鳥魚鰕画冊)」絹本着色 一面(全二十一面のうち) メトロポリタン美術館
渡辺省亭「牡丹に雛図(花鳥魚鰕画冊)」絹本着色 一面(全二十一面のうち) メトロポリタン美術館
渡辺省亭「雪中鴛鴦之図」1909年 絹本着色 142.0×78.0cm
渡辺省亭「龍頭観音」1879(明治12)年
渡辺省亭「春野鳩之図」絹本着色、一幅、加島美術館
渡辺省亭「鳥図(枝にとまる鳥)」1878(明治11)年/紙本淡彩/一面、クラーク美術館 Clark Art Institute. clarkart. Edu エドガー・ドガ旧蔵品「鳥図」(為ドガース君 省亭席画)
渡辺省亭「花鳥魚鰕画冊」メトロポリタン美術館所蔵
渡辺省亭「七美人之図」絹本着色、一幅、クラウス・F・ナウマンコレクション
箱書きに「七美人之図」と題するが、この画題がいわゆる竹林七賢を意識していることは明白である。竹林に隠棲(いんせい)した七人の賢者を描く、室町時代以来定番の、水墨画の画題。省亭は古典をしっかり踏まえながら、最高の画技をもって、このような大作を描いた。
渡辺省亭《四季江戸名所(夏 不忍池蓮)》(部分) 絹本着色 四幅のうち 個人蔵
【花鳥画】赤坂迎賓館内部を飾る七宝額の原画を省亭が担当し、濤川惣助が無線七宝で拵えた。
――
参考文献
「渡辺省亭-欧米を魅了した花鳥画-」小学館、2021
*山下裕二氏、古田亮氏「渡辺省亭-欧米を魅了した花鳥画-」広報事務局プレスリリース
「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」東京都美術館・・・世に背を向け道を探求する、孤高の藝術家
https://bit.ly/2BUy4rl
「The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション」東京都美術館・・・浮き世の遊宴と享楽と美女
https://bit.ly/30JCdd2

渡辺省亭展、欧米を魅了した花鳥画・・・花の盛りを過ぎ、風が吹き、花びらが零れ落ちる「牡丹に蝶の図」

――
渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画、東京藝大美術館、3月27日(土)~5月23日(日)
https://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2020/seitei/seitei_ja.htm
愛知、岡崎市美術博物館、5月29日(土)から7月11日(日)まで
静岡、佐野美術館、7月17日(土)から8月29日(日)まで

| | コメント (0)

2021年3月28日 (日)

「あやしい絵展」・・・退廃的、妖艶、エロティック、表面的な「美」への抵抗

Ayashii2021-1
Ayashii2021-0
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第239回

「あやしい絵」、背後にあるものは何か。
失われた幸せ、衝撃から髪を靡かせて疾走し遁走する、葛藤と救済。隠されたドラマは何か。
異界から聖なる者を誘惑する女、一途な執着の女、この世では結ばれない男女の愛、落城寸前の我が子秀頼を守ろうとする淀君、生霊、略奪愛。
その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな 鳳晶子『みだれ髪』1901
泉鏡花『高野聖』、「安珍清姫伝説」、近松門左衛門『心中天網島』、淀君の苦悩、運命の女(Femme fatale)、六条の御息所の生霊(謡曲『葵上』)、与謝野晶子『みだれ髪』、河竹黙阿弥『處女翫浮名横櫛』、『京の舞妓』。
【果たせぬ夢を果たし、晴らせぬ恨みを晴らす】生老病死、怨憎会苦、愛別離苦、求不得苦、五蘊集苦。果たせぬ夢を果たし、晴らせぬ恨みを晴らす。この世に渦まく悪逆非道、鬼畜、化粧せる不正、不条理に反抗、怨敵調伏する。
北野恒富の屛風『道行』は近松門左衛門「心中天網島」を題材としているが、幕末の志士、高杉晋作「三千世界の鴉を殺し ぬしと朝寝がしてみたい」の都々逸を合わせて展示されている。
幕末から昭和初期に制作された絵画、版画、挿図をみると、退廃的、妖艶、グロテスク、エロティック、「単なる美しいもの」とは異なる。「あやしい絵」のほとんどは、女たち、虐げられた者たちである。江戸時代からつづく、封建制、階級社会、抑圧された者たちの世界。鳳晶子『みだれ髪』1901年、ロマン主義の花が開く。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
展示作品の一部
月岡芳年『魁題百撰相』は、戊辰戦争の兵士たちを、江戸初期の人物の姿を借りて表したシリーズ。実際に芳年は上野戦争の現場を訪れ、傷ついた兵士や遺体を模写したという。流血したその姿からは、無念さや気迫が感じられる。
安本亀八「白瀧姫」1895年頃(明治28年頃)桐生歴史文化資料館蔵
藤島武二装丁、鳳晶子『みだれ髪』1901年(明治34年
稲垣仲静「猫」1919年頃(大正8年頃)星野画廊
上村松園『焰』大正7年、東京国立博物館 [展示期間:3月23日~4月4日]
速水御舟『京の舞妓』、東京国立博物館
曾我蕭白『美人図』江戸時代(18世紀)、奈良県立美術館、東京展のみ、3月23日~4月4日
橘小夢『安珍と清姫』大正末頃、弥生美術館 [後期展示:4月20日~5月16日]
ダンテ・ガブリエル・ロセッティ《マドンナ・ピエトラ》1874年、郡山市立美術館
アルフォンス・ミュシャ「ジスモンダ」1986
甲斐庄楠音「畜生塚」大正4(1915)年頃、京都国立近代美術館蔵
甲斐庄楠音「幻覚(踊る女)」大正9(1920)年頃、京都国立近代美術館蔵
甲斐庄楠音「舞う」大正10(1921)年
甲斐庄楠音《横櫛》大正5年頃、京都国立近代美術館、通期展示
岡本神草「拳を打てる三人の舞妓の習作」1920、京都国立近代美術館
岡本神草「口紅」1918、京都市立芸術大学資料館
岡本神草「仮面を持てる女」1922、京都国立近代美術館
岡本神草「骨牌を持てる女」1923、京都国立近代美術館
北野恒富『道行』大正2年1913頃、福富太郎コレクション、3月23日~4月4日
北野恒富『淀君』大正9(1920)年
――
参考文献
田中麗子「あやしい絵 通史」
「あやしい絵展 図録」毎日新聞社2021
上村松園展・・・美人画の系譜
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-1f70.html
「ラファエル前派の軌跡展」・・・ロセッティ、ヴィーナスの魅惑と強烈な芳香
https://bit.ly/2Coy0jB
「ギュスターブ・モロー展 サロメと宿命の女たち」・・・夢を集める藝術家、パリの館の神秘家。幻の美女を求めて
https://bit.ly/2v5uxlY
「怖い絵展」
http://bit.ly/2z8eCTV

「あやしい絵展」・・・退廃的、妖艶、エロティック、表面的な「美」への抵抗
――
明治期、あらゆる分野において西洋から知識、技術などがもたらされるなか、美術も西洋からの刺激を受けて、新たな時代にふさわしいものへと変化していきました。
このような状況のもとで生み出されたさまざまな作品の中には、退廃的、妖艶、グロテスク、エロティックといった「単なる美しいもの」とは異なる表現がありました。これらは、美術界で賛否両論を巻き起こしつつ、激動する社会を生きる人々の欲望や不安を映し出したものとして、文学などを通して大衆にも広まっていきました。
本展では幕末から昭和初期に制作された絵画、版画、雑誌や書籍の挿図などからこうした表現を紹介します。
1.一度見たら忘れられない名画たち
日本近代の美術における美しさの「陰画(ネガ)」をご紹介。上村松園の《焰》や《花がたみ》、鏑木清方《妖魚》等、「あやしい」魅力にあふれた作品が勢揃いします。
2.ディープな「あやしい」作品が盛りだくさん
甲斐庄楠音《横櫛》、橘小夢《安珍と清姫》、秦テルヲ《血の池》等、脳裏に焼きつくほど美しく強烈な「あやしさ」をそなえた作品が多数出品されます。
3.私たちを捉えて離さない「あやしい」物語
安珍・清姫伝説、「高野聖」等の物語はさまざまな作家を魅了し作品に展開されました。非現実であったり「あやしい」女性が登場したりする物語は、明治、大正期のみならず今の私達にも魅力的に映ることでしょう。
4.西洋美術も!
アルフォンス・ミュシャ、ダンテ・ガブリエル・ロセッティ、オーブリー・ビアズリー、エドワード・バーン=ジョーンズ等、日本の画家達に影響を与えた西洋美術の作品もあわせて紹介します。

