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2014年1月

2014年1月12日 (日)

美術展スケジュール2014年、上野・両国・横浜編

20131221葛飾北斎(1760-1849)は浮世絵師として世に現われてから90歳で没するまでの約70年間、常に新たな様式に挑んだ不撓不屈の画人。『ボストン美術館肉筆浮世絵展 江戸の誘惑』葛飾北斎「鳳凰図屏風」(天保6年1835)の翼を広げた鳳凰、金色の背景に赤・緑・青を主調とする色彩を思い出す。「諸国瀧廻り」、「百物語」、「冨嶽三十六景」、「諸国名橋奇覧」。「神奈川沖浪裏」は、不朽の美を感じる。
上野の森、「ボストン美術館浮世絵名品展 北斎」「法隆寺-祈りとかたち」「バルテュス展」、楽しみである。
■東京国立博物館
「クリーブランド美術館展─名画でたどる日本の美」 ★
2014年1月15日 (水)~2月23日(日)
日本伝統工芸展 60回記念「人間国宝展―生み出された美、伝えゆく わざ―」
2014年1月15日(水)~2月23日(日)
開山・栄西禅師 800年遠忌 特別展「栄西と建仁寺」 ★
2014年3月25日 (火) ~ 2014年5月18日(日)
特別展「キトラ古墳壁画」2014年4月22日(火) ~ 2014年5月18日(日)
特別展「台北 國立故宮博物院-神品至宝-」 ★
2014年6月24日(火) ~ 2014年9月15日(月・祝)
「日本国宝展」 ★★★
2014年10月15日(水)~ 2014年12月7日(日)
■東京都美術館
日本美術院再興100年 特別展『世紀の日本画』 ★★
重要文化財「龍虎図屏風」橋本雅邦 明治28年(1895)静嘉堂文庫美術館蔵:後期展示 ★
重要文化財「悲母観音」狩野芳崖 明治21年(1888)東京藝術大学蔵:後期展示 ★
第1期:2014年1月25日(土)~2月25日(火)
第2期:2014年3月1日(土)~4月1日(火)
バルテュス展 Balthus: A Retrospective ★★★
2014年4月19日(土)~6月22日(日)
京都市美術館2014年7月5日〜9月7日
メトロポリタン美術館古代エジプト展 女王と女神 ★
2014.07.19(土)~09.23(火・祝)東京都美術館
2014.10.13(月・祝)~2015.01.12(月・祝)神戸市立博物館
ウフィッツィ美術館展 ★
2014年10月11日~12月14日
■国立西洋美術館
国立西洋美術館×ポーラ美術館 モネ、風景をみる眼―19世紀フランス風景画の革新
2013年12月7日(土)~2014年3月9日(日)
生誕150周年記念 国立西洋美術館所蔵 エドヴァルド・ムンク版画展
2013年12月7日(土)~2014年3月9日(日)
ジャック・カロ―リアリズムと奇想の劇場
2014年4月8日(火)~6月15日(日)
橋本コレクション 指輪 神々の時代から現代まで ― 時を超える輝き
2014年7月8日(火)~9月15日(月・祝)
■東京藝大美術館
東日本大震災復興祈念・新潟県中越地震復興10年
法隆寺-祈りとかたち ★★★
2014年4月26日(土)- 6月22日(日)
■上野の森美術館
ボストン美術館浮世絵名品展 北斎 ★★★
9月13日~11月9日 http://ukiyoe.exhn.jp/
名古屋ボストン美術館 2013年12月21日(土)~2014年3月23日(日)
■東京国立近代美術館
ジョセフ・クーデルカ展
2013年11月6日(水)~2014年1月13日(月)
菱田春草展
2014年9月23日(火)~11月3日(月)
■江戸東京博物館
江戸東京博物館 開館20周年記念特別展 
大浮世絵展 ★★★
平成26年1月2日~3月2日
東海道五拾三次 -江戸の旅事情 お伊勢参りと物見遊山-
平成26年1月2日(木)~2月2日(日)5階第2企画室
大江戸と洛中~アジアのなかの都市景観~ ★
平成26年3月18日~5月11日
■横浜美術館
下村観山展 ★
2013/12/06~2014年2月11日
開館25周年記念 魅惑のニッポン木版画 ★
2014年3月1日(土)~5月25日(日)
ヨコハマトリエンナーレ2014
2014年8月1日(金)~11月3日(月)
■世田谷美術館
ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展
2014. 6.28‐9.15 
■府中市美術館
江戸絵画の19世紀 ★  
3月21日(金曜日・祝日)から5月6日(火曜日)まで 
■千葉市美術館
江戸の面影 浮世絵は何を描いてきたのか ★
2014年1月25日(土)~3月2日(日)
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■ボストン美術館浮世絵名品展 北斎
驚異の色彩 ―抜群に美しい北斎、ボストンから来日!
葛飾北斎(1760-1849)は江戸後期に浮世絵師として画界に登場してから90歳で没するまでの約70年間、常にあらたな画様式に挑んだ不撓不屈の画人です。世界中で広く愛されている浮世絵版画の中でも、北斎の作品は特に人気があり、日本のみならず欧米にも熱心なコレクターや研究者が多く、世界各国の美術館に作品が収蔵されています。北斎は、米国のライフ誌が選んだ「この千年で最も重要な出来事・人物」に、唯一名前の挙がった日本人でもあります。
本展は、日本が世界に誇る北斎の魅力に、世界屈指の日本美術コレクションで知られる米国・ボストン美術館の作品から迫ります。北斎研究の第一人者・永田生慈氏の監修のもと、同館の珠玉の所蔵品の中でもおどろくほど色鮮やかな作品、他では見ることができない非常に珍しい作品など、特に優れた作品約140点を厳選してご紹介します。想像をはるかに超えた「北斎」に、どうぞご期待ください。
「諸国瀧廻り」全8図、「百物語」全5図のほか、「冨嶽三十六景」、「諸国名橋奇覧」。西欧の透視画法を採り入れた浮絵「新板浮絵 忠臣蔵」全11図や洋風版画「阿蘭陀画鏡 江戸八景」全8図。
日本の画家として世界一有名といってもいいほど、誰もが一度は名前を聞いたことがある葛飾北斎は、宝暦10年(1760)年9月23日、江戸本所(現 東京都墨田区)に生まれました。当時の江戸は、町人文化が円熟し、鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽などの絵師による錦絵が黄金時代を迎えていました。町民として生まれ育った北斎は、幕府や大名の御用絵師とは一線を画し、90年にわたる長い生涯を一介の画工として生きました。終生質素な暮らしを貫き、酒も飲まず、煙草も吸わず、高級なお茶も飲まず粗食に徹し、身なりにもかまわず破れた服で暮らしていたといわれており、生涯で93回も転居を重ねた引越し魔であったとも伝えられています。また、「勝川春朗」としてデビューしてから有名な「北斎」、「為一」等を経て「画狂 老人卍」として没するまで、30以上の画号を使用したことでも知られ、死ぬまで自らの絵の革新のみをひたすらに追い求めた人生でした。
http://ukiyoe.exhn.jp/

