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2009年11月21日 (土)

THEハプスブルク 華麗なる王家と美の巨匠たち・・・黄昏のウィーン

37951504_789915302 秋の夕暮れ、金曜日の夜は、ナイトミュージアム。陰鬱なドイツ皇帝たちの容貌が蘇る。神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世(1459-1519)の言葉「戦争は他家に任せておけ。幸いなオーストリアよ、汝は結婚せよ」が示す通り、645年間、ハプスブルク家は結婚政策により領土を拡大した。官僚的な権力者、陰鬱な王たちの狭間で、マリア・テレジア、マリー・アントワネット、エリーザベト、ハプスブルク家の三人の美女たちが、華麗なシェーンブルン宮殿と藝術を生み出した。
ルーカス・クラナッハ(父)「洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ」は、秀逸。美女と血の滴る聖者の首、血とエロス、死と生の対比が強烈な美を生む。洗礼者聖ヨハネと権力者と傲慢な女とその娘が生みだす悲劇が美しい。「洗礼者ヨハネとサロメ」は、魅力的な絵画のテーマである。古代から藝術家の心を惹きつけてやまない主題である。
10月16日「夜のきらめき」フジフイルム・スクエア、二紀展、を観た後、「THE ハプスブルグ」を見る。
■展示作品
アンドレアス・メラー「11歳の女帝マリア・テレジア」1727年 油彩、カンヴァス ウィーン美術史美術館蔵
フランツ・クサファー・ヴィンターハルター「オーストリア皇妃エリザベート」1865年 油彩、カンヴァス 国家家財管理局 宮廷家財庫 ウィーン家具博物館蔵
フランツ・シュロッツベルク「オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世」1865-1870年頃 油彩、カンヴァス ウィーン美術史美術館蔵
ジョルジョーネ「矢を持った少年」1505年頃 油彩、板 ウィーン美術史美術館蔵
ティツィアーノ「聖母子と聖パウロ」1540年代初期 油彩、カンヴァス ブダペスト国立西洋美術館蔵
アルブレヒト・デューラー「若いヴェネツィア女性の肖像」1505年 油彩、板 ウィーン美術史美術館蔵
ルーカス・クラナッハ(父)「洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ」1530年代 油彩、板 ブダペスト国立西洋美術館蔵
ディエゴ・ベラスケス「白衣の王女マルガリータ・テレサ」1656年頃 油彩、カンヴァス ウィーン美術史美術館蔵
ディエゴ・ベラスケス「皇太子フェリペ・プロスペロ」1659年 油彩、カンヴァス ウィーン美術史美術館蔵
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ「悪魔を奈落に突き落とす大天使ミカエル」1666年頃 油彩、カンヴァス ウィーン美術史美術館蔵
ヤン・ブリューゲル(父)「森の風景」1605-1610年頃 油彩、板 ウィーン美術史美術館蔵
ペーテル・パウル・ルーベンス「悔悛するマグダラのマリアと姉マルタ」1620年頃 油彩、カンヴァス ウィーン美術史美術館蔵
―――――――
■13世紀に勃興して20世紀初頭までヨーロッパに君臨したハプスブルク家は、巧みな結婚政策によって勢力を拡大し、神聖ローマ皇帝も数多く輩出した名門王家です。歴代の王たちは、優れた審美眼と熱意をもって芸術保護に乗り出し、ヨーロッパ美術の真髄を伝える質の高いコレクションを形成しました。デューラーを庇護したマクシミリアン1世、ティツィアーノを召し抱えたカール5世、多数の宮廷画家を擁したルドルフ2世、ベラスケスを側近としても重用したフェリペ4世、1400点にものぼる絵画を集めたネーデルラント総督レオポルト・ヴィルヘルム大公等々、名だたる巨匠と名画の数々に魅了された王たちの成果は枚挙にいとまがありません。その膨大なコレクションは、ハプスブルク家の威光を示す豪華絢爛さだけでなく、歴史的意義や学術的な質の高さという点でも、特筆に値するものです。
 本展には、ハプスブルク家ゆかりの画家たちのみならず、クラナッハ、ラファエッロ、エル・グレコ、ゴヤなども含む総勢52人の巨匠たちによる逸品が集結します。イタリア絵画、オランダ・フランドル絵画、ドイツ絵画、スペイン絵画の傑作を紹介する本展は、16世紀から18世紀にかけての西洋美術の系譜と真髄をたどる絶好の機会となるでしょう。また、本展ではさらに、こうした絵画作品に加え、工芸品や彫刻、武具などを展示します。
ルドルフ2世の宮廷芸術家だったミゼローニの工芸品や、皇帝が実際に装着した甲冑や盾などは、ヨーロッパ貴族の華麗さと剛健さを伝え、展覧会に彩りを添えています。
■日本とオーストリア・ハンガリー二重帝国(当時)とが国交を結んで140年の節目にあたる今年、ウィーン美術史美術館(オーストリア)とブダペスト国立西洋美術館(ハンガリー)の所蔵品からハプスブルク家ゆかりの名品を核に選りすぐり、絵画の至宝75点に華麗な工芸品を加えた計約120点を展覧する大規模な美術展を開催いたします。
ヨーロッパに600年以上君臨したハプスブルク家の歴代の王たちは、芸術を庇護し、愛し続けました。本展では、宮廷画家として活躍したデューラーやティツィアーノ、ベラスケス、ルーベンスらハプスブルク家ゆかりの巨匠たちに、クラナッハ、ラファエッロ、エル・グレコ、ゴヤらを加えた、総勢約50人もの大家たちによる逸品が集結します。イタリア絵画、ドイツ絵画、オランダ・フランドル絵画、スペイン絵画の代表作を紹介する本展は、16世紀から18世紀にかけての西洋美術の系譜と真髄をたどる絶好の機会となるでしょう。また、ルドルフ2世の宮廷芸術家だったミゼローニの工芸品や、皇帝が実際に装着した甲冑や盾などは、ヨーロッパ貴族の華麗さと剛健さを伝え、展覧会に彩を添えます。(展覧会資料より)
■THE ハプスブルク華麗なる王家と美の巨匠たち、国立新美術館
2009年9月25日(金)~12月14日(月)
http://www.habsburgs.jp/

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» THE ハプスブルク [l'esquisse]
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» 美術館:THEハプスブルク @ 国立新美術館 [よしなしごと]
 先週久しぶりに仕事で外出の用事があり、そのまま不帰社にして国立新美術館で行われているTHEハプスブルク展を見に行ってきました。  無知な私は“ハプスブルク”がなんなのかも知りません。美術館の名前なのか、画家の名前なのか。そんなことも知らずに大雨の中(しかももちろんスーツ)、国立新美術館に向かいます。(金曜日は20時までなので、仕事帰りでも大丈夫なんです。)  結論から言えばヨーロッパ随一の名門王家と言われている貴族の家系なんですって。... [続きを読む]

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» 「THEハプスブルク」を鑑賞して [KINTYRE’SDIARY]
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