1章:プロローグ 激動の時代を生き抜くためのパワーをもとめて(幕末~明治)
2章:花開く個性とうずまく欲望のあらわれ(明治~大正)
 1 愛そして苦悩―心の内をうたう
藤島武二と田中恭吉の絵画。彼らに影響を与えたアール・ヌーヴォーのアルフォンス・ミュシャ、ラファエル前派ロセッティ、象徴派。
 2 神話への憧れ
古事記のイザナギノミコトとイザナミノミコトの物語を題材にした『黄泉比良坂』(1903)、青木が人間の生命の始源ととらえた海を題材にした『運命』(1904)。
 3 異界との境で
泉鏡花『高野聖』の修行僧、宗朝が傷ついて汚れた体を親切な女に川で洗い流して癒してもらう艶めかしい場面、美貌の女の色香に惹かれる迷う僧。だが彼女は男を動物に変えてしまう魔女。橘小夢作『高野聖』。谷崎潤一郎『刺青』の女郎蜘蛛が背中に彫られた少女を描いた橘小夢作挿絵『刺青』。
 4 表面的な「美」への抵抗
豊臣秀吉の側室である淀君、北野恒富《淀君》(1920)。暗闇から浮かびあがる、口を一文字に結び先を見据えたその表情。
島成園の《無題》(1918)は、顔に痣のある女性を描く。島は「あざのある女性の運命とこの世を呪う気持ちを描いた」と語る。
 5 一途と狂気
物語の挿絵が、浮世絵の系譜にある場面を重視したものから、登場人物の内面を描くものへと移り変わった。近松門左衛門『心中天網島』を題材とした北野恒富《道行》(1913)は、死を決意したふたりの悲しみの表情と、それを象徴する鳥の姿。
3章:エピローグ 社会は変われども、人の心は変わらず(大正末~昭和)
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/ayashii/
――
「あやしい絵展」東京国立近代美術館、2021年3月23日(火)~5月16日(日)
「あやしい絵展」大阪歴史博物館、2021年7月3日~8月15日

| | コメント (0)

2021年3月16日 (火)

大地のハンター展、陸の上にも4億年・・・百獣の王、食物連鎖の頂点に立つ者

Hunters-2021
Cartier-2011
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第238回

生命の競争社会、生きるために生物を捕えて食べる。弱肉強食、食うか食われるか。生物は生物を食べて生きる。気づいたときには食われている。
中生代白亜紀のワニ、デイノスクスは、恐竜ティラノサウルスを捕食していた。捕食活動、食物連鎖の頂点に立つ人類と生物の生命史。食肉目ネコ科ヒョウ属ライオンは百獣の王なのか。人は、おびき寄せ待ち伏せ、罠を作って獲物を捉える。捕食の頂点に立つものは何か。人を食うものは何か。
【百獣の王】猫科は、基本的に一人で行動する。ライオンは集団行動で、夜、象に跳びかかって襲い、一昼夜で仕留める。チーターは、地上最速のハンターだが、飛ぶことはできない。百獣の王は何か。
【狩人の武器】おびき寄せ・待ち伏せ、道具を使って獲物をおびき寄せる、身を隠して獲物を待つ。毒使いの狩人、カマ使いの狩人。狩りは、生きるために必要なエネルギーを得る重要な手段であり、効率よく狩りを行うために、動物たちは最適な身体を手に入れ、さまざまな技術を身につける。追う者、追われる者。
【雲南省の洞窟、石正麗】1918-20年、スペイン風邪ウィルスは、5億人に感染し5000万人が死亡した(National Geographic)。2019-21年、新型コロナウィルスが世界中で感染爆発。2005年から、武漢ウィルス研究所の石正麗博士は、雲南省の洞窟を探検し2000のウィルスを採集した。雲南省の洞窟に潜む、きくがしら蝙蝠はウィルスを保有、穿山甲が媒介して人に感染する。WIV1は直接ヒトに感染する。2019新型コロナは、石正麗の2013年舟山コウモリから発見されたRaTG13ウィルスに96%一致する。ウィルスは人を死に至らしめる。血を吸うことでさまざまな伝染病を媒介しヒトを死にいたらしめる蚊。生命の競争社会、食物連鎖の頂点に立つ者は何か。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
★展示される主な標本
陸に上がって 4 億年のうちに多様化したハンター 捕食者)。動物が生きていくために必要な営み「 捕食「(捕らえて食べる)」に注目し、ハンターの顎と歯の進化、ハンティングテクニックを紹介しながら生態系におけるその役割と重要性を解き明かす。さまざまなハンターの起源と進化を紹介し、大地のハンターが生きる地球環境のこれからを考える科学展覧会。
第 1 章 太古のハンター」
遠い昔に栄え、そして絶滅した生物の系譜を追いながら、ハンターの起源と進化に迫ります。節足動物と脊椎動物の顎の成り立ちの違いや、中生代に活躍した両生類 ・爬虫類、新生代の大地に栄えた哺乳類など、太古に活躍したハンターを、化石や骨格標本を通して紹介します。
太古のハンターというと大型肉食恐竜が思い浮かびますが、恐竜が常に生息環境の頂点にいた訳ではありません。本章では恐竜を食べていたと推定されるワニ類や哺乳類などにも焦点をあて、太古の地球の多様性を示します。ワニは約 2 億 3000 万年前の三畳紀に出現して以来、現生までほとんど形を変えずに水辺の生態系に君臨し続けているハンター。恐竜絶滅後の大地には哺乳類が繁栄しました。
第 2 章 大地に生きるハンター」 本章では、さまざまな地球環境に順応している現生のハンターを展示します。「水辺」、 森・密林」、 草原」、 荒野(砂漠・岩場)」の4つの生息域ごとに代表的なハンターを紹介するほか、「おびき寄せ・待ち伏せテクニック」や「暗闇」などの切り口で、ハンターの特徴を解説。
【水辺のハンター】
動物は生きるために必要な水を得るため水辺にやってきます。このため必然的に多くのハンターも水辺に集まります。水辺に君臨する 「イリエワニ」の4mを超える大型剥製や、巨大な 「ヒグマ」、水を恐れずワニをも捕食する 「ジャガー」、動かない鳥として人気の 「ハシビロコウ」水辺でハンティングする動物
【森・密林のハンター】
陸地の3割を占める森・密林。森に潜み狩りを行う動物や、樹上に登り立体的に狩りを行う動物。代表的なネコ科のハンターである 「トラ」、長い犬歯が特徴的で現生のサーベルタイガーともいわれる 「ウンピョウ」、群れで狩りをすることで知られる「オオカミ」などのほか、立体的に活動する「オオアタマガメ」や「トビトカゲ」などの珍しい小動物
【草原のハンター】
多くの草食獣が暮らす草原には、それを狙うハンターも多く生息しています。彼らの狩りの方法も多彩です。ネコ科では珍しく集団で狩りをする 「ライオン」、跳躍力に優れた華麗なハンター 「サーバル」、腐肉食というイメージがついてしまったが実は狩りが得意な「ブチハイエナ」。また、人気のスピードスター 「チーター」や、強力な毒をもつヘビ 「ブラックマンバ」など、特徴的なハンター
【荒野(砂漠・岩場)のハンター】
砂漠や岩場など厳しい環境にも獲物はいます。これらを捕らえるハンターは、厳しい環境に適した体をもっています。大きな耳をラジエーターとして砂漠に生息する「フェネック」、高地の寒さに耐えうる長い毛をもつ「マヌルネコ」、山岳地帯の急峻な崖をものともせず狩りを行う「ユキヒョウ」など、厳しい生息域で暮らすハンター
【おびき寄せ・待ち伏せテクニック】
道具を使って獲物をおびき寄せるユニークな動物!おとりの昆虫を水に浮かべ餌となる魚をおびき寄せる「ササゴイ」、自らのピンク色の舌をミミズのように動かして魚を捕らえる 「ワニガメ」、地中に半身を隠してじっと獲物を待つ「ベルツノガエル」などのユニークな動物。
第 3 章 ハンティングの技術」 【偏食なハンター】展示される主な標本
アリ、シロアリを食べるために進化した口と舌を持つ「オオアリクイ」
【毒使いのハンター】展示される主な標本
毒をもつ希少なトカゲ類で乾燥地に生息する「メキシコドクトカゲ」
【カマ使いのハンター】―これぞ収斂進化!カマのような前脚をもつ動物集合!
可憐な花に擬態「ハナカマキリ」
「カマバチ」、「カマバエ」、「カマキリモドキ」、「ミズカマキリ」、「ザトウムシ」など、種をまたいでカマ使いのハンター
第 4 章 フォーエバー・大地のハンター」
人間による思慮の無い活動のために数を減らしたハンター、逆に生息域を広げてしまったハンター。本章では、外来のハンターと、人間によって絶滅してしまったハンターを取り上げ、人間と地球の仲間たちとの持続可能なバランスある関係づくりに向けたメッセージ。
★「大地のハンター展、国立科学博物館」Press Releaseより
――
★参考文献
「大地のハンター展 図録」国立科学博物館2021
【感染爆発、帝国と都市国家の戦い】この世の果てを超えて、旅する詩人・・・「時の関節が外れた」シェイクスピア
【人口削減計画】ゼウスは、増え過ぎた人口を調節するためにテミスと試案を重ね、大戦を起こして人類の大半を死に至らしめる決意をした。
https://bit.ly/2XoaNcd
ウィルスと人類の戦い・・・感染爆発の歴史、アテネのペリクレス、ルネサンス、厩戸皇子 、盧舎那仏
https://bit.ly/2z32Orl

