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2013年5月

2013年5月23日 (木)

レオナルド・ダ・ヴィンチ展 天才の肖像・・・レオナルドの蔵書目録

20130423_2大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
風薫る五月、美術館に行く。
孤独な人生を生きたレオナルドは、アンボワーズで死ぬまで、戦い続けた。
「孤独で、自分と闘っている人間は、鏡に向かって対話するんだよ。孤独を純粋に貫けば貫くほど、逆にそれは魅力になってくる。」岡本太郎
レオナルドの戦いの軌跡が、手稿である。
レオナルドのアトランティコ手稿(Codex Atlanticus)とレオナルデスキ(レオナルド派)の展覧会である。世界各地に収蔵されているレオナルドの手稿は5000ページといわれる。
「レオナルド蔵書目録」があり、彼の内面を垣間見る思いである。
「蔵書目録」は、アトランティコ手稿、マドリッド手稿、トリヴルツィオ手稿がある。レオナルド蔵書の一部が展示されている。
マルシリオ・フィチーノ『プラトン神学-魂の不死について』(1482年)カレッジ別荘所蔵、がある。
フィチーノ『愛について「饗宴」注釈』1475は、レオナルドの蔵書目録に存在しないようである。
フィチーノは『饗宴』注釈書の中で、アモル・プラトニクス(amor platonicus)という言葉を使った。レオナルドは、プラトン哲学を学んだか否か。謎である。
ベルナルディーノ・ルイーニ(Bernardino Luini 1480-1532)「聖家族と洗礼者ヨハネ」は、レオナルド「聖アンナと聖母子」のスフマートの技法、アルカイック・スマイルを備えていて、極美である。
■展示作品
レオナルド・ダ・ヴィンチ《音楽家の肖像》1485年頃 油彩 / 板
ベルナルディーノ・ルイーニ(本名ベルナルディーノ・スカーピ)《幼子イエスと子羊》1520年代後半 テンペラ、油彩 / 板
ベルナルディーノ・ルイーニ《聖家族と洗礼者ヨハネ》1520年代後半 油彩 / 板
ロンバルディア地方のレオナルド派の画家《洗礼者聖ヨハネ》1520年頃 油彩、テンペラ板
ヴェスピーノ(本名アンドレア・ビアンキ)《岩窟の聖母》1611年頃 油彩、板
頭部の素描、作品リスト、アタランテ・ミリオロッティの肖像に関する言及》アトランティコ手稿』第888紙葉表1482-83年頃
書籍
マルシリオ・フィチーノ「プラトン神学-魂の不死について」1482年
『フィオーレ・ディ・ヴィルトゥ』(徳の花)イタリア語1496年7月27日. ミラノ刊
ルカ・パチョーリ『神聖比例論』1498
壁画保存修復士 & 作家の"前川佳文"氏の「レオナルド・ダ・ヴィンチとベルナルディーノ・ルイーニ」に説明がある。http://affresco.exblog.jp/19308241/
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ミラノ アンブロジアーナ図書館・絵画館所蔵 レオナルド・ダ・ヴィンチ展 天才の肖像
イタリア・ルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452‐1519)。
本展は、アンブロジアーナ図書館・絵画館が所蔵するミラノ時代のレオナルドの傑作《音楽家の肖像》(日本初公開)と、レオナルドのメモや素描を編纂した『アトランティコ手稿』に収められた22葉を一堂に集め、レオナルド作品の魅力とその思考の過程を探るとともに、ベルナルディーノ・ルイーニやジャンピエトリーノら、レオナルドの追従者たち(レオナルデスキ)の油彩、および同図書館・絵画館が所蔵する素描コレクションから精選した珠玉の素描群を通して、レオナルド作品の反響と、イタリアのルネサンス以降の素描の歴史における素描家レオナルドの重要性を明らかにします。
ミラノの大司教であったフェデリーコ・ボッロメオ枢機卿によって17世紀初頭に設立されたアンブロジアーナ図書館・絵画館のコレクションが日本で紹介されるのは今回が初めてのことです。この貴重な機会に、歴史あるコレクションと天才芸術家の卓越した遺産をご堪能ください。
http://www.tbs.co.jp/leonardo2013/
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■ミラノ アンブロジアーナ図書館・絵画館所蔵 レオナルド・ダ・ヴィンチ展 天才の肖像
2013年4月23日~6月30日 東京都美術館

