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2012年9月 3日 (月)

村上華岳「裸婦図」・・・魂の見えざる美

2012大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
夏の終わり、「魂」を一時的に黄金色の透明な玉に収めておく「撥遣式」という儀式が、平等院鳳凰堂で行なわれた。魂を器に入れる儀式である。魂を入れる器はあるのか。
真の魂は美しい。美しい魂はまれである。だが、魂は見えない。
この世には、美しい魂と、醜い魂がある。美を装った、醜悪な魂もある。正義を装った偽りの正義がある。魂には器がある。肉体の器、虚偽の器。多くの人は、偽りの器にだまされる。この世は、競争社会、殺し合いの社会。真実が生き残るのは至難である。
魂は、見えない。だが、魂は、言葉のなかに、行為のなかに、思考のなかに、魂の真の姿が現れる。美しい魂が、身口意一致して、この世に現象するとき、真の哲学者が現れる。
村上華岳「裸婦図」には、魂の美が描かれている。
愛には、真実の愛、偽りの愛、肉体の愛、魂の愛がある。本当の愛は、どこにあるのか。人は、魂の果てまで、旅する。
真実を探求する者は、見える現象を超えて、見えざる本質を観なければならない。
知恵を愛する人が、本質に到達する時、真の美しい魂、真実の愛が見える。
大久保正雄
2012/09/03
■「魂」を一時的に黄金色の透明な玉に収めておく儀式「撥遣(はっけん)式」平等院鳳凰堂 @leonardo1498: 平等院鳳凰堂、本尊の魂移す 大規模修理に備え 京都: 朝日新聞2012/09/03 http://bit.ly/PT9epJ
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■平等院鳳凰堂、本尊の魂移す 大規模修理に備え 京都
修理のため本尊の撥遣式が執り行われた平等院鳳凰堂=3日午前11時14分、京都府宇治市
 世界遺産の平等院(京都府宇治市)は3日、11世紀創建の国宝・鳳凰(ほうおう)堂の大規模修理に合わせ、期間中、本尊・阿弥陀如来坐像の「魂」を一時的に黄金色の透明な玉に収めておく儀式「撥遣(はっけん)式」をした。
 鳳凰堂では、本尊を安置する中堂や、左右の翼廊の傷みが進んだため、柱などの塗り直しや瓦のふき替えをする。工期は3日から2014年3月末まで。この間、鳳凰堂には入れず、外観も見ることができない。
 この日は雅楽が奏でられる中、神居文彰住職らが鳳凰堂内へ入り、古式にのっとり儀式を厳かに行った。
朝日新聞2012/09/03
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★村上華岳「裸婦図」1920 山種美術館

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