大地のハンター展、陸の上にも4億年・・・百獣の王、食物連鎖の頂点に立つ者

――
森や草原、水辺や砂漠、地球上のあらゆる場所で、動物たちの食べる・食べられるというつながりがあり、狩るという行為の積み重ねによって、生態系のバランスが保たれています。
動物たちにとって狩りは、生きるために必要なエネルギーを得る重要な手段であり、効率よく狩りを行うために、動物たちは最適な身体を手に入れ、さまざまな技術を身につけてきました。
本展では、狩りを行う動物(大地のハンター)たちの進化の歴史を概観するとともに、現生の多種多様なハンターたちの特徴やハンティングテクニックを紹介します。
https://www.kahaku.go.jp/index.php
――
大地のハンター展、国立科学博物館、2021年3月9日㈫~6月13日㈰

| | コメント (0)

2021年2月28日 (日)

「テート美術館所蔵 コンスタブル展」・・・虹が立つハムステッド・ヒース

Constable-2021-mim

John-constable-hamstead-heath-1836

John-constable-opening-of-waterloo-briid

大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第237回
荒涼とした大地、陰鬱な樹々、沸き立つ雲、輝く虹、湿った空、戦いの海。仔細に見ると荒々しい筆致。ジョン・コンスタブルの風景は、陰鬱で荒々しい。「虹が立つハムステッド・ヒース」、荒々しい大地に立つ虹は、何の予兆だろうか。理想風景は崩壊する。
西洋風景画、クロード・ロランから始まる。クロード・ロラン、夕暮れの風景、夕暮れの海景
クロード・ロラン(1600年代-1682)は、古代の理想風景を追求する風景画家、海景画家である。古代イタリアの古典主義の神話画、夕暮れの田園風景、夕暮れの港の海景を描いた。『タルソスに上陸するクレオパトラ』1642『クリュセイスを父親のもとに送り返すオデュッセウス』1644『海港 シバの女王の上陸』1668
ジョン・コンスタブルはクロード・ロランを「世界が今まで目にした最も完璧な風景画家」「全てが美しく-全てが愛らしく-全てが心地よく安らかで心が温まる」と絶賛。
西洋風景画の系譜
17世紀、1620年代、クロード・ロランから始まる。1637年頃から風景画家、海景画家としての名声を高め。フランス人のニコラ・プッサンとも交友があり、ローマン・カンパーニャを共に旅している。17世紀オランダ風景画、ヤーコプ・ファン・ロイスダール、19世紀カミーユ・コロー、19世紀イギリス、J.M.W.ターナー、ジョン・コンスタブル。ターナーは、クロード・ロランの理想風景画の影響を受けた。コンスタブルは17世紀オランダ風景画の影響を受ける。『草地から望むソールズベリー大聖堂』1831。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
ポレオン戦争の勝利、ワーテルローの戦い1815、ネイサン・ロスチャイルド
1815年のワーテルローの戦いは、ナポレオンが勝てばイギリスのコンソル公債は暴落し、イギリスが勝てば逆に高騰するだろうと予想された。ネイサンはロスチャイルド家の情報伝達体制を駆使、イギリス勝利の情報を掴んだ。ロスチャイルド家の優れた情報収集体制は金融界に知れ渡っていた。みなネイサンの動向を注視していた。ネイサンはまず公債を売った。それを見た他の投資家たちはイギリスの敗戦を確信し、一斉に売りに入った。公債が暴落したところでネイサンは急遽莫大な量の買いに入った。イギリスの勝利の報告が入ると公債は急騰し、ネイサンは莫大な利益を上げることに成功。これは「ネイサンの逆売り」として伝説化。1817年ロスチャイルド五兄弟全員にオーストリア帝国のハプスブルク家より「フォン(von)」の称号を送られ、1822年には5兄弟に男爵位と紋章が授与された。ネイサンは称号や紋章のような名誉には関心がなく、男爵の称号も全く使用しなかった。勲章も贈られたが、身につけなかった。自由主義国イギリスではハプスブルク帝国の専制国家から授与された爵位など価値はない。
――
1、風景画家コンスタブルの大回顧展 35年ぶり、伊勢丹美術館1986年
19世紀イギリスの画家ジョン・コンスタブル(1776-1837年)は、1歳年長のJ. M. W. ターナー(1775-1851年)とともに自国の風景画を刷新した。彼らの制作は対照的で、ターナーが各地を旅して国内外の景観の膨大な素描を残したのに対し、コンスタブルは自らの生活や家庭環境に結びつく場所を描き続けた。
2、戸外での風景画制作
1776年、イングランド東部のサフォーク州イースト・バーゴルトに生まれたコンスタブルは、ロンドンの美術学校ロイヤル・アカデミーに入学後、優位に置かれていた肖像画などを手掛けつつも、自分が愛着をもつ土地を描いていた。1802年、「自然が根源的にもつ本質を探る」ため、戸外での風景画制作を始めた。本展では、《フラットフォードの製粉所(航行可能な川の情景)》をはじめ、コンスタブルが身近な土地を描いた油彩画の数々。
3、風景表現の探求 ハムステッドの高台にて 結核を患う妻
コンスタブルは1816年末に結婚し、家庭生活を維持するべく肖像画制作に励む一方、風景画にも注力。1819年にはロイヤル・アカデミーの准会員に選出され、評価を高めた。1820年代初頭には、ロンドンの北に位置するハムステッドの澄んだ空気のもとで家族と過ごし、1824年以降には結核を患う妻の療養のためにブライトンをたびたび訪れるようになる。会場では、ハムステッドで画家を魅了した雲の習作や、家族や友人と過ごした土地の風景を描いた。
4、想像力を駆使した後期の作品 妻マライアの死
1828年に妻を亡くした数ヶ月後、コンスタブルは、ロイヤル・アカデミーの正会員に選出され、批評に縛られずに主題や技法を選ぶ自由を得た。以後、過去に描いてきたサフォークなどの風景に取り組み、後期には、画中のモティーフを自由に配置しなおすなど、想像力を駆使した作品を手掛けた。《虹が立つハムステッド・ヒース》など、壮大で「ピクチャレスク」な風景画を描く。1837年死す、享年61歳。
5、ターナーとコンスタブルの対決、1832年ロイヤル・アカデミー
コンスタブルの大作《ウォータールー橋の開通式(ホワイトホールの階段、1817年6月18日)》。この作品は、ターナーの《ヘレヴーツリュイスから出航するユトレヒトシティ64号》とともに、1832年のロイヤル・アカデミー夏季展に出品された華やかな風景画。これら2作が日本では初めて並んで展示される。
――
参考文献
ケネス・クラーク「風景画論」(佐々木英也訳、ちくま学芸文庫、2007年)
「イタリアの光 クロード・ロランと理想風景」国立西洋美術館1998
「コロー 光と追憶の変奏曲」国立西洋美術館2008「銀灰色の靄に包まれた喚起力と連想の芸術」コロー《モルトフォンテーヌの想い出》1864
《ヴィル=ダヴレー、牛飼い女のいる森の入口》道に差し込む光線、《ローマのコロセウムの習作》《ファルネーゼ公園から見たフォロ・ロマーノ》光と影、《プッサンの散歩道》《ティヴォリ、ヴィラ・デステ庭園》
「コロー 光と追憶の変奏曲」・・・夕暮れの光に包まれるイタリアの風景
https://bit.ly/3bICT86
「コロー 光と追憶の変奏曲」・・夕暮れの光から銀灰色の靄に包まれた思い出の森へ
https://bit.ly/3q3TpEB
「ターナー 英国最高の風景画家」東京都美術館2013
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー《チャイルド・ハロルドの巡礼―イタリア》1832
《ヴァティカンから望むローマ、ラ・フォルナリーナを伴って回廊装飾のための絵を準備するラファエロ》1820
ターナー展 英国最高の巨匠・・・イタリアの黄昏、黄金の光
https://bit.ly/3bEQyNo
「フェルメールとレンブラント 17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち」2016、森アーツセンター
https://www.tbs.co.jp/vermeer2016/works/
ヤン・バプティスト・ウェーニクス《地中海の港》1650
コルネリス・クラースゾーン・ファン・ウィーリンゲン《港町の近くにて》1615-20
カレル・ファブリティウス《帽子と胴よろいをつけた男(自画像)》1654
「テート美術館所蔵 コンスタブル展 図録」三菱一号館美術館
Press Releaseテート美術館所蔵 コンスタブル展、三菱一号館美術館

