『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』・・・炸裂する復讐「胸には復讐、目には狂気、そして手にはカミソリ」
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
新宿ミラノ座にてみる。19世紀の暗澹たるロンドン。無実の罪で投獄され、その悪徳判事に妻も娘も奪われた男が、名前も姿も変え、ロンドンのフリート街へ戻ってくる。15年ぶりに再開した理髪店、そこで腕を振るうのは、殺人理髪師スウィーニー・トッド。「胸には復讐、目には狂気、そして手にはカミソリを」ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演。
■復讐の美学―鮮烈な映像美、秀抜な色彩設計、卓越した演出。
ジョニー・デップの変幻自在の演技。ティム・バートンのやりたい放題の演出と映像藝術。
偉大な人生は、復讐から動き出す。悪を滅ぼすことが正義である。織田信長は、弟信行に逆襲して復讐を果たす。血が流れる復讐劇は、世界文学の源泉である。シェイクスピア『タイタス・アンドロニカス』『ハムレット』。悲劇詩人アイスキュロス「オレステイア3部作」『アガメムノン』『供養する女たち』『慈しみの女神たち』。エウリピデス『王女メディア』『オレステス』。
カラーフィルムを脱色した映像に血が炸裂する。夥しい血が流れる復讐劇。映像藝術ファン必見!
女子高生たちも沢山、劇場に見にきている。彼女たちはジョニー・デップのファン。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』2003、2006、2007のような大衆娯楽映画とは異なり、映像表現を追求しているので、大衆ウケはしないだろう。
■物語
舞台は19世紀のロンドン。ベンジャミン・バーカーは理髪店を営み、美しい妻、可憐な娘と幸福な生活を送っていた。ある日、彼の幸せを妬む好色な悪徳判事によって無実の罪を着せられ、監獄に投獄される。妻も娘も奪われた彼は15年後、若い船乗りアンソニーに命を救われ脱獄を果たし「スウィーニー・トッド」と名前を変えて街に帰ってくる。
脱獄に成功した彼は判事によって、妻は自殺、娘は幽閉、悲惨な運命に遭っていると知り、貧乏なパイ屋の主人ラベットと共に復讐を開始する。再び開いた理髪店で、商売道具のカミソリを手に、スウィーニー・トッドの復讐計画が始まる。
原題“SWEENEY TODD:THE DEMON BARBER OF FLEET STREET”
*第65回ゴールデングローブ賞、作品賞(ミュージカル・コメディ部門)、主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞。
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[監督]ティム・バートン
[脚本]ジョン・ローガン
[原作](オリジナル版ミュージカル)スティーヴン・ソンドハイム/ヒュー・ホィラー
[出演]ジョニー・デップ/ヘレナ・ボナム=カーター/アラン・リックマン/ティモシー・スポール
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『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』・・・胸には復讐、目には狂気、そして手には剃刀を
https://bit.ly/2NaDHrS
★あなたは、だれに復讐したいですか?
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