シャガール ロシア・アヴァンギャルドとの出会い
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
灼熱の八月の午後、蝉しぐれの森を歩いて、藝大美術館に行く。
故郷ヴィテブスクと結婚のイメージを融合した幻想的な絵画が印象的である。青春を過ごしたパリの風景が織り込まれ、モンパルナスの蜂の巣で出会った藝術家の息吹がある。初期作品はロシア・ネオ・プリミティヴィスムの画家からの影響が濃厚である。
シャガール(1887-1985)。ロシア帝国ヴィテブスクにユダヤ人として生まれ、21才で美術学校に入学。1911年、モンパルナスの集合アトリエ「ラ・リュッシュ」(蜂の巣)に住み、多くの藝術家たちと出会う。28才でベラと結婚。1917年ロシア革命、1918年ヴィテブスクに美術学校設立。1944年、愛妻ベラ急逝。
65才で二度目の結婚。南仏ヴァンスの鷲ノ巣村で晩年を暮らす。1964年パリ・オペラ座の天井画を制作。97才で死ぬまで絵を描き続ける。
■主な展示作品
Marc CHAGALL (マルク・シャガール)「赤い馬」1934-44「彼女を巡って」1945「イカルスの墜落」1974-77「日曜日」1952-54
Nathalie S. GONTCHAROVA (ナターリヤ・ゴンチャローワ)
Michel F. LARIONOV (ミハイル・ラリオーノフ)
Vassily KANDINSKY (ワシリー・カンディンスキー)
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■ポンピドー・センター所蔵作品展「シャガール ロシア・アヴァンギャルドとの出会い~交錯する夢と前衛~」
★東京藝術大学大学美術館2010年7月3日(土)―10月11日(月・祝)
★福岡市美術館2010年10月23日(土)~2011年1月10日(月・祝)
http://marc-chagall.jp/
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