「皇室の名宝 日本美の華」2期・・・螺鈿紫檀阮咸、漆胡瓶、正倉院宝物と書・絵巻の名品
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
木枯らし吹く夕暮れ、「皇室の名宝2期」を観に行く。初日である。正倉院は、聖武天皇の遺愛の品を納め、聖武天皇と光明皇后の天平時代の文化が封じ込められている。
「螺鈿紫檀阮咸」「平螺鈿背円鏡」「銀薫炉」「漆胡瓶」、奈良時代・8世紀 正倉院宝物、が美しい。「扇面散屏風」俵屋宗達筆(8曲1双 江戸時代)は、平治物語の合戦場面の扇を48面散らした屏風、秀麗である。琳派の傑作の一つ。
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展示作品の一部
「聖徳太子像」(法隆寺献納宝物)奈良時代・8世紀、正倉院御物、
「蒙古襲来絵詞」鎌倉時代・13世紀、
「春日権現験記絵」高階隆兼筆、鎌倉時代・延慶2(1309)年頃、三の丸尚蔵館蔵、「扇面散屏風」俵屋宗達筆 8曲1双 江戸時代、が必見。
王羲之筆「喪乱帖」、
「孫過庭書譜断簡」
伝空海筆、「伊都内親王願文」
伝橘逸勢筆(正倉院)、「恩命帖」藤原佐理筆、「更科日記」藤原定家筆、三筆の書、流麗な名作がある。
★螺鈿紫檀阮咸」らでんしたんのげんかん:北倉30奈良時代・8世紀、正倉院宝物。
円形の胴に長いまっすぐな頸をつけた、4絃楽器。阮咸の名称は、中国・西晋の時代に俗塵を離れて竹林に隠遁生活を送ったという竹林の七賢の一人、阮咸がこの楽器を愛用していたところからこの名がある。一面に精巧な螺鈿細工が施され、胴部の背面には長い瓔珞をくわえた一対の鸚鵡が表されている。貝の白と、琥珀の下に透けてみえる赤い彩色の対比が華麗。『国家珍宝帳』に記載があり聖武天皇愛用の楽器であったと考えられる。
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東京国立博物館特別展御即位20年記念特別展
「皇室の名宝-日本美の華」2期 正倉院宝物と書・絵巻の名品
2009年11月12日(木)~11月29日(日)
1章 古の美 考古遺物・法隆寺献納宝物・正倉院宝物
2章 古筆と絵巻の競演
3章 中世から近世の宮廷美 宸翰と京都御所のしつらえ
4章 皇室に伝わる名刀
http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=6890
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