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2013年5月14日 (火)

「国宝 大神社展」・・・謎の七支刀

2013040902大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
藤の花の匂いが立ち込める五月の晴れた午後、博物館に行く。
大神神社の森厳な森を歩いた時、原始の息吹を感じた。日本の神域で、神聖な空気を感じるのは、大神神社の神域、磐座神社、狭井神社、三輪山禁足地である。
頂上付近には高宮神社、その奥には厳粛に祀られた奥津磐座が鎮座し、三輪山には無数の磐座がある。拝殿横に立つ「巳の神杉」と呼ばれる神木がある。三輪山はその姿がとぐろを巻いた蛇に喩えられ水の神、蛇神でもある。本居宣長は「大和に都があったころ、ただ大神といえば三輪の神のことだった」と書いた。三島由紀夫『奔馬』(『豊饒の海』第二部)で、若い剣士が滝に打たれる場面が出てくる。
学生時代、山の辺の道を歩いた時、石上神宮に行き、七支刀をみたいと申し出た思い出がある。
■国宝「七支刀」石上神宮・・・謎に満ちた刀
国宝「七支刀」(古墳時代・4世紀 奈良・石上神宮蔵 全長74.8㎝)
七支刀は、その特異な形状が有名である。謎に満ちた刀である。
刀身の両面に金象嵌された61文字の銘文は、
泰□四年□月十六日丙午正陽造百錬鋼七支刀□辟百兵宜供供候王□□□□作 (表)
先世以来未有此刀百済□世□奇生聖音故為倭王旨造□□□世 (裏)
中国の東晋の年号である「太和」「泰和」、西暦369年説が有力である。銘文の意味は、
泰和4年丙午正陽、百錬の鋼の七支刀を作った。百兵を避けることができる。先世以来このような刀は未だ存在しない。百済王の太子が倭王のためにこの七支刀を作った。
石上神宮
http://www.isonokami.jp/about/c4_2.html

石上神宮の国宝七支刀と物部氏の布留遺跡 http://www.bell.jp/pancho/k_diary-6/2012_10_28.htm
■展示作品
国宝「七支刀」(しちしとう)古墳時代・4世紀 奈良・石上神宮蔵、[展示期間:2013年4月9日(火)〜展示期間延長:5月12日(日)まで]
国宝「方格規矩鏡」(ほうかくきくきょう)古墳時代・4〜5世紀 福岡・宗像大社蔵
国宝「海獣葡萄鏡」唐または奈良時代・8世紀 千葉・香取神宮蔵
唐から舶載された形式の白銅製の鏡。獣をかたどった鈕を中心に、葡萄唐草文の地文に、獅子・馬・鹿・麒麟・鳳凰・蜂・蟷螂などが配されている。同形の鏡が正倉院に伝わる。
重要文化財「春日神鹿御正体」(かすがしんろくみしょうたい) 南北朝時代・14世紀 京都・細見美術館蔵
春日大社の使いである鹿をかたどった金銅製の作品。白雲の上に立ち、鞍に立てた榊には春日の本地仏5体が線刻されている。春日大社の祭神である武甕槌命(たけみかづちのみこと)が、常陸国鹿島から春日の地へ移座したときの様子を表している。同じ構図の絵画作品も出品される。
国宝「橘蒔絵手箱」及び内容品(たちばなまきえてばこ) 南北朝時代・明徳元年(1390) 和歌山・熊野速玉大社蔵[展示期間:2013年4月9日(火)〜5月6日(月・休)]
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■日本人は古来、自然のなかに人知を超えたものを感じ、山、岩、木など自然物の中に神を見出し、畏れ敬ってきました。やがて神々を祀る神社が建てられ、祭神の調度品である神宝や、祭神の姿をあらわした神像などがつくられました。神社は、神聖な場所として尊崇され、神像や宝物が大切に守り伝えられてきました。 この展覧会は、伊勢神宮の第62回式年遷宮を機に、神社本庁をはじめ、日本全国の神社の全面的な協力を得て、神社の宝物や日本の神々に関する文化財を総合的にご覧いただく、貴重な機会となります。
■「国宝 大神社展」東京国立博物館
4/9(火)〜6/2(日)
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1573

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