村上華岳「裸婦図」・・・崇高なヌード
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
51才で亡くなった画家、村上華岳、32才の作品。
霊と肉の調和。「肉であると同時に霊でもあるものの美しさ」である。肉体と精神性、妖艶と聖性、官能美と知性の覚醒の境地という相反する要素、対立する要素の不思議な調和がある。
幽玄な森を背景に、一人の薄絹をまとった女。女性は耳飾、胸飾、首飾、臂釧、腕釧などの装身具を身につけていて、印度の仏像彫刻のようである。豊麗な体は、透明な衣の繊細にして強い描線で縁取られている。
――
■美の根源のエロス
女は艶麗でありかつ、清純な姿である。たたたずまいに立ち上る仄かな色香。肌理細やかな肌に、幽かな朱色。艶然として仏像のようなまなざし。美の根源にはエロスがある。
縦163 cm、横109 cm、現身の等身大の作品である。
近代日本画を作り上げた画家、村上華岳1888-1939(明治21-昭和14)。51才で亡くなった画家、32才の作品。
村上華岳「裸婦図」1920(大正9)第3回国画創作協会展、絹本・彩色・額(1面)163.6×109.1cm
山種美術館所蔵、「上村松園、美人画の粋」山種美術館にて、7月26日。
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