北斎『冨嶽三十六景』神奈川沖浪裏 偉大なる波、不朽の美しさ
印象派の絵を圧倒的に超える北斎の美しさ。大胆不敵な構図、美化された世界。計算しつくされたデザイン。不朽の美しさが、心を魅了します。十八歳で絵を学び始め、七十五歳を過ぎて、「画狂老人卍」と自ら呼び九十歳で死ぬまで、七〇年間、不屈の執念の炎を燃やし続けた北斎。日本が世界に誇る数少ない藝術家です。
『冨嶽三十六景』を画いたのは、七十二歳。
改名すること三十一回、転居すること九十二回。
九十歳にして「天、我をして五年の命を保たしめば 真正の画工となるを得べし」これが北斎最後の言葉である。
『神奈川沖浪裏』(Great Wave)。―――怒濤さかまく浪の間に、人間の乗る舟のいかに小さく、危なげであるか。大胆不敵な構図であるが、北斎は逆巻く大浪に対して、人間の力を強く打ち出している。*1
パスカルは「人間は宇宙の中で震える一本の葦にすぎない。しかしそれは考える葦である」といった。人は考えること、言論を武器として、不正と戦わなくてはならない、と私は思う。たとえ、宇宙の中で震える、一本の草にすぎなくとも。
北斎の人生を考えると、「過酷な現実があっても、生きていれば夢が実現する」という思いに打たれます。
生きているかぎり没頭することがある人生、生きてある楽しみを探求する人生を!
*1北斎『神奈川沖浪裏』、横浜本牧の海です。
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