「テート美術館所蔵 コンスタブル展」・・・虹が立つハムステッド・ヒース

――
展示作品の一部
ジョン・コンスタブル《フラットフォードの製粉所(航行可能な川の情景)》1816 -17年、油彩/カンヴァス、101.6×127.0cm、テート美術館蔵コピーライトTate
ジョン・コンスタブル《マライア・ビックネル、ジョン・コンスタブル夫人》1816年、油彩/カンヴァス、30.5×25.1cm、テート美術館蔵コピーライトTate
ジョン・コンスタブル《ウォータールー橋の開通式(ホワイトホールの階段、1817年6月18日)》 1832年発表、 油彩/カンヴァス、130.8×218.0cm、テート美術館蔵コピーライトTate
ジョン・コンスタブル《チェーン桟橋、ブライトン》1826-27年、油彩/カンヴァス、127.0×182.9cm、テート美術館蔵コピーライトTate
ジョン・コンスタブル《草地から望むソールズベリー大聖堂のスケッチ》1829年?、油彩/カンヴァス、36.5×51.1cm、テート美術館蔵コピーライトTate
ジョン・コンスタブル《デダムの谷の眺め》1802年、油彩/紙・カンヴァス、51.5×61.0cm、郡山市立美術館蔵
J. M. W. ターナー《ヘレヴーツリュイスから出航するユトレヒトシティ64号》1832年、油彩/カンヴァス、91.4×122.0cm、東京富士美術館蔵
ジョン・コンスタブル《虹が立つハムステッド・ヒース》1836年、油彩/カンヴァス、50.8×76.2cm、テート美術館蔵コピーライトTate
――
19世紀イギリスの画家ジョン・コンスタブル(1776-1837年)は、一歳年長のJ. M. W. ターナーとともに自国の風景画を刷新し、その評価を引き上げたことで知られます。 ターナーが絶えず各地を旅して、国内外の景観を膨大な数の素描に収めたのとは対照的に、コンスタブルは、ひたすら自身の生活や家庭環境と密接に結びつく場所を描きました。故郷サフォーク州の田園風景をはじめとして、家族や友人と過ごしたソールズベリー、ハムステッド、ブライトンなどの光景を写した生気あふれる作品の数々は、この画家が何を慈しみ、大切に育んだのかを雄弁に物語ってやみません。
日本では35年ぶりとなる本回顧展では、世界有数の良質なコンスタブルの作品群を収蔵するテート美術館から、ロイヤル・アカデミー展で発表された大型の風景画や再評価の進む肖像画などの油彩画、水彩画、素描およそ40点にくわえて、同時代の画家の作品約20点をご紹介します。 国内で所蔵される秀作を含む全85点を通じて、ひたむきな探求の末にコンスタブルが豊かに実らせた瑞々しい風景画の世界を展覧します。
https://mimt.jp/constable/
――
テート美術館所蔵 コンスタブル展、三菱一号館美術館、2021年2月20日(土)~5月30日(日)

| | コメント (0)

2021年2月22日 (月)

「筆魂 線の引力・色の魔力─又兵衛から北斎・国芳まで─」・・・画狂老人卍『鳳凰図屏風』の思い出

Sumidahokusai-hudedamashii-2021-0
Sumidahokusai-hokusai-touryuuzu

Sumidahokusai-iwasamatabei

Boston-edonoyuuwaku-20060301

Phoenix_20210222155601
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第236回

「江戸の誘惑 肉筆浮世絵展」、画狂老人卍『鳳凰図屏風』(1835)を思い出す。北斎の最高傑作である。晩年の北斎は肉筆浮世絵に沈潜した。葛飾北斎「合鏡美人図」「立美人図」「登龍図」。北斎が生涯、愛し求めたものは何か。岩佐又兵衛は、波乱の生涯の果てに何を見たのか。
――
【岩佐又兵衛は、織田信長に謀反した戦国武将、有岡城主、荒木村重の末子】母方の姓を名乗り、数奇な運命をたどり絵師として活躍した。重要文化財「弄玉仙図」、桐木のもとで簫をふく弄玉は妖艶である。又兵衛の母の面影である。母、荒木村重の妻は、有岡城の戦い(天正7年1579年)で敗れ信長軍に処刑された。「百二十二人の女房一度に悲しみ叫ぶ声、天にも響くばかりにて、見る人目もくれ心も消えて、感涙押さえ難し。これを見る人は、二十日三十日の間はその面影身に添いて忘れやらざる由にて候なり。」『信長公記』。
岩佐又兵衛(1578-1650)「山中常盤物語絵巻」は、奥州へ下った牛若を訪ねて、都を旅立った母の常盤御前が、山中の宿で盗賊に殺され、牛若がその仇を討つ物語、これには岩佐又兵衛の体験が滲んでいる。
信長の息子・織田信雄に近習小姓役として仕える。大坂の陣(1614-15)の直後、40歳ころ、福井藩主・松平忠直に招かれ、20余年をこの地ですごす。寛永14年(1637年)2代将軍・徳川秀忠の招き、あるいは大奥の同族の荒木局の斡旋で、3代将軍・徳川家光の娘・千代姫が尾張徳川家に嫁ぐ際の婚礼調度制作を命じられ、江戸に移り住む。20年余り江戸で活躍した後、73歳で波乱に満ちた生涯を終える。
【荒木村重、信長に命を狙われる、有岡城の戦い】村重は単身で有岡城を脱出し、嫡男・村次の居城である尼崎城へ移ってしまった。天正9年(1581年)8月17日には、高野山金剛峯寺が村重の家臣をかくまい、探索にきた信長の家臣を殺害したため、全国にいた高野山の僧数百人を捕らえ殺害。肝心の村重本人は息子・村次と共に、親族の荒木元清がいる花隈城に移り(花隈城の戦い)、最後は毛利氏に亡命。天正10年(1582年)6月、信長が本能寺の変で自刃すると堺に戻りそこに居住。豊臣秀吉が覇権を握ってからは、大坂で茶人として復帰、千利休らと親交をもつ。秀吉が出陣中、村重が秀吉の悪口を言っていたことが北政所に露見。利休十哲の一人。天正14年(1586年)5月4日、堺で死去。享年52。
――
【葛飾北斎、苦節五十年】北斎は、20歳で絵師となるが売れず、苦節50年、72歳『富岳三十六景』『神奈川沖浪裏』(1831)まで苦境。北斎は、九十歳で死ぬまで絵を描きつづける。
【不屈の画狂老人卍】74歳にして画狂老人卍『鳳凰図屏風』(1835)、88歳『弘法大師修法図』、89歳『八方睨み鳳凰図』(1848)、90歳『富士越龍図』(1849)。90歳にして「天我をして五年の命を保たしめば、真正の画工となるを得べし」「画工北斎は畸人なり。年九十にして居を移すこと九十三所。」飯島虚心『葛飾北斎伝』。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
肉筆浮世絵
江戸時代の浮世絵師60名が登場、黎明期から幕末に至る浮世絵の系譜を辿る。初公開作品含む「肉筆浮世絵」125点が展示。特に北斎晩年の作品群は瞠目。
浮世絵は、錦絵や刷り物の版画が想起されるが、絵師が絵筆をふるった肉筆画のほうが起源が古い。肉筆画とは、「肉」が「生身」を指すように、絵師が絵筆で紙や絹に描いた一点ものの作品であり、複雑で奥深い彩色技法や、描き手の自由な筆遣いを直接見ることができる。
肉筆画一点一点を通して、絵師たちの意志の赴くままの筆づかいや、面や点で表された色づかいを楽しみ、絵師が筆に込めた魂も感じることができる。
――
主な展示作品の一部
岩佐又兵衛(1578-1650)
岩佐又兵衛「和漢故事説話図 浮舟」福井県立美術館蔵
重要文化財 岩佐又兵衛「弄玉仙図」笙で鳴き声を出して鳳凰を呼ぶ姿。
(旧 金谷屏風)摘水軒記念文化振興財団、千葉市美術館寄託
岩佐又兵衛「龐居士図」(福井県立美術館)岩佐又兵衛「平家物語 祇王図」(福井県立美術館

