生誕120年福田平八郎と日本画モダン・・・福田平八郎「牡丹」、花の命は短く、美しい
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
静寂な空間のなかに満開の牡丹が咲き乱れている。美しく、悲しく、妖艶である。花の命は短く、美しい時はつかの間である。女の美しさのように。裏彩色から浮かび上がる花の生命、花の魂を感じる。静けさのなかに気品がある。日々、殺し合いのような日常業務のなかで、命を込めた藝術をみると、心癒される。
宗画の細密な写実の技法で描かれた若き日の画家の作品。画家福田平八郎(1892-1974)、32歳の時の作品。
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
――
★展示作品
福田平八郎「牡丹」2曲1隻、大正13年(1924)
福田平八郎「漣」昭和7年(1932年)大阪市立近代美術館建設準備室蔵
俵屋宗達、本阿弥光悦 「四季草花 和歌短冊帖」紙本、金銀泥
加山又造「濤と鶴」1977、紙本、彩色。
「百花繚乱 桜・牡丹・菊・椿」展、山種美術館2011でもみた『牡丹』が美しい。
――
★生誕120年福田平八郎と日本画モダン、山種美術館
2012年5月26日(土)~7月22日(日)
| 固定リンク
「日本画」カテゴリの記事
- 犬派?猫派? 俵屋宗達、竹内栖鳳、藤田嗣治から山口晃まで・・・遣唐使船で経典を守る猫(2024.06.12)
- 「日本画聖地巡礼 ―東山魁夷の京都、奥村土牛の鳴門―」・・・速水御舟 『名樹散椿』、美の根拠はどこに(2023.10.26)
- 日本画に挑んだ精鋭たち ―菱田春草、上村松園、川端龍子から松尾敏男へ―(2023.08.20)
- 虫めづる日本の人々・・・喜多川歌麿「夏姿美人図」鳴かぬ蛍が身を焦がす(2023.07.29)
- 甲斐荘楠音の全貌・・・退廃の美薫る、謎多き画家、東映京都の時代考証家、趣味人、レオナルドの面影(2023.07.06)
コメント