川口聖加ソプラノ・コンサート、バロックの響き・・・優しく愛しい緑の木陰が、こんなにも甘美で


川口聖加さんは、エリー・アメリングの弟子。作中人物が乗り移るように感情移入(Einfuhrung)が激しく集中していて、迫真の熱唱である。最前列で歌手の至近距離で聴く。演じる人物の苦悩と喜びが痛いように感じられる。
今日のチェンバロは、イタリア様式で、糸杉でできている。糸杉は材質が硬質であるという。他に、フランス様式、イングリッシュ様式等がある。フェルメール『ヴァージナルの前に立つ女』のvirginalは、チェンバロの同類である。
今日の曲は16世紀の曲で、のどかで典雅な時間が蘇ってくる。
典雅なバロックの響きに、心が和む初秋の午後である。
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出演:川口聖加=ソプラノ 福間彩=チェンバロ
内容:コンサートと同時にその様子を生録音し、ライブと再生音の違いや共通点を味わう。
1部: 川口聖加ソプラノ・コンサート。
演奏曲目
1.パーセル作曲 「しばし楽の音に」『オイディプス王』より
2.ヘンデル作曲 「なつかしい木陰よ(ラルゴ)」オペラ『セルセ』より
3.ラモー作曲 「恋の夜うぐいす」オペラ『イポリトとアリシ』より
4.パーセル作曲 「こよなく美しい島」オペラ『アーサー王』より
2部:ソプラノ歌手川口聖加さんの解説による「声楽の楽しみⅡ」バロック音楽
チェチリア・バルトリ:モーツアルト「アレルヤ」Exsulate、
エリー・アメリング:バッハ「御身のそばにあるならば」
3部: 生録音による再生音を楽しむ。
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■「オンブラ・マイ・フ(なつかしい木陰よ)」 歌劇『クセルクセス』より
Ombra mai fu
di vegetabile,
cara ed amabile,
soave più
このような木陰は 今まで決してなかった
緑の木陰
いとしく、そして愛らしい、
よりやさしい木陰は
歌劇「クセルクセス」の第一幕開幕時に、プラタナスの木陰に憩うペルシャのクセルクス大王が歌うアリアである。「やさしく愛しい緑の木陰が、こんなにも甘美であったことはあるだろうか」男性が樹を愛でる曲である。(セルセは、クセルクセス王である。)
コンサートの後、川口聖加さん、ピアニストの古屋かおりさんと再会、記念撮影、歓談した。聖加さんは、カラヴァッジオの絵が好きで、イタリアの美術館をめぐったという。今度会うときは、美術の話しをしましょう。
★あなたの好きなバロック音楽は何ですか?
バッハ『無伴奏チェロ組曲』、ヴィヴァルディ『調和の霊感』、ヘンデル『ハープ協奏曲』
川口聖加HP http://www.seikakawaguchi.com/index
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