歌川国芳「文読美人図」摘水軒記念文化振興財団蔵、千葉市美術館寄託[後期]
浮世絵の先駆・岩佐又兵衛による重要文化財「弄玉仙図」・重要美術品「龐居士図」二幅
菱川師宣「二美人と若衆図」個人蔵、福井県立美術館寄託[前期]
東洲斎写楽「中山富三郎・市川男女蔵・市川高麗蔵図」摘水軒記念文化振興財団蔵、千葉市美術館寄託[後期]
葛飾北斎(1760-1849)
葛飾北斎「合鏡美人図」個人蔵[前期]
葛飾北斎「立美人図」個人蔵[後期]
晩年の北斎が数多く手掛けた龍の肉筆画
葛飾北斎「登龍図」個人蔵[前期]
葛飾北斎、勝川春英、歌川豊国、勝川春扇、勝川春周、勝川春好「青楼美人繁昌図」個人蔵、北斎「不仲」説の兄弟子と合作、(前期)
――
参考文献
「筆魂(ふでだましい) 線の引力・色の魔力─又兵衛から北斎・国芳まで─」青幻舎
「新・北斎展」・・・悪霊調伏する空海、『弘法大師修法図』
https://bit.ly/2HAZJ5y 
「江戸の誘惑 肉筆浮世絵展」江戸東京博物館2006
【青楼美人繁昌図】北斎、「不仲」説の兄弟子と合作…肉筆画見つかる :読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20210114-OYT1T50185/
「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」・・・世に背を向け道を探求する、孤高の藝術家
https://bit.ly/2BUy4rl

「筆魂 線の引力・色の魔力─又兵衛から北斎・国芳まで─」・・・画狂老人卍『鳳凰図屏風』の思い出

――
浮世絵といえば版画が連想されますが、絵師が絵筆をふるった一点ものの肉筆画のほうが発生は古く、複雑で奥深い彩色技法や、描き手の筆づかいを直接感じることができます。本展では、浮世絵の先駆とされる岩佐又兵衛をはじめ、浮世絵の始祖である菱川師宣、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川国芳などの60人に及ぶ浮世絵師の肉筆画約125点を展観します。なかには重要文化財、重要美術品、新発見、再発見、初公開作品約40点を含む見どころ満載の展覧会です。浮世絵の源流である肉筆画を通して、300年に及ぶ浮世絵の歴史を体感いただくとともに、それぞれの絵師の巧みな線の引力、色の魔力、そして絵に宿る筆魂をご堪能ください。
肉筆画の「肉」とは「生身」を意味し、錦絵や摺物といった浮世絵版画とは異なり、絵師が絵筆で直接紙や絹に描くことを示します。本展は浮世絵の中でも肉筆画のみを約125点あつめ、以下の構成で浮世絵の歴史を縦覧します。
https://hokusai-museum.jp/fudedamashii/
――
「筆魂 線の引力・色の魔力─又兵衛から北斎・国芳まで─」すみだ北斎美術館
2021年2月9日(火)~4月4日(日) 前後期で一部展示替えを実施予定
[前期 2月9日(火)~3月7日(日) / 後期 3月9日(火)~4月4日(日)]

| | コメント (0)

2021年1月30日 (土)

没後70年 吉田博展・・・月光の桜、光る海

Yoshida2020
Yoshida2020-01
Yoshidahiroshi-kumoizakura-1899
Yoshidahiroshi-seika-tnm
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』235回
春の予兆の森を歩いて美術館へ行く。桜の蕾はまだなく人影疎ら。森鷗外の観潮楼から春の海が見えたのだろうか。
吉田博は、貧困の中で洋画を学び、水彩画で、水と光の陰影の繊細な表現を極めた、風景画、版画の巨匠。《雲井桜》1899は、月光の陰影の繊細な水彩絵画である。デトロイト美術館で買上られた。後に《雲井櫻》木版画1926年(大正15年)に結晶する。
《ヴェニスの運河》は、夏目漱石『三四郎』1908に描写される。《光る海》1926、《猿澤池》1933は、ダイアナ妃の執務室に飾られていた。
吉田博は44歳で木版画を始め、49歳から絵師、彫師、刷師の技を極めた。吉田博の技術の凄さは、すり重ねにある。複雑な色彩表現のために重ねた「摺数の平均は30数度」、江戸時代の浮世絵は10数度である。「亀井戸」1927年88度、「東照宮」1937年は80度、「陽明門」1937年では96度刷っている。
――
吉田博(1876~1950)
【久留米】1876年、旧久留米藩士・上田束秀之の次男として、久留米市に生まれる。1888年、福岡県立修猷館に入学。1891年、修猷館の図画教師であった洋画家・吉田嘉三郎に画才を見込まれ、吉田家の養子となる。1894年、水彩を描き始め、【18歳】三宅克己の勧めで上京して小山正太郎が主催する不同舎に入門し、明治美術会の会員となる。1898年、明治美術会10周年記念展に、『雲叡深秋』、『雲』などを出品。
【23歳で渡米】貧乏だがフリーアの推薦状を得て、片道だけの渡航費で、1899年、中川八郎と共に渡米し、デトロイト美術館で「日本画家水彩画展」を開催。翌1900年、ボストン美術館で2人展を開催。二度の展覧会で水彩画の殆どが売れ、合計2919ドル。当時の日本人の年収の数十倍を手にする。ヨーロッパへ旅する。結局世界各地を7年間に渡って旅した。そして終生のテーマを確信する。帰国直後の言葉。「画家は、自然と人間の間に立って、それをみることが出来ない人のために自然の美を表してみせるのが天職である。」ヨーロッパ各地を巡り帰国した後、太平洋画会や文展、帝展で活躍。
反骨精神【吉田博、白馬会、黒田清輝と対立】日本画壇の中心は黒田清輝の率いる白馬会によって占められていた。明治45年、36歳。黒田清輝を殴る。
吉田博《精華》1909年(明治42年)文展、東京国立博物館所蔵)は、白馬会・黒田清輝に対抗したヌード。
黒田清輝の淡い色彩を特色とする明るい外光派は「新派」と呼ばれ、官僚的な色彩を持つ「旧派」と呼ばれる明治美術会の委員として扱われた。
【44歳で木版画を始める】1920年、大正9年(44歳)新版画の版元の渡辺庄三郎と出会い、渡辺版画店から木版画の出版を開始。ボストンを拠点に、フィラデルフィア、デトロイトなどで展覧会を開催。【49歳からの挑戦】工房を設立。通常分業で行う彫りや摺りも自ら手がけるほど没頭。
1925年、欧州歴訪の後に帰国し、新宿区下落合に吉田版画スタジオを創設、木版画『アメリカ・シリーズ』、『ヨーロッパ・シリーズ』を自ら版元となり出版を開始。「世界百景」を目指して71景まで制作。享年73。
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
展示作品の一部
吉田博《雲井桜》水彩1899
《ヴェニスの運河》1925年(大正14年)
《ウェテホルン》東京都現代美術館所蔵 1925年(大正14年)
《スフィンクス》東京都現代美術館所蔵 1925年(大正14年)
《スフィンクス 夜》東京都現代美術館所蔵 1925年(大正14年)
《雲井櫻》木版画千葉市美術館所蔵 1926年(大正15年)
《瀬戸内海集 帆船 朝》那珂川町馬頭広重美術館所蔵 1926年(大正15年)
《瀬戸内海集 帆船 夕》那珂川町馬頭広重美術館所蔵 1926年(大正15年)
《瀬戸内海集 光る海》1926(大正15)年 木版、紙 37.2×24.7cm
《猿澤池》1933(昭和8)年 木版、紙 37.7×24.6cm
《冨士拾景 朝日》大正15(1926)年
《瀬戸内海集 帆船 朝》大正15(1926)年
《東京拾二題 亀戸神社》 1927年(昭和2年)
《上野公園》昭和13(1938)年
《蘇州》昭和15(1940)年
《光る海》大正15(1926)年
ゆらめくまばゆい光の煌めきが、丸鑿の跡で巧みに表わされています。千変万化する光や大気を描き出すことを目指したその繊細きわまりない表現は、ときに自ら手がけたほどの彫りや摺りの技法に対する深い理解から生み出されました。海景の連作『瀬戸内海集』の第一作。
《溪流》昭和3(1928)年
木版画の制作は、摺り重ねる版が多いほど難しく、そのうえ紙が大きい場合には、水分を含んだ紙が伸縮し、よりズレが生じやすくなります。縦54.5㎝、横82.8㎝という、木版画としては大判の紙に摺られたこの作品は、摺りのズレを克服した、見事な完成度をみせる迫力満点の大作です。
《劔山の朝》
朝日に紅く染まる剱岳の尾根と雲たぎる夏空。一方で、手前の野営はいまだ濃い闇に包まれています。色彩のグラデーションや摺りの技法の細やかな変化により、ダイナミックに広がる自然の光景が見事に表現された、シリーズ『日本アルプス十二題』のなかでもひときわ美しい作品。
――
参考文献
「没後70年 吉田博展 図録」毎日新聞社2021
日曜美術館「木版画 未踏の頂へ~吉田博の挑戦~」2016
没後70年 吉田博展・・・月光の桜、光る海
――
福岡県久留米市に生まれた吉田博(1876-1950)は、若き日から洋画に取り組み、幾度もの海外体験を通じて東西の芸術に触れながら、独自の表現と技法を確立しました。画家として才能を発揮した吉田は、画業後期にはじめて木版画に挑戦し、新たな境地を切り開きます。深山幽谷に分け入り自ら体得した自然観と、欧米の専門家をも驚嘆させた高い技術をもって、水の流れや光の移ろいを繊細に描き出しました。画家の没後70年という節目に開催する本展は、初期から晩年までの木版画を一堂に集めるとともに、版木や写生帖をあわせて展示し、西洋の写実的な表現と日本の伝統的な版画技法の統合を目指した吉田博の木版画の全容を紹介します。
――
没後70年 吉田博展
Yoshida Hiroshi: Commemorating the 70th Anniversary of His Death
東京都美術館、2021年1月26日(火)~3月28日(日)
京都高島屋 2021年1月5日(火)~1月18日(月)
福岡県立美術館 2020年10月16日(金)~12月13日(日)

| | コメント (0)

