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2008年11月26日 (水)

「フェルメール展-光の天才画家とデルフトの巨匠たち-」東京都美術館(1)・・・絵画の意味

Vermeer_07stree 夏の夕暮れ、せみ時雨の森を歩いて、美術館に行った。フェルメール「小路」の空の色を見た。「小路」の空は、曇りである。この時、西洋美術館ではコロー展が開かれていた。今、枯葉が舞い、ハンマースホイ展が開かれている。フェルメールの絵画は光の絵画といわれるが、その意味は何か。移ろう季節の中で、考え続けている。
■フェルメール、謎の生涯と絵画
ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer, 1632-1675)は工房を構えず、自宅のアトリエで、1人で制作していた。家族は、妻との間に子供が10人(14人の子供が生まれたが、そのうちの4人が死亡)。貧困のうちに43才で没した。その翌年、妻は、破産宣告する。
フェルメールの画家としての師については、デルフトで活躍していた画家、カレル・ファブリティウス(Carel Fabritius、1622-1654)に師事していたという説がある。フェルメールの作品は、宗教画が多い初期の作品においては、ユトレヒトのカラヴァッジョ派の影響があるといわれる。
宗教画、神話画の人物を描いていたフェルメールは、『取り持ち女』(遣り手婆The Procuress1656年)以降、風俗画に転じる。風俗画は、教訓的意味が込められており、寓意画である。風俗画(寓意画)からさらに転じて、寓意的な意味を失って、室内画・都市景観画に到達する。「小路」「デルフトの眺望」以外は、室内の画である。
フェルメールの絵は「静謐な空間」といわれ、絵の中に別もう一つの時間が流れているような永遠性がある、ラピスラズリの青が美しい、と言われる。光と物質の質感を表わす技術は最高の技術であることはいうまでもない。だが、「空間に射す光」が意味するものは何か。

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ヨハネス・フェルメール(1632-1675)は、オランダのハーグ近くのデルフトという小都市に生まれました。彼がその生涯で残した作品は、三十数点。この作品の少なさと、光を紡ぐ独特の技法の美しさから、彼は光の天才画家といえるでしょう。
フェルメールの作品が展覧会へ出品されることは、ほとんどありません。しかし 2008年、日本との修好150周年を記念する欧米各国の多大なるご尽力により、フェルメールの作品を中心に、オランダ絵画の黄金期を代表するデルフトの巨匠たちの絵画を一堂に集めた奇跡の展覧会が実現することになりました。
出品されるフェルメールの作品は、光に満ちた美しい空間を描いた風俗画の傑作《ワイングラスを持つ娘》、現存する 2 点の風景画のうちの 1 点《小路》、近年フェルメール作と認定され大きな話題となった《ヴァージナルの前に座る若い女》、晩年の優品《手紙を書く婦人と召使い》、《マルタとマリアの家のキリスト》、《ディアナとニンフたち》、《リュートを調弦する女》の一挙 7 点です。
このほかレンブラントに天才と称され、フェルメールの師であるとの説もあるカレル・ファブリティウス (1622-1654) や、デルフトに特有の技法を確立させたピーテル・デ・ホーホ (1617-1683) など、世界的にもごく稀少で非常に評価の高いデルフトの巨匠の作品も合わせて、38点が展示されます。
デルフトの芸術家による名作がこれほど一堂に集うことは、本国オランダでも希有であり、この奇跡の展覧会は、私たちにとってまさに一生に一度しかめぐり合えることのない機会といえるでしょう。
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■「フェルメール展~光の天才画家とデルフトの巨匠たち~」東京都美術館、8月2日-12月14日、Vermeer and the Delft Style
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