
風薫る五月晴れの日。私が代表をしている美術倶楽部で、パエリア・パーティーをひらいた。5月4日、神奈川県K氏邸にて。
■サフランの香り
K氏はスペイン留学中にバレンシア・パエリアの料理法を身につけ、ときどき披露する。食材に凝りまくる男の料理である。
今回は、ブルゴーニュ・ワインを飲みながら、バレンシアのパエリアを食す宴である。
ヘンデル「ハープ協奏曲」、サラ・ブライトマンなどを聞き、
スペアリブの前菜を食し、サングリアとブルゴーニュ・ワインを飲みながら、パエリアの完成を待つ。サングリアには苺、オレンジなど豊富な果実が使われていて、スペインのコルドバで飲んだサングリアより甘美である。
パエリアを皿に盛ると、サフランと海老の香りが立ち昇る。
■アルハンブラの思い出
私の指導教授の一人は、グラナダ生まれのアンダルシア人である。グラナダ生まれの先生から、プラトン哲学を学んだ。
ポルトガル、スペインを旅したのは1999年である。
この時、「エル・グレコ展」をマドリッドでみたのを思い出す。
■ル・ブーランジェ・ドミニク・サブロン
わん太夫さんは、マキシム・ド・パリのパン「ル・ブーランジェ・ドミニク・サブロン(Le Boulanger Dominique SAIBRON)」のパンを多量に購入して参集。
これまで食した最高のパンである。
デザート
わん太夫さんElliさんが、デザートを用意。
洋菓子20個、「ニコラス」、「ダリオルール」。和菓子柏餅。
■最高級のダージリン紅茶
紅茶は、私が持参して入れた。
ダージリンFTGFOP1、1stフラッシュ、2ndフラッシュ、セイロン・ヌワラエリアNuwala Eliya、3種を用意して、皆さまにお飲み頂いた。庭園の名はここには書かない。
その後、奥様が用意したルピシアのフレーバーティーを入れる。
「香り、味、色ともに最高に美味であるのはダージリン、セカンド・フラッシュである」と意見が一致する。
私の筋書通りである。
最もまずいのは、ルピシアのフレーバーティーである。
「とって付けたような匂いがするが、味がない」
「まずい」
「ブタがくさい香水を付けて、厚化粧した様な紅茶だ」という意見に一致した。私の筋書通りの展開である。
フォション、マリアージュ・フレール、フォートナム・メイソン、トワイニング、フレーバーティなどは、品質が低い。
ダージリン紅茶の歴史、庭園、グレード、について、私がミニ講義した。
■プラトニック・ラブの意味
たとえば、「無原罪の御宿り」の意味について、美術史家の解釈とキリスト教教義との間に齟齬があることについて、語り合う。
「プラトニック・ラブ」の意味について、プラトン哲学には精神的愛の追求のみを教える思想はない。フィチーノ『饗宴注解』が始まりだが、プラトニック・ラブという思想の起源はルネサンスのどこにあるのか。この語はどこから始まり、ケンブリッジ・プラトン学派に影響を与えたのか。など考える。フィチーノは『愛について』De Amore(『饗宴』注釈)の中で、アモール・プラトニクス (amor platonicus) という言葉を使ったようである。
斉藤由香『いつも会社はてんやわんや』、『トホホな朝ウフフな夜』(週刊新潮連載)のシリーズ「オヤジ被害」、「女の敵は女」について、
「マダムの館」の事、わん太夫さんの「マダム対策法」、などについて、とめどなく、語り合う。
その他、ここには書けない、あんな事、こんな事、むふふな事、うふふな事について、話題が盛り上がった。だが、各方面に差し障りがあるので、ここには書かない。
6時間に亘ってくり広げた饗宴は、心を自由に飛翔させて、五月の微風のように爽やかである。
★あなたが開きたいパーティは何ですか?
(写真提供:わん太夫さん)
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