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2012年5月22日 (火)

蕭白ショック!!曾我蕭白と京の画家たち・・・狂狷の画家、蕭白

Sogashouhaku_2012041001Sogashouhaku_2012041002エアポート成田に乗って千葉駅に行く。蕭白『美人図』は、女がぼろぼろになった手紙を口に銜えている。女の執念の果ての姿である。
蕭白の代表作『群仙図屏風』は日本美術史上類をみない奇想天外な絵画。右隻から、袋に薬草の枝を入れた医師董奉(扁鵲)、簫を吹く簫史、八仙の一人李鉄拐と呂洞賓。左隻に、不気味な子供を連れた林和靖、水盤から魚を取り出す左慈、美人に耳垢を取らせる蝦蟇仙人、彼らを虚ろな表情で眺めている西王母。仙人、唐子、鶴や鯉など不老長寿を願うめでたい象徴が散りばめられている。
蕭白は「狂者こそ聖人へ至る最短距離の心地であると説く芥川丹邱、服部蘇門ら京都の陽明学左派の儒教思想に影響を受けた」(狩野博幸)。
儒学は中庸を尊ぶが、それが求められなければ次善のものとして「狂」を追求する。一途に理想に走り、自分の意思を曲げないことである。「子曰く、中行を得てこれに与せずんば、必ずや狂狷か。狂者は進みて取り、狷者は為さざるところあり。」(『論語』子路篇、第十三、二十一)
曾我蕭白は、狂狷の画家である。洗練された雲谷派の山水画と狂気にみちた人物画が融合している。白井華陽『画乗要略』は雲谷派を学んだことを指摘している。蕭白の真体水墨画には流麗な描線や垂直に切り立った崖の描写など雲谷派の影響がある。蕭白自身は室町時代の画家曾我蛇足の画系に属すると自称し、落款には蛇足十世と記している。
■展示作品
「美人図」絹本着色、一幅 奈良県立美術館
「李白酔臥図屏風」六曲一双 三重県立美術館
「瀟湘八景図」八幅
「竹林七賢図」襖八面
「波濤群鶴図」襖十二面 三重県立美術館
「松鷹図」襖五面
「群仙図屏風」(文化庁)六曲一双 紙本著色 1764年(明和元年)重要文化財
「美人図」
「月夜山水図屏風」(近江神宮)六曲一双 紙本著色 重要文化財 指定名称は「楼閣山水図」
高田敬輔「山水図屏風」六曲一双、滋賀県立近代美術館「竹林七賢図屏風」「楼閣山水図」
■参考文献
狩野博幸・横尾忠則『無頼の画家 曾我蕭白』(新潮社、2009年)
辻惟雄『奇想の系譜』美術出版社1970年3月
『曾我蕭白 無頼という愉悦 円山応挙が、なんぼのもんぢゃ!』京都国立博物館2005年
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18世紀の京都を彩った個性的な画家たち 蕭白、応挙、若冲、大雅、蕪村。
江戸時代中期、西洋や中国の文化を取り入れる動きが美術にも波及し、特に京都では個性的な画家が多く活躍しました。曾我蕭白(1730~1781)もその一人です。蕭白は京都の商家に生まれ、父を早くに亡くして画業で身を立てました。室町時代の画家曾我蛇足に私淑して曾我姓を名乗ります。盛んに出版されるようになった版本の画譜を活用し、室町水墨画に学んだ復古的な作品を多く残しました。巧みな技術に裏付けられた独特の作品世界は現代人をも魅了します。
蕭白が伊勢地方(現在の三重県)で制作した作品は今も三重県内に多く伝わっています。今回の展覧会では修復を終えた、斎宮の旧家永島家伝来の障壁画(全44面、重要文化財、三重県立美術館所蔵)を中心に蕭白の画業を振り返ります。また、蕭白前史として、蕭白が師事したと思われる高田敬輔や、京都で活躍した大西酔月ら復古的な画風の画家を紹介します。円山応挙、伊藤若冲、池大雅、与謝蕪村らの作品も展示し、蕭白のいた江戸時代中期の京都画壇の豊かさを併せてご覧いただきます。首都圏では1998年以来久々の蕭白展となります。
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2012/0410/0410.html
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■蕭白ショック!! 曾我蕭白と京の画家たち 千葉市美術館
4月10日(火)~5月20日(日)
☆会期中に大幅な展示替えがあります。4/10~4/30、5/8~5/20
★蕭白『群仙図屏風』

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