大浮世絵展
日本が世界に誇る浮世絵は、江戸時代の初期に始まり、歌麿、写楽、北斎、広重などのスター絵師の活躍や、強烈なインパクトを放つ国芳らの登場を経て、小林清親や橋口五葉などの近代の画家に引き継がれました。
本展は、浮世絵研究の成果を世界に発信している「国際浮世絵学会」の創立50周年を記念して、浮世絵の名品を日本国内および世界各地から一堂に集めるものです。好事家ならずとも目にしたことのある代表的な作品約430点により、浮世絵の全史を通覧します。まさに浮世絵の“教科書”、“国際選抜”となる展覧会です。(東京会場には約350点が展示されます。展示替あり。)
会場では、“浮世”を初めて絵画の題材として取り込んだ江戸時代初期の風俗図屏風を筆頭に、菱川師宣の初期浮世絵から、歌麿・写楽が登場した「黄金期」、北斎・広重・国芳が活躍した「展開期」、そして文明開化に沸く明治時代の新聞錦絵、橋口五葉が描いたモダンな女性まで、時代を追ってご紹介します。版画だけでなく、肉筆画も多数展示するとともに、大首絵、役者絵、相撲絵、上方絵などの浮世絵が持つ多彩なジャンルも網羅します。浮世絵の全貌を紹介し、その魅力を再認識していただく展覧会です。
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/newtest/exhibition/special/2013/01/index.html
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2014年1月 9日 (木)

