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2013年11月10日 (日)

印象派を超えて―点描の画家たち ゴッホ、スーラからモンドリアンまで・・・枯葉舞う秋の夕暮れ

201310041枯葉舞う秋の午後、美術館に行く。モネ「サン・ジェルマンの森の中で」アルフレッド・シスレー「舟遊び」をみると、柔らかな光に包まれる。枯葉舞う秋の午後、春のうららかな静謐な光は、印象派の世界を思い起こす。
象徴主義の詩人ボードレールは、夕暮れを愛した。
時こそ今は水枝さす、こぬれに花の顫ふころ、花は薫じて追風に、不断の香の爐に似たり。匂も音も夕空に、ワルツの舞の哀れさよ、疲れ倦みたる眩暈(くるめき)よ。「薄暮の曲」シャルル・ボードレール上田敏『海潮音』
光の画家、モネ『印象 -日の出Impression, soleil levant』(1872マルモッタン美術館)は、イギリス・ロマン主義の風景画家ウィリアム・ターナー『ノラム城、日の出Norham Castle, Sunrise』(1840)に強い影響を受けて生まれた。『散歩、日傘を差す女La promenade, La femme à l'ombrelle』(1875ワシントン・ナショナル・ギャラリー) には、アルジャントゥイユ、亡くなったカミーユ(モネ夫人)の面影が刻まれている。
分割主義(Divisinism)を確立したジョルジョ・スーラ(Georges Seurat)『グランド・ジャッド島の日曜日の午後』(1886)は、色彩分割の最高傑作である。夏の強い日差しが、淡い光に溶けて春のようである。新印象派(neo-impressionism)と呼ばれる。最後の印象派展第8回に出展された。スーラ(1859-1891)は、31歳の若さで亡くなった。「ポール・アン・ベッサンの外港」(1888)を残した。
この展覧会のテーマは、色彩の分割主義の展開である。「印象派の筆触分割と視覚混合から、新印象派のスーラの分割主義、新印象派の影響を受けたゴッホの補色関係の色彩構築、モンドリアンの三原色に分割された宇宙的な調和に満ちた抽象絵画へ」。
印象派(Impressionisme)の展開は、遠近法の解体、色彩の独立、抽象画へ、絵画の解体の歴史である。

展示作品
Ⅰ 印象派の筆触
モネ・シスレー・ピサロ、印象派において「筆触分割」と「視覚混合」が、点描によって試みられた。
クロード・モネ「サン・ジェルマンの森の中で」1882
アルフレッド・シスレー「舟遊び」
アルフレッド・シスレー「森のはずれ 6月」1884
アルフレッド・シスレー「モレのポプラ並木」
カミーユ・ピサロ「エラニーの教会と農園」
Ⅱ スーラとシニャック―分割主義の誕生と展開 The Origin and Development of Divisinism
ジョルジョ・スーラ「入り江の一角、オンフルール港」1886
ジョルジョ・スーラ「ポール・アンベッサンの日曜日」1888
ジョルジョ・スーラ「若い女」=「グランド・ジャッド島の日曜日の午後」のための習作1884-85、コンテ・クレヨンによる素描
ポール・シニャック「マルセイユ港の入り口」1898
マクシミリアン・リュス「パリ、モンマルトルからの眺め」1887
モーリス・ドニ「病院での夕暮れの祈り」1890
Ⅲ ゴッホと分割主義
ゴッホは、糸巻を使って、補色関係を研究して、色彩を配色した。ゴッホは、ブラン「色環図」を参照した。
フィンセント・ファン・ゴッホ「自画像」1887
フィンセント・ファン・ゴッホ「種まく人」1888
フィンセント・ファン・ゴッホ「レストランの内部」1887
フィンセント・ファン・ゴッホ「麦束のある月の出の風景」1887
Ⅳ ベルギーとオランダの分割主義
レイセルベルヘの作品が美しい。
テオ・ファン・レイセルベルヘ「満潮のペール=キリディ」1889
テオ・ファン・レイセルベルヘ「7月の朝、果樹園に集う家族」1890
テオ・ファン・レイセルベルヘ「読書する女」1900
Ⅴ.モンドリアン―究極の帰結
ピート・モンドリアン「赤と黄と青のあるコンポジション」1927年クレラー=ミュラー美術館
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 19世紀末から20世紀前半のヨーロッパ絵画において色彩は、外界の事物を再現するという役割から次第に解放され、ひとつの表現として自立していきます。色彩の独立は、印象派の筆触分割に、その萌芽を見出すことができます。新印象派の代表的な画家であるスーラは、印象派の感覚的な筆触分割には飽きたらず、科学的な知識をもとに独自の点描技法を開拓しました。色彩を純色の小さな点に分解して描く分割主義は、フランスを超えてヨーロッパ各地に瞬く間に広がります。そして、シニャックによる理論化にも後押しされて、抽象絵画の創設にも大きく貢献しました。オランダからパリに出たゴッホは、新印象派の技法に大きな着想を得て色彩を探求し、やはり点描を通過したモンドリアンは後年、三原色に分割された宇宙的な調和に満ちた抽象絵画へと到達したのです。
 本展は、ゴッホの優れたコレクションで知られるオランダのクレラー=ミュラー美術館の特別協力のもと、スーラ、ゴッホ、モンドリアンを中心にした、フランス、オランダ、ベルギーの画家たちによる色彩の探求を検証するものです。国内の所蔵機関の協力も得て一堂に展示される、油彩画、水彩画、素描、約90点にも及ぶ珠玉の作品を通じ、絵画の真髄ともいえる色彩の輝きを新たな目で捉えなおします。
http://km2013.jp/
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■印象派を超えて―点描の画家たち ゴッホ、スーラからモンドリアンまで
クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に
2013年10月4日(金)~12月23日(月・祝)
国立新美術館 企画展示室1E
http://km2013.jp/highlight.html
Divisinismプレスリリース:http://km2013.jp/image/pressrelease.pdf
★「グランド・ジャッド島の日曜日の午後」(Georges Seurat,Un dimanche après-midi à l'Île de la Grande Jatte,The Art Institute of Chicago,1886)
Georges_seurat

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