皇室の名宝‐日本美の華、伊藤若冲『動植綵絵』・・・嵐のまえの博物館
10月6日夕方、嵐のまえの森を歩いて、東京国立博物館に行く。夕方、人影がない空間で、永徳『唐獅子図屏風』、若冲室に見入る。若冲は圧巻。「1期1章近世絵画の名品」第2室、若冲の絵は、31点展示されている。
『旭日鳳凰図』伊藤若冲筆 1幅 江戸時代・宝暦5年(1755) 三の丸尚蔵館
伊藤若冲『動植綵絵』三十幅一挙展示は、圧巻である。
伊藤若冲は大典禅師の人格、学識に傾倒して禅の修行に励み、修行僧のごとく絵画三昧に没頭、相国寺に「釈迦如来像」「文殊菩薩像」「普賢菩薩像」の仏画三幅対と三十幅の動植綵絵を描き、明和七年(1770)十月、寄進した。
1:芍薬群蝶図(しゃくやくぐんちょうず)宝歴8年(1758)
2:梅花小禽図(ばいかしょうきんず)
3:雪中鴛鴦図(せっちゅうえんおうず)
4:秋塘群雀図(しゅうとうぐんじゃくず)
5:向日葵雄鶏図(ひまわりゆうけいず)
6:大鶏雌雄図(たいけいしゆうず)
7:梅花皓月図(ばいかこうげつず)
8:芙蓉双鶏図(ふようそうけいず)
9:老松白鶏図(ろうしょうはっけいず)
10:老松鸚鵡図(ろうしょうおうむず)
11:芦鵞図(ろがず)
12:南天雄鶏図(なんてんゆうけいず)
13:梅花群鶴図(ばいかぐんかくず)
14:棕櫚雄鶏図(しゅろゆうけいず)
15:蓮池遊魚図(れんちゆうぎょず)
16:桃花小禽図(ばいかしょうきんず)
17:群鶏図(ぐんけいず)
18:老松孔雀図(ろうしょうくじゃくず)
19:老松白鳳図(ろうしょうはくほうず)
20:紫陽花双鶏図(あじさいそうけいず)
21:雪中錦鶏図(せっちゅうきんけいず)
22:薔薇小禽図(ばらしょうきんず)
23:牡丹小禽図(ぼたんしょうきんず)
24:池辺群虫図(ちへんぐんちゅうず)
25:貝甲図(ばいこうず)
26:芦雁図(ろがんず)
27:諸魚図(しょぎょず)
28:群魚図(ぐんぎょず)
29:菊花流水図(きっかりゅうすいず)
30:紅葉小禽図(こうようしょうきんず)
『動植綵絵』伊藤若冲筆 30幅 江戸時代・宝暦7年頃~明和3年頃(1757-66) 三の丸尚蔵館所蔵
■伊藤若冲『老松孔雀図』・・・濃密な空間と生きものの輝き
老いた緑の松と白い孔雀が不思議な対比を生みだす。孔雀は毒蛇をも食する悪食、災いを退ける霊鳥として仏教で尊重される。牡丹は百花の王として富貴の象徴、不老の象徴である松を加え、不老長寿の画面構成。暗い背景から浮き出る孔雀の白い羽は輝き、異様に美しい。富裕な画家、若冲は四十二才、画業三昧に耽り、あり余る財力と時間を使い、絹本に裏彩色、極めて高価な顔料と墨を使って制作した。濃密な写実は、狂気を感じさせる。老松と白い鳥の構図は、老人と美女の構図のようである。
■老いた松と白い鳥
老いた緑の松と白い鳥の構図は、『動植綵絵』に4枚ある。これはみな傑作である。『老松孔雀図』『老松白鳳図』『老松白鶏図』『老松鸚鵡図』。
『老松白鳳図』鳥の目は女の目であり、『動植綵絵』は生きもののエロスを描いている。
写実と幻想の「奇想の画家」伊藤若冲 (一七一六—一八〇〇年)、若冲42才から51才の作。
★「皇室の名宝-日本美の華」1期:永徳、若冲から大観、松園まで。東京国立博物館
1期:2009年10月6日(火)~11月3日(火・祝)
2期:2009年11月12日(木)~11月29日(日)
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