2021年1月11日 (月)

美術館スケジュール2021年・・・旅する哲学者、美への旅

Horyuji2021-1
Chojugoga2021
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』234回

思想家は、知恵と愛を探求し、美を探求する。絶望を超えて、地上の悪と戦い、天の仕事を成し遂げる。この世は天界と地上の悪との戦いである。如意輪観音は、天人を救う。
魂の果てを歩き、世界の果てを探検する。生涯の仕事をつづける。
叡智と愛の探求の歴史。悪と戦う7人の勇者、愛と復讐の叙事詩、東西文化交渉史4千年、理念を探求する魂の精神史。 
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。
美しい魂は、輝く天の仕事をなし遂げる。美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、あなたを救う。永遠を旅する哲学者は、時を超えて、理念を追求する。黄昏の丘に降り立ち、不滅の魂の神殿に屹立する。美のイデアへの旅。
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
思想家は理念を探求して、理念の現実化を夢想し運命と戦う。プラトンは、知恵を探求し邪知暴虐な王と対峙、空海は即身成仏を追求し金剛峯寺と東寺を形作る。孔子は仁義礼智信を追求し遍歴の果て74歳で果てる。嵯峨天皇は坂上田村麻呂を大納言に任じて平城上皇と戦い乱を鎮圧、弘仁文化を築いた。
――
哲学者は、知恵と愛の探求の旅を続ける。藝術家は、果てしない創造の旅に出る。藝術家は創造力を磨き、世界を創る。創造の秘密は何か。理念を失った世界で判断基準は何か。美の基準は何か。哲学者は、知恵と愛と美を探求して、魂を磨き、魂の美を探求する。藝術家は「時を超える、独創性、革命的、神秘、出会い」5つの語をマントラのごとく唱える。
【愛と復讐の叙事詩】アレクサンドロス大王、父フィリッポス2世を暗殺。クレオパトラ7世、弟プトレマイオス14世を暗殺。プロイセンのフリードリッヒ大王、織田信長、偉大な人生は、復讐から始まる。絶望に立ち向かう。絶望を超えて、復讐を果たし、天の仕事を成し遂げる。
【理念を探求する精神史】ソクラテス、紀元前399年70歳。プラトン紀元前347年80歳。空海835年61歳。李白 762年61歳。孔子紀元前479年74歳。織田信長1582年49歳。アレクサンドロス大王紀元前323年33歳。嵯峨天皇842年56歳
【葛飾北斎】20歳で絵師となるが売れず、苦節50年、『富岳三十六景』まで雌伏。九十歳で死ぬまで絵を描きつづける。74歳で画狂老人卍『鳳凰図屏風』、87歳『八方睨み鳳凰図』88歳『富士越龍図』。90歳「天我をして五年の命を保たしめば、真正の画工となるを得べし」
【六観音菩薩】如意輪観音菩薩は、神通力をもつ天人を救う。天から降りてきた天人は、この世で苛めに遭い苦難を受ける。十一面観音菩薩は、怒りと争いの修羅道を救う。准胝観音菩薩(不空羂索観音菩薩)は、四苦八苦の人道を救う。
宮澤賢治、織田信長は、修羅の道を歩いた。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
1月
「日本のたてもの」東京国立博物館 表慶館2020年12月24日(木)~ 2021年2月21日(日)
吉田博展、東京都美術館 2021年1月26日(火)~3月28日(日)
舟越 桂 私の中にある泉、松濤美術館、2020年12月5日(土)~ 2021年1月31日(日)
「複製芸術家 小村雪岱~装幀と挿絵に見る二つの精華~」2021年1月22日(金)~3月23日(火)千代田区立日比谷図書文化館 1階 特別展示室
https://www.library.chiyoda.tokyo.jp/hibiya/

2月
佐藤可士和展、国立新美術館、2月3日(水)~5月10日(月)
川合玉堂 ―山﨑種二が愛した日本画の巨匠―、山種美術館、2021年2月6日(土)~4月4日(日)
筆魂 線の引力・色の魔力 ー又兵衛から北斎・国芳までー、すみだ北斎美術館、2月9日(火) 〜 2021年4月4日(日)

STEPS AHEAD: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示、アーティゾン美術館、2月13日[土] - 5月9日[日]
テート美術館所蔵 コンスタブル展、三菱一号館美術館、2021年2月20日(土)~5月30日(日)
「電線絵画展-小林清親から山口晃まで-」練馬区立美術館2月28日(日)~4月18日(日)
3月
「大地のハンター展 ~陸の上にも4億年~」国立科学博物館、3月9日(火)から6月13日(日)
ライゾマティクス_マルティプレックス、マーク・マンダース—マーク・マンダースの不在、東京都現代美術館、3月20日(土・祝)- 6月20日(日)
「あやしい絵展」東京国立近代美術館、2021年3月23日(火)~5月16日(日)
カラヴァッジョ展、国立新美術館、3月24日(水)~5月10日(月)
渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画、東京藝大美術館、3月27日(土)~5月23日(日)
4月
百花繚乱 ―華麗なる花の世界―、山種美術館、4月10日(土)~6月27日(日)
特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」東京国立博物館、4月13日~5月30日
「ライデン国立古代博 物館所蔵 古代エジプト展」Bunkamura ザ・ミュージアム、4月16日(金) ~ 6月27日(日)
イサム・ノグチ展、東京都美術館、4月24日(土)~8月29日(日)
北斎「冨嶽三十六景」と広重、江戸東京博物館、4月24日(土)-6月20日(日)
5月
クロード・モネ —風景への問いかけ オルセー美術館・オランジュリー美術館特別企画、アーティゾン美術館、5月29日(土) ~9月10日(金)
6月
ファッション イン ジャパン1945-2020―流行と社会、国立新美術館、6月9日(水)~9月6日(月)
隈研吾展、東京国立近代美術館、6月18日(金)-9月26日(日)
「国宝聖林寺十一面観音」東京国立博物館6月22日(火)~9月12日
三菱創業150周年記念 三菱の至宝展、三菱一号館美術館、6月30日(木)-9月12日(日)
7月
「大江戸の華―武家の儀礼と商家の祭―」江戸東京博物館、7月10日~9月20日
「聖徳太子と法隆寺」東京国立博物館7月13日~9月5日
「THE北斎 -冨嶽三十六景と幻の絵巻-」、すみだ北斎美術館、7月13日(火) 〜 9月20日(月)
生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」東京ミッドタウン・ホール、7月22日(木)~9月17日(金)

Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる、東京都美術館 2021年7月22日(木)~10月9日(土)
京の国宝、京都国立博物館、7月24日~9月12日
9月
「マティス 自由なフォルム」国立新美術館、9月15日~12月13日
ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント、東京都美術館、9月18日(土)-12月12日(日)
10月
「最澄と天台宗のすべて」東京国立博物館10月12日~11月21日
ーー
【空海、聖なるものは悪を滅ぼす】空海は三界の衆生を害することとは三界の無明を断じることに他ならないとしている。*三毒。貪欲・瞋恚・愚痴。貪瞋痴。
不空『理趣釈経』【『般若理趣経』第三段】「金剛手よ、もしこの理趣を聞きて受持し読誦することあらば、たとひ三界の一切の有情を害すも悪趣に堕せず」天人は三悪趣と戦う。*三悪趣(地獄・餓鬼・畜生)
――
参考文献
大久保正雄「ルネサンス、メディチ家と織田信長」
https://t.co/J6q12oMYUX
織田信長、本能寺の変、孤高の城、安土城、信長の価値観
https://bit.ly/39FAMQc
旅する思想家、孔子、王羲之、空海と嵯峨天皇
https://bit.ly/2zsD05T
密教経典『理趣経』・・・空海と金剛界曼荼羅
https://bit.ly/2H2diKc
旅する哲学者、ソクラテスの戦い ソクラテスの祈り
https://t.co/gW05rsb44i
「密教彫刻の世界」東京国立博物館・・・愛染明王、金剛薩埵の化身
https://bit.ly/2WNIoNt
――
2020美術展ベスト10・・・旅する哲学者 美への旅
https://bit.ly/34YoO3Q
2020 謹賀新年 蘇る不滅の精神
https://bit.ly/2tj6wdx
美術館スケジュール2021年・・・旅する哲学者、美への旅


| | コメント (0)

