『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』、『クリスタル・スカルの王国』・・・果てしなき探求
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
『インディ・ジョーンズ』シリーズで、最も好きなのは、『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』1989である。ヨルダン、ペトラ遺跡、エル・カズネの神殿に行くことが私の夢である。
第4作は、「クリスタル・スカル」(水晶髑髏)をめぐって考古学者のインディらとソ連軍が争奪戦を繰り広げる。秘宝と謎をめぐる冒険である。クリスタル・スカルを13個集めると、力を掌握できるという伝説がある。
■冒険物語に不可欠な要素
冒険物語に欠くことができない要素は、謎解きと秘宝探しと美女である。魅力的な主人公、探検家が不可欠であることはいうまでもない。そして、強敵と底なし沼の危険である。
インディ・ジョーンズは、不幸な出来事に次々と襲われる。レモニー・スニケットの『世にも不幸せな物語(Lemony Snicket's A Series of Unfortunate Events)』のようである。一難去って、また一難。
苦労して探し出した秘宝は、敵に横取りされる。まるで業績を、悪質な上司に横取りされるサラリーマンのようである。
謎の背後には、謎が現れる。謎は、より深い謎に飲み込まれなければならない。永遠に解けない謎が、物語の根底にある。
■1950年代の大学の講義風景
1950年代のアメリカの大学の講義風景がでてくる。インディ・ジョーンズが考古学の講義をする場面である。雰囲気あるアカデミックな大学の場面である。イェール大学(Yale University)で撮影されたが、この上なく美しい風景である。
■果てしなき探求
探検家は、探求に意味がある。秘宝の存在は前提条件だが、それ以上に探求が重要である。老人のインディ・ジョーンズは、結婚式を挙げる。これは『インディ・ジョーンズ』シリーズの終わりを意味するのだろうか。ルーカスフィルムとパラマウントはシリーズ開始時に全5作の映画化契約を交わしていると言われるが、第5作は製作されるのだろうか。
砂漠の倉庫の中に、失われた『聖櫃』が垣間見えた。
★『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』1989
★「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」2008年。
米ソ冷戦下の1957年。南米アマゾンの山奥に眠る秘宝クリスタル・スカルを巡って、考古学者インディ(ハリソン・フォード)とソ連の精鋭部隊が争奪戦を繰り広げる。製作総指揮ジョージ・ルーカス、製作フランク・マーシャル、監督スピルバーグ、音楽ジョン・ウィリアムズ。脚本「宇宙戦争」のデビッド・コープ。
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