美術展スケジュール2014年、六本木・渋谷・恵比寿・丸の内編・・・藝術至上主義の夢

2014012519世紀イギリス美術の二つの美術展は、必見。19世紀ロマン派、藝術至上主義の極致の一つがここにある。
神話に秘められた美、憂いにみちた女性美。恋の炎。詩的な絵画、華やかな美と悦楽の世界。象徴主義、唯美主義、藝術と人生の双方に美を追求する藝術至上主義、古典的な形式や慣例に囚われない藝術。藝術至上主義の夢の形である。大久保正雄
「テート美術館の至宝 ラファエル前派展 英国ヴィクトリア朝絵画の夢」森アーツセンターギャラリー
「ザ・ビューティフル― 英国の唯美主義1860-1900」三菱一号館美術館
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六本木地区
■サントリー美術館
IMARI/伊万里 ヨーロッパの宮殿を飾った日本磁器 ★
2014年1月25日(土)~3月16日(日)
のぞいてびっくり江戸絵画-科学の眼、視覚のふしぎ-
2014年3月29日(土)~5月11日(日)
徒然草 美術で楽しむ古典文学(仮称) ★
2014年6月11日(水)~7月21日(月・祝)
高野山開創1200年記念 高野山の名宝 ★★★
2014年10月11日(土)~12月7日(日)
■国立新美術館
第17回文化庁メディア芸術祭
2014年2月5日(水)―2月16日(日) 会場:企画展示室1E
イメージの力―国立民族学博物館コレクションにさぐる
2014年2月19日(水)―6月9日(月) 会場:企画展示室2E
中村一美展
2014年3月19日(水)―5月19日(月) 会場:企画展示室1E
■森アーツセンターギャラリー
「テート美術館の至宝 ラファエル前派展 英国ヴィクトリア朝絵画の夢」 ★★★
2014年1月25日(土)~4月6日(日)
「日本スペイン交流400周年事業」巨匠ガウディ×井上雄彦 コラボレーション展
2014年
■森美術館
森美術館10周年記念展 アンディ・ウォーホル展:永遠の15分
2014年2月 1日(土)~ 2014年5月 6日(火)
ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界
2014年5月31日(土)~ 2014年8月31日(日)
リー・ミンウェイとその関係展―あらゆるものとの"つながり"について考える
2014年9月20日(土)~ 2015年1月 4日(日)
■山種美術館
【特別展】Kawaii 日本美術 ―若冲・栖鳳・松園から熊谷守一まで ★★★
伊藤若冲《樹花鳥獣図屏風》(静岡県立美術館蔵)は、後期(2月4日~3月2日)展示。
2014年1月3日(金)~3月2日(日)
【特別展】富士山世界文化遺産登録記念 富士と桜と春の花
■ザ・ミュージアムBunkamura25周年記念
シャヴァンヌ展 水辺のアルカディア ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの神話世界
2014/1/2(木)-3/9(日)
ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館 華麗なる貴族コレクション
2014/4/4(金)-5/25(日)
デュフィ展
2014/6/7(土)-7/27(日)
■三菱一号館美術館
ザ・ビューティフル― 英国の唯美主義1860-1900 ★★★
1月30日(木)~5月6日(火・祝)
ヴァロットン― 冷たい炎の画家
6月14日(土) ~9月23日(火・祝)
ボストン美術館 ミレー展― 傑作の数々と画家の真実
10月17日(金) ~ 2015年 1月12日(月・祝)
■三井記念美術館
「楽茶碗と新春の『雪松図』」展~2014年1月25日
■出光美術館
没後50年・大回顧 板谷波山の夢みたもの ―〈至福〉の近代日本陶芸 ★★★
2014年1月7日(火)~3月23日(日)
日本の美・発見IX日本絵画の魅惑
2014年4月5日(土)~6月8日(日)
■ブリヂストン美術館
画家の目、彫刻家の手2014年1月18日(土)-2014年4月13日(日)
チャイナドレス:交差する眼差し─藤島武二から梅原龍三郎まで2014年4月26日(土)-2014年7月21日(月)
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テート美術館の至宝 ラファエル前派展 英国ヴィクトリア朝絵画の夢
英国を代表する絵画の殿堂、テート美術館が所蔵する名品72点を通し、ラファエル前派を紹介する展覧会を開催します。
1848年、ロンドン。ジョン・エヴァレット・ミレイ、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ウィリアム・ホルマン・ハントを中心とする若い作家たちは、ラファエロを規範とする保守的なアカデミズムに反旗を翻し、それ以前の初期ルネサンス美術に立ち返るべく「ラファエル前派兄弟団」を結成しました。古典的な形式や慣例にとらわれない彼らの芸術運動は、英国のアート界にスキャンダルを巻き起こしました。
本展は、グループの結成から1890年代までのラファエル前派の歩みを歴史、宗教、近代生活、風景、詩的な絵画、美、象徴主義の7つのテーマに分けて紹介します。ロンドン、ワシントン、モスクワ、と各地で話題を集めた展覧会がいよいよ東京に巡回します。どうぞご期待ください。
森アーツセンターギャラリー(東京・六本木ヒルズ森タワー52F) 
http://prb2014.jp/

ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860-1900|三菱一号館美術館
19世紀後半の英国を席巻した壮大なムーブメント 日本発の唯美主義展
19世紀半ばのロンドン──。産業革命後の物質至上主義がはびこるなか、人々のライフスタイルをも変革した先進的な芸術運動がおこりました。主導したのは前衛芸術家たち。芸術はただ美しくあるために存在すべきだとする彼らの信念は、革新的な美術とデザイン を生み出します。芸術と人生のどちらにも美が重要とする芸術至上主義は、一般家庭のインテリアに変革をもたらすとともに、デカダンス の世紀末芸術へと発展していきます。
本展は、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館などの英国の主要な 美術館・博物館の所蔵品を中心とする絵画、素描、家具、工芸、宝飾品約150点で構成します。D.G.ロセッティからアルバート・ムーア、オーブリー・ビアズリー、オスカー・ワイルドにいたるまで、前衛たちが追い求めた独創的な美と悦楽の世界をご堪能ください。
http://mimt.jp/beautiful

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2014年1月 1日 (水)

謹賀新年・・・不滅の魂

Venus_and_mars800px不屈の魂は、美と真、不滅の精神を探求する。肉体の衣のなかに、不滅の魂がある。知の狩人は、存在の狩人であり、美の狩人である。不屈の美しい魂は、美の結晶を生み、不滅である。
不屈の魂
九十歳で死ぬまで絵を描きつづけた北斎。生涯にわたる探求者、空海。生涯旅に生きた至高の詩人、李白。八十九歳まで藝術を追求したミケランジェロ。孤独な旅路の果てに、レオナルドは、アンボワーズ城に、4枚の絵を残した。『岩窟の聖母』『聖アンナと聖母子』『ヨハネ』『モナリザ』。プラトンは、八十歳で書物を書きながら死んだ。ソクラテスは、七十歳まで生き「魂の不滅」を説きながら死んだ。逆境を超える不屈の魂。
■知の狩人
空海は、生涯、沙門であり探求者であった。知の狩人は、存在の狩人、美の狩人である。知と愛の奥義を探求した。美しい女神アルテミスのように、美の狩人である。探求者、沙門は、金剛菩薩である。
金剛薩埵は、若くて美しい女、欲・触・愛・ 槾 、美しい菩薩によって囲まれている。欲金剛女菩薩、触金剛女菩薩、愛金剛女菩薩、槾金剛女菩薩。(『金剛界曼荼羅』理趣会)
■美の狩人
美の狩人は、存在の狩人である。美を探求する魂は、みえる肉体の美から、みえざる美へ。魂の美を探求する。魂の美を探求する魂は探求の果てに、美になる。魂自身が、美になることが探求の目的である。即身成仏、即身美身。
「ディオティマ「よろしい、では教えて上げましょう。それ(エロス)は、肉体の上でも精神の上でも美しいものの中に生産することです」」プラトン『饗宴』
■永遠に回帰する宇宙
春に花が咲き世界がよみがえるように、不滅の精神は蘇る。エンペドクレスの永遠に回帰する宇宙の時間のように、春は蘇る。循環する宇宙、蘇る時間。魂の美を探求する魂は、不滅である。
■孤独な魂
人間の美を探求して、89歳まで藝術を追求した、ミケランジェロの孤独な魂。孤独と逆境が人間を磨く。孤独を純粋に貫くとき、藝術は魔法になる。
逆境を超えて、美しい詩を書きつづけた李白。美の極致をなし遂げる詩人の魂は、孤独な旅人であった。孤蓬万里をゆく、浮雲のごとき遊子である。
「両人対酌すれば山花開く、一杯一杯復た一杯」「桃花流水杳然として去る、別に天地の人間に非ざる有り」「却下す水精の簾、玲瓏秋月を望む」「この地一たび別れをなし、孤蓬万里にゆく、浮雲遊子の意、落日故人の情、手をふるひてここより去れば、肅肅として班馬鳴く」。
■響きあう魂
桃花が零り、流水が受ける。桃花流水。星空のもと、書かれた美しい手紙。魂に刻まれる言葉。玲瓏たる月光のもと、返信を書く、魂の言葉。魂のめぐり会い。
★出典 大久保正雄『美の狩人 不滅の魂』
大久保正雄 著作目録
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/cat23372542/index.html
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/1-b346.html
★ボッティチェリ「ヴィーナスとマルス」1483
★尾形光琳「松島図」(岩松図)17世紀、ボストン美術館Kourin_2013

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