2021年1月 1日 (金)

2021 長楽萬年 蘇る不滅の精神

Taisyakuten-touji-839_20210101200901
Taisyakuten-touji_20210101200901
Boston-2006-12
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』233回

絶望の時を超える。思想家は理念を探求して、理念の現実化を夢想し運命と戦う。プラトンは、知恵を探求し邪知暴虐な王と対峙、空海は即身成仏を追求し金剛峯寺と東寺を形作る。孔子は仁義礼智信を追求し遍歴の果て74歳で果てる。嵯峨天皇は坂上田村麻呂を大納言に任じて平城上皇と戦い乱を鎮圧、弘仁文化を築いた。
藝術家は、果てしない創造の旅に出る。藝術家は創造力を磨き、世界を創る。創造の秘密は何か。理念を失った世界で判断基準は何か。美の基準は何か。哲学者は、知恵と愛と美を探求して、魂を磨き、魂の美を探求する。藝術家は「時を超える、独創性、革命的、神秘、出会い」5つの語をマントラのごとく唱える。
1、理念を追求する精神
理念を追求する精神は、邪知暴虐な権力と戦い、闇の彼方に美を求める。理念の人は、苦難を超えて、輝く天の仕事を成就する。空海、孔子、織田信長、李白、プラトン。即身成仏、仁義礼智、天正、武の七徳、桃花流水杳然去、美の海原の彼方の美のイデア、存在の彼方の善のイデア。
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。美しい魂は、輝く天の仕事をなし遂げる。美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、あなたを救う。永遠を旅する哲学者は、時を超えて、理念を追求する。黄昏の丘に降り立ち、不滅の魂の神殿に到達する。美のイデアへの旅。
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
2、【理念と現実の一致】思想家は、理念を現実において成就することを追求する。プラトン哲学は、国家において知恵が実現することを追求する。空海は、即身成仏を追求する。
3、【天人と鬼畜との戦い】空海、聖なるものは悪を滅ぼす。空海は三界の衆生を害することとは三界の無明を断じることに他ならないとしている。*三毒。貪欲・瞋恚・愚痴。貪瞋痴。
不空『理趣釈経』【『般若理趣経』第三段】「金剛手よ、もしこの理趣を聞きて受持し読誦することあらば、たとひ三界の一切の有情を害すも悪趣に堕せず」天人は三悪趣と戦う。*三悪趣(地獄・餓鬼・畜生)
4、【愛と復讐の叙事詩】アレクサンドロス大王、父フィリッポス2世を暗殺。クレオパトラ7世、弟プトレマイオス14世を暗殺。プロイセンのフリードリッヒ大王、織田信長、偉大な人生は、復讐から始まる。絶望に立ち向かう。絶望を超えて、復讐を果たし、天の仕事を成し遂げる。
【偉大なる王の死】アレクサンドロス3世、33歳。ダレイオス1世66歳。ダレイオス3世60歳。ラムセス2世92歳、子供100人を残す。ハトシャプスト女王49歳。アクエンアテン王29歳。ツタンカーメン18歳。アンケセナーメン27歳。美しきネフェルティティ63歳。絶対権力者が手に入れられない4つの秘宝がある。
5、【理念を探求する精神、美と復讐の精神史】ソクラテス、紀元前399年70歳。プラトン紀元前347年80歳。空海835年61歳。李白 762年61歳。孔子紀元前479年74歳。織田信長1582年49歳。アレクサンドロス大王紀元前323年33歳。嵯峨天皇842年56歳
【思想家の死、詩人の死、藝術家の死】ソクラテス、紀元前399年70歳。プラトン紀元前347年80歳。アリストテレス紀元前322年62歳。孔子紀元前479年74歳。空海835年61歳。藤原定家1241年79歳。李白 762年61歳。北斎1849年90歳。
6、【東西文化交渉史】ギリシア美術、紀元前5ー4世紀、最盛期、BC334アレクサンドロス大王の遠征、ペルシア帝国征服、インド遠征、ガンダーラ美術、ペルガモン王国誕生、シルクロード経由、北魏南梁から飛鳥彫刻、天平彫刻、9世紀、弘仁貞観、密教美術、12世紀、運慶彫刻
7、【六道輪廻と六観音菩薩】聖観音菩薩、地獄道の者を救う。千手観音菩薩、飢えと渇きの餓鬼道の者を救う。馬頭観音菩薩、動物の弱肉強食の畜生道の者を救う。十一面観音菩薩、怒りと争いの修羅道の者を救う。准胝観音菩薩(不空羂索観音菩薩)、人道の者を救う。如意輪観音菩薩、天道を救う。
――
参考文献
大久保正雄「ルネサンス、メディチ家と織田信長」
https://t.co/J6q12oMYUX
織田信長、本能寺の変、孤高の城、安土城、信長の価値観
https://bit.ly/39FAMQc
旅する思想家、孔子、王羲之、空海と嵯峨天皇
https://bit.ly/2zsD05T
密教経典『理趣経』・・・空海と金剛界曼荼羅
https://bit.ly/2H2diKc
旅する哲学者、ソクラテスの戦い ソクラテスの祈り
https://t.co/gW05rsb44i
――
2020美術展ベスト10・・・旅する哲学者 美への旅
https://bit.ly/34YoO3Q
2020 謹賀新年 蘇る不滅の精神
https://bit.ly/2tj6wdx
2021 長楽萬年 蘇る不滅の精神
https://bit.ly/2LctVpS

| | コメント (0)

2020年12月31日 (木)

2020美術展ベスト10・・・旅する哲学者 美への旅

Momoyama-2020-1_20201231135001
Izumo2020_20201231135101
Tarsem-singh-the-fall_20201231135201
Tarsem-singhthefall_2006-4_20201231135501
Horyuji2020
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』232回

1918年スペイン風邪ウィルス後、100年ぶりの感染爆発で、世界の動きが止まった2020年。世界の時の関節が外れた。
思想家は、知恵と愛を探求し、美を探求する。絶望を超えて、地上の悪と戦い、天の仕事を成し遂げる。この世は天界と地上の悪との戦いである。如意輪観音は、天人を救う。
魂の果てを歩き、世界の果てを探検する。生涯の仕事と執筆をつづける。
叡智と愛の探求の歴史。悪と戦う7人の勇者、愛と復讐の叙事詩、東西文化交渉史4千年の歴史、理念を探求する魂の精神史。 
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。
美しい魂は、輝く天の仕事をなし遂げる。美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、あなたを救う。永遠を旅する哲学者は、時を超えて、理念を追求する。黄昏の丘に降り立ち、不滅の魂の神殿に屹立する。美のイデアへの旅。
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――

【神の怒り】人類史からみると人の密集した都市文明は異常である。神々は、カネと地位に執着する人間たちに天罰を下す。ゼウスは、増え過ぎた人口を調節するためにテミスと試案を重ね、大戦を起こして人類の大半を死に至らしめる決意をした。
美を探究する思想家、藝術家は、果てしない創造の旅に出る。藝術家は創造力を磨き、世界を創る。創造の秘密は何か。理念を失った世界で判断基準は何か。美の基準は何か。哲学者は、知恵と愛と美を探求して、魂を磨き、魂の美を探求する。
藝術家は「時を超える、独創性、革命的、神秘、出会い」5つの語をマントラのごとく唱える。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
ーー
美術展ベストテン、2020年12月31日
1、 「桃山―天下人の100年」、東京国立博物館、
「桃山―天下人の100年」東京国立博物館・・・室町幕府崩壊、戦国武将、愛と復讐の壮大なドラマ
https://bit.ly/3lDIoIq
「桃山―天下人の100年」2・・・金碧障壁画、織田信長と狩野永徳、秀吉と長谷川等伯
https://bit.ly/31DlCc0
「桃山―天下人の100年」3・・・茶の湯、足利義政、織田信長、今井宗久、千宗易、豊臣秀吉、楽長次郎
https://bit.ly/35ZPK2F
2、「出雲と大和」東京国立博物館、日本書紀成立1300年
「出雲と大和」東京国立博物館・・・大海人皇子、大王から天皇へ
https://bit.ly/2ReO0wz 
特別展「きもの KIMONO」国立東京博物館・・・織田信長の陣羽織「黒鳥毛揚羽蝶模様」、戦国一の美女と落城
https://bit.ly/2NRghXr

