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2012年12月

2012年12月31日 (月)

2012年 美術展ベストテン

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大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』
藝術の美は、恋の吐息のようである。「恋とはため息の雲とともに立ちのぼる煙だ、清めれば恋するものの目に燃える火となり、乱されれば恋するものの涙が降りそそぐ大海となる。」シェイクスピア『ロミオとジュリエット』
尾形光琳、快慶、曾我蕭白、日本美術の至宝を見たのが印象に残る。レオナルド『ほつれ髪の女』の輝く表情は、精神の美しさを表している。数少ないレオナルドの作品をみる僥倖であった。「ポール・デルヴォー 夢をめぐる旅」は、夢と現実からこの世界は織りなされているということ感じる絵画の旅である。「バーン・ジョーンズ展―装飾と象徴―」は、エリザベス朝の新古典主義の象徴芸術を味わい、文学と美術の融合を見る展覧会であった。
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1、ボストン美術館 日本美術の至宝 東京国立博物館
2、蕭白ショック!!曾我蕭白と京の画家たち 千葉市美術館
3、レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想『ほつれ髪の女』Bunkamuraザ・ミュージアム
4、ポール・デルヴォー 夢をめぐる旅 府中市美術館
5、「バーン・ジョーンズ展―装飾と象徴―」三菱一号館美術館
6、「ベルリン博物館展」フェルメール「真珠の首飾りの女」 国立西洋美術館
7、「マウリッツ・ハイス美術館展」フェルメール「真珠の耳飾りの少女」東京都立美術館
8、ツタンカーメン展 上野の森美術館
9、「美術にぶるっ!」東京国立近代美術館
10、ゴヤ展 国立西洋美術館
「ユベール・ロベール展」国立西洋美術館
シャルダン展 静寂の巨匠 三菱一号館美術館
トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展 Bunkamuraザ・ミュージア
白隠展 Bunkamuraザ・ミュージア
渓斎英泉展 千葉市美術館
「福田平八郎と日本画モダン」山種美術館
リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝 国立新美術館
エルミタージュ美術館展 国立新美術館
大英博物館エジプト展 死者の書 森アーツセンター
「琵琶湖をめぐる、近江路の神と仏、名宝展」三井記念美術館
「フェルメールからのラブレター展」Bunkamuraザ・ミュージアム
はじまりは国芳―江戸スピリットのゆくえ 横浜美術館
「お伽草子 -この国は物語にあふれている-」サントリー美術館
「セザンヌ-パリとプロヴァンス」国立新美術館
「北京故宮博物院200選」東京国立博物館
「メトロポリタン美術館展 大地、海、空—4000年の美への旅」東京都美術館
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フェルメール作品は、今年2012年、6点、展示された。相変わらず、印象派、フェルメールが多い、日本の美術展である。
★レオナルド『ほつれ髪の女』1508

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2012年12月 9日 (日)

メトロポリタン美術館展・・・ギリシア幾何学様式時代の馬

Greek_bc8c大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
黄葉の枯葉の絨毯を歩いて、美術館に行く。少年の時、『ギリシア美術史』で夢みた「幾何学様式時代の馬」に魅せられる。ギリシアには、純粋な精神の美がある。人類の青春時代である。
メトロポリタン美術館にある傑作は、ダヴィッド『ソクラテスの死』、エル・グレコ『トレド風景』、ラトゥール『女占い師』、フェルメール『水差しを持つ若い女』、等である。ゴッホ『星月夜』(Starry Night 1889)は、ニューヨーク近代美術館MoMAにある。
■「幾何学様式時代の馬」Geometric Art in Ancient Greece
幾何学様式時代のギリシアの馬には、ギリシア人の精神の純粋な美しさの形がある。
紀元前8世紀は、ギリシアの目覚めの時代である。暗黒時代を超えて、高貴な精神を築いた。
紀元前8世紀、ギリシア各地にポリスが成立。紀元前750年、ホメロス『イリアス』『オデュッセイア』が書かれ、紀元前725年、スパルタはメッセニア戦争を起した。紀元前682年、アテネに任期一年のアルコン職が導入され、貴族制が成立した。暗黒時代から4世紀の後、都市国家を作った。
ギリシア人の知性の輝きは、人類史上、最も優れている。一刀両断する分析力、体系的思考、深遠な直観と思想の美を建築した。ギリシア人は、知性の存在を学問体系として構築した。大久保正雄
*BC.1200年ギリシア人の別の一派(ドーリア人)が南下してギリシア本土へ侵入した。先に定着していたギリシア人の諸部族を支配、追放してギリシア全体が大混乱する時代が訪れた。ミケーネ文明は崩壊、文字も失われた。BC.12~8世紀、ギリシア史の暗黒時代。その暗闇からポリスが生まれた。
■幸福が地上に住むとすれば、それは必ずや我々から可能な限り遠い所、たとえば地の果ての彼処だ、とギリシア人たちは考えた。ニーチェ『漂泊者とその影』
★参考文献
村田数之亮『ギリシア美術』新潮社1974
伊藤貞夫、秀村欣二『ギリシアとヘレニズム』講談社1976
*Statuette of a horse, 8th century b.c.; GeometricGreek
Bronze H. 6 15/16 in. (17.63 cm×13.3 cm)Rogers Fund, 1921 (21.88.24)
http://www.metmuseum.org/toah/works-of-art/21.88.24
■展示構成
第一章:理想化された自然
クロード・ロラン「日の出」1646-7
第二章:自然の中の人々
ジャン=フランソワ・ミレー「麦穂の山:秋」1868年から1875年、農村の四季を描いた連作の1枚。
ポール・ゴーガン「水浴するタヒチの女たち」1892
第三章:動物たち
「リラのための牛頭の装飾」メソポタミアBC 2600
「猫」エジプトBC322
第四章:草花と庭
第五章:カメラがとらえた自然
第六章:大地と空
エドワード・ホッパー「トゥーライツの灯台」1929
フィンセント・ファン・ゴッホ「糸杉」1889年
第七章:水の世界
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー「ヴェネツィア、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会の柱廊から望む」
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■メトロポリタン美術館展 大地、海、空—4000年の美への旅
世界最大規模を誇る「美の殿堂」、メトロポリタン美術館から、4000年にわたる人類の美の遺産 約130点が集結。
世界最大規模を誇る「美の殿堂」、ニューヨーク・メトロポリタン美術館が所蔵する名品によって、古代から20世紀まで約4000年にわたる西洋美術のエッセンスを紹介する展覧会。
同館の作品群は古今東西の計200万点以上にのぼり、その多様性と質の高さから「見る美術百科事典」とも評されています。今回はその中から、古代メソポタミアやエジプトの工芸品、中世のタペストリー、レンブラントやモネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、ゴーガンらの巨匠による絵画、現代の写真など、西洋美術において、風景や動植物がどのように捉えられてきたかをテーマとして約130点を展示。メトロポリタン美術館の代表作が勢揃いします。ゴッホの「糸杉」は待望の日本初公開です。今春大規模改修工事を終えリニューアルオープンを迎えた東京都美術館で、世界最高峰の珠玉のコレクションをじっくりとお楽しみください。
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■【特別展】メトロポリタン美術館展 大地、海、空—4000年の美への旅 Earth, Sea and Sky: Nature in Western Art; Masterpieces from The Metropolitan Museum of Art
東京都美術館
2012年10月6日~ 2013年1月4日
http://met2012.jp/
★フィンセント・ファン・ゴッホ 《糸杉》 1889年
Gogh: Cyples 1889 The Metropolitan Museum of Art
20121006 

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