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2010年1月26日 (火)

「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン」・・・人と時間と空間の出会い

20091128   12月25日夕暮れ、恵比寿ガーデンプレイスに行く。大きな樅の木とバカラのシャンデリアが煌めき、華やかなクリスマスの街が輝いている。人と時間と空間の出会いは一期一会である。
「スナップショットの名手」と呼ばれた木村と「決定的瞬間」という言葉を広めたブレッソンの展覧会である。木村伊兵衛は、1954(昭和29)年にパリを訪ねてブレッソンと会い、影響を受けた。
■演出されたような人物配置、奇跡としか言いようのないゆるぎない構図。
しかし、静止の前の動きの瞬間を切り取ったかのようである。Image à la sauvette(掠め取られた瞬間)と訳されている。
ブレッソン『決定的瞬間』(英題 The Decisive Momentフランス版原題 Image à la sauvette(逃げ去る映像)1952年出版)が展示されている。
■いにしえの巨匠たちの肖像
1950年代の藝術家たち、アンリ・マティス、谷崎潤一郎らのポートレイトは、品格があり、時代の精神が封じ込められている。これと比べると、現代の作家、藝術家は軽薄の極みである。
■アンリ・カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson, 1908- 2004)は、主にストリート写真を撮ったが、芸術家や友人たちを撮ったポートレイトもある。2004年8月3日、95歳で南フランス・プロヴァンスの別荘で死去した。
木村伊兵衛(1901-1974)は報道・宣伝写真やストリートスナップ、ポートレート、舞台写真などにおいて数多くの傑作を残している。
二人は、街角、広場、ポートレートを撮った。1950年代の時間が閉じ込められている。世界が貧しかった時代、市民の息づかいが感じられる。二人は日本とフランスの写真史の巨匠であり、同時代を生きた2人には交流があり、互いを撮った写真も残っている。
決定的瞬間とは「外界の現実と写真家の内面が出合う瞬間がある、何の変哲もないものにもそういう瞬間が見つかる。」ことである(cf.スナップショットの創始者たち、産経新聞2009.12.23記事、参照)
■主な展示作品
木村伊兵衛
「本郷森川町」「浅草」1953「ローマ」「セーヌ附近」「霧のメニール・モンタン、パリ」1954「谷崎潤一郎」1950「宇野浩二」1953「永井荷風」1954
アンリ・カルティエ=ブレッソン
「シエナ、イタリア」1933「サンラザール駅裏、パリ」1932「天使と尼僧」「アンリ・マティス」1951
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木村伊兵衛(1901~1974)とアンリ・カルティエ=ブレッソン(1908~2004)は、日本とヨーロッパと活躍した場は異なりますが、ともに近代的写真表現を切り拓いた写真家として重要な存在です。この二人は、ともに「ライカ」というカメラを人間の眼の延長としてとらえ、揺れ動く現実の諸相を切り取り、それまでになかった新しい「写真」のあり方を証明したといえるでしょう。二人の作品には普遍的ともいえる共通性を見て取れますが、その一方で、日本とヨーロッパというそれぞれが生きた現実の違いも、微妙ではありながら決定的な差異として見て取れることも重要な事実です。
本展では、木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソンという偉大な二人の写真家の個性を堪能するだけではなく、近代的写真表現が絶対的普遍的でありながら、同時にいかに個別的相対的なものであったということを見ようとするものです。木村伊兵衛作品は東京都写真美術館のコレクションを中心に、またアンリ・カルティエ=ブレッソン作品は当館のコレクションを中心に国内各美術館の所蔵作品も含め、全体で153点をご紹介いたします。
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★木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン 東洋と西洋のまなざし
東京都写真美術館11月28日(土)-2月7日(日)
http://www.syabi.com/details/kimura.html

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東京都写真美術館で「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン 東洋と西洋のまなざし」を観てきました。写真については僕はほとんど何も知らないのですが、ブレッソンについては2007年7月に東京国立近代美術館で開催された「アンリ・カルティエ=ブレッソン... [続きを読む]

受信: 2010年1月28日 (木) 08時34分

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