3、法隆寺金堂壁画と百済観音、東京国立博物館
「法隆寺金堂壁画と百済観音」・・・法隆寺と百済観音の謎
https://bit.ly/2J66OZZ
「法隆寺金堂壁画と百済観音」・・・若草伽藍と聖徳太子の謎
https://bit.ly/2R8JNtG 
4、ベルリン・エジプト博物館所蔵「古代エジプト展 天地創造の神話」江戸東京博物館
・・・絶世の美女ネフェルティティ王妃とアマルナ美術の謎
https://bit.ly/39mttQ1
5、石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか・・・果てしなき創造の旅
https://bit.ly/2J9fhiJ
6、ハマスホイとデンマーク絵画展・・・背を向けて佇む女、憂いを帯びる世界、だれもいない部屋
https://bit.ly/2RNIUq8
7、ロンドン・ナショナル・ギャラリー展・・・ルネサンス、ヴェネツィアの放浪画家、マニエリスムの放浪画家
https://bit.ly/3g2iknx
8、特別展「きもの KIMONO」国立東京博物館・・・織田信長の陣羽織「黒鳥毛揚羽蝶模様」、戦国一の美女と落城
https://bit.ly/2NRghXr
9、「工藝2020-自然と美のかたち-」東京国立博物館
「工藝2020-自然と美のかたち-」東京国立博物館・・・道を極める名人の世界
https://bit.ly/3i6wTHe
10、
STARS展、現代美術のスターたち、森美術館 ・・・資本主義史上最大の感染爆発、混迷する人類、救済する智慧はどこにあるか
https://bit.ly/30g3TY4
「The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション」東京都美術館・・・浮き世の遊宴と享楽と美女
https://bit.ly/30JCdd2
「おいしい浮世絵展~北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~」・・・江戸人の味覚
https://bit.ly/3kwMEK0
上村松園と美人画の世界・・・肉体の美と叡智
https://bit.ly/2GXmVru
「桜 さくら SAKURA 2020 ―美術館でお花見 ! ―」山種美術館・・・花の宴
https://bit.ly/2UUizJw
「竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス」・・・生きとし生けるもの、一切衆生悉有仏性
https://bit.ly/2G8mPkd
レオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年記念「夢の実現」展・・・レオナルドの夢、ルネサンスの夢
https://bit.ly/38VLGjZ

「1894 Visions ルドン、ロートレック展」・・・世紀末の印象派と象徴派、ロマン主義の苦悶

2020美術展ベスト10・・・旅する哲学者 美への旅
https://bit.ly/34YoO3Q
「日本のたてもの展」東京国立博物館

「MANGA都市TOKYO」国立新美術館
――
参考文献
【人口削減計画】ゼウスは、増え過ぎた人口を調節するためにテミスと試案を重ね、大戦を起こして人類の大半を死に至らしめる決意をした。
https://bit.ly/2XoaNcd
感染爆発、帝国と都市国家の戦い。この世の果てを超えて、旅する詩人・・・「時の関節が外れた」シェイクスピア
https://bit.ly/2XoaNcd
世界の果てへの旅:The World's End ・・・理念を探求する旅人
https://bit.ly/2WylxmE
ウィルスと人類の戦い・・・感染爆発の歴史、アテネのペリクレス、ルネサンス、厩戸皇子 、盧舎那仏
https://bit.ly/2z32Orl
「愛染明王像」康円作、鎌倉時代13世紀。京都神護寺から東京国立博物館に寄託。
「大日如来坐像」運慶作、鎌倉時代12世紀、栃木、光得寺
「密教彫刻の世界」東京国立博物館・・・愛染明王、金剛薩埵の化身
https://bit.ly/2WNIoNt

| | コメント (0)

2020年12月21日 (月)

石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか・・・果てしなき創造の旅

Tarsem-singhthefall_2006-4  
Eiko-ishioka-1983-robert-mapplethorpe
Tarsem-singhthefall_2006-1
Tarsem-singh-the-fall
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』231回

藝術家は、果てしない創造の旅に出る。藝術家は創造力を磨き、新世界を創る。創造の秘密は何か。理念を失った世界で判断基準は何か。美の基準は何か。哲学者は、知恵と愛と美を探求して、魂を磨き、魂の美を探求する。
石岡瑛子は「時のない、独創性、革命的、神秘、出会い」。Tameless,Originality,Revolutinally、この言葉をマントラのごとく唱える。Mystery。Collaboration、石岡瑛子の創造と行動の指針である。ターセム・シン監督『落下の王国』は、壮大な愛と復讐の叙事詩が華麗に展開する。石岡瑛子が到達した最高の作品である。フェデリコ・フェリーニFederico Fellini:Satylicon,Amarcorcoが到達した至高の境地である。
藝術家は、創造力を磨き、世界を創る。哲学者は、知恵と愛と美を探求して魂を磨き、魂の美を探求する。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
石岡瑛子 代表作、デザイン、衣装デザイン
石岡瑛子(1938-2012)。東京藝術大学卒業後、資生堂に入社。1966年に前田美波里を起用した「BEAUTY CAKE」のポスターで一躍注目を集め活躍を始める。
ポスター『西洋は東洋を着こなせるか』(パルコ、1979年)アートディレクション
映画『ミシマ―ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ』(ポール・シュレイダー監督、1985年)プロダクションデザイン Mishima コピーライトZoetrope Corp. 2000. All Rights Reserved. / コピーライトSukita
フランシス・フォード・コッポラとジョージ・ルーカスが総指揮を執った三島由紀夫をモチーフにした作品『ミシマ─ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ』(コッポラ作品は「地獄の黙示録」の日本版ポスター)でカンヌ国際映画祭芸術貢献賞を受賞する。
映画『ドラキュラ』(フランシス・F・コッポラ監督、1992年)衣装デザイン。コピーライトDavid Seidner / International Center of Photography
フランシス・F・コッポラ監督『ドラキュラ』1992の衣装デザインで、石岡はアカデミー賞に輝く。
『石岡瑛子 風姿花伝 EIKO by EIKO』初版1983年。この本を愛読するターセム・シン監督が、石岡瑛子に衣装デザインを依頼する。『ザ・セル』The Cell (2000)
――
愛と復讐の叙事詩
映画『落下の王国』(ターセム・シン監督、2006年)衣装デザイン。コピーライト2006 Googly Films, LLC. All Rights Reserved.
Tarsem Singh,The fall.2006
左腕を骨折して入院中の5歳の少女アレクサンドリアは、脚を骨折してベッドに横たわる青年ロイと出会う。彼は彼女にアレキサンダー大王の物語を聞かせ、翌日も病室に来るようささやく。再びアレクサンドリアがロイのもとを訪れると、彼は総督と6人の男たちが織り成す壮大な叙事詩を語り始める。世界各地の世界遺産で撮影、構想24年撮影4年、CGを一切使わない映像美を追求、世界的CMディレクター、ターセム・シン監督、映画『落下の王国』に遺憾なく表現されている。
『落下の王国』は、オレンジの木から落下した少女と自殺志願のスタントマンが病院で出会い語る、アレクサンドロス大王の冒険と総督と戦う6人の勇者の物語。壮大な愛と復讐の叙事詩が、美しく華麗な世界で、華やかに展開する。
映画『白雪姫と鏡の女王』(ターセム・シン監督、2012年)衣装デザイン、コピーライト2012-2020 UV RML NL Assets LLC. All Rights Reserved.
――
私の夢が叶いますように 長い創造の旅を続けている感覚
高校生の頃に制作された絵本には、「えこ」という女の子が世界に羽ばたいていく物語が描かれている。──世界中を旅して、美味しいものを食べて。私の夢が叶いますように!」
石岡瑛子は亡くなる前年のインタビューにて「仕事をしているというよりは、ずっと長い創造の旅を続けている感覚」と答えている。
【石岡瑛子】Tameless,Originality,Revolutinally。マントラのごとく唱える。Mystery。Collaborationもキーワード。石岡瑛子は、鏡であり、Mystery。自己と他が一体化する傾向がある。河尻亨一。
――
参考文献
河尻亨一×藪前知子、対談、東京都現代美術館
河尻亨一『TIMELESS 石岡瑛子とその時代』(朝日新聞出版)2020
ターセム・シン監督『落下の王国』2006 THE FALL


石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか・・・果てしなき創造の旅

――
石岡瑛子 1983年/ポートレート 撮影:ロバート・メイプルソープ
Eiko Ishioka Photo by Robert Mapplethorpe, 1983 コピーライトRobert Mapplethorpe Foundation
Tarsem Singh,The fall.2006 コピーライト2006 Googly Films, LLC. All Rights Reserved.
――
★石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか、東京都現代美術館(企画展示室1F、B1F)
2020年11月14日(土)~2021年2月14日(日)
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/eiko-ishioka/

| | コメント (0)

«ベルリン・エジプト博物館所蔵「古代エジプト展 天地創造の神話」・・・絶世の美女ネフェルティティ王妃とアマルナ美術の謎