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2018年1月

2018年1月19日 (金)

「神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展」・・・ハプスブルグ家の悪趣味の館

Rudolf2_2018Rudolf_ii大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第134回
ハプスブルグ帝国の都、ウィーン、プラハ、ブダペスト、チェスキークルムロフ、東欧の国々を旅した灼熱の夏を思い出す。美しき青春の日。
ハプスブルグ家の偉大な美術蒐集たち
ハプスブルグ家には、偉大な美術蒐集がいる。デューラーを庇護したマクシミリアン1世、ティツィアーノを召し抱えたカール5世、スペイン王フェリペ2世は、ヒエロニムス・ボスを愛好した。フェリペ4世は、ベラスケスを宮廷画家、官僚にした。女帝マリア・テレジアの嫡男ヨーゼフ2世はコレクションを公開。スペイン王フェリペ2世、フェリペ4世、神聖ローマ皇帝ルドルフ2世。
神聖ローマ皇帝ルドルフ2世 Rudolf II
ルドルフ2世(1552-1612)は、ウィーンに生まれ、24歳で神聖ローマ帝国皇帝に即位。
1583年、31歳で、都をプラハに移す。1612年、59歳で死す。多くの身分の低い側室の女との子を多数つくるが、世継ぎはない。
クンストカンマー、悪趣味の極み
17世紀バロックのドイツ諸侯が作ったクンストカンマーは、悪趣味の極みである。
1583年、31歳で、都をプラハに移す。ルドルフ2世はプラハ城、南翼と北翼をつなぐ廊下にクンストカンマー(Kunstkammer)、ブンダーカンマー(Wunderkammer)を作り、美術品だけでなく、珍しい貝殻、珊瑚、宝石、科学器械などを集めた。ティコ・プラーエ、ヨハネス・ケプラーを宮廷に呼ぶ。
【憎み合う兄弟、ルドルフ2世とマティアス】ルドルフ2世の才能に嫉妬する弟
弟は宗教問題などに無策だったルドルフ2世を憎むが、ルドルフ2世の才能に劣等感を抱いていた。決定的対立は1577年、スペイン領ネーデルラントにマティアスが調整役として赴いて失敗した。ルドルフはマティアスのウィーン帰還を許さず。マティアスは謀反、1611年プラハに侵攻、兄を帝位から引き摺り下ろす。
ルドルフ2世の死
1612年、59歳で死す。弟マチアスが帝位を継ぐ。マチアスにも子がなく、フェルディナント2世が帝位を継承。ハプスブルグ家は、カトリックとプロテスタント最大の宗教戦争、30年戦争(1618-48)に突入する。ドイツは荒廃し、ハプスブルグ家はブルボン家に敗れ、フランスの覇権が確立する。
神聖ローマ帝国、虚構の帝国
神聖ローマ帝国(西暦962~1806年)。神聖ローマ帝国は、首都の存在しないドイツ民族諸侯連合体。「神聖ローマ帝国」の名称は 1254年以降用いられる。古代ローマ再興を目指して作られた虚構、神聖でなくローマでもなく帝国でもない。フランス皇帝ナポレオンが欧州大陸を席巻すると、神聖ローマ帝国(962~1806年)崩壊。神聖ローマ帝国は烏合の衆である事が歴然とする。菊池良生『神聖ローマ帝国』講談社
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
大久保正雄『藝術と運命の戦い 藝術家と運命の女』
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展示作品の一部
ハンス・フォン・アーヘン作のコピー「ハプスブルク家、神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の肖像」1600年頃、油彩・キャンヴァス、スコークロステル城、スウェーデン
ルーラント・サーフェリー「動物に音楽を奏でるオルフェウス」1625年、油彩・キャンヴァス、プラハ国立美術館、チェコ共和国
ヤン・ブリューゲル(父)「陶製の花瓶に生けられた小さな花束」1607年頃、油彩・板、ウィーン美術史美術館
ヨーリス・フーフナーヘル「生の短さの寓意(花と昆虫のいる二連画」 1591年、グアッシュ、水彩・ヴェラム、リール美術館
ジュゼッペ・アルチンボルド「ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像」1591年、油彩・板、スコークロステル城、スウェーデン
ディルク・ド・クワード・ファン・ラーフェステイン「ルドルフ2世の治世の寓意」1603年、油彩・キャンヴァス、プレモントレ修道会ストラホフ修道院、プラハ、チェコ共和国
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参考文献
「アルチンボルド展」・・・ハプスブルク家の皇帝の奇妙な趣味
http://bit.ly/2vterEw
ハプスブルク帝国年代記 王女マルガリータ、帝国の美と花
https://t.co/T2it2d8Zb1
ハプスブルク帝国、ヴェラスケス、黄昏の光芒
http://bit.ly/2zGK4N2
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プラハに宮廷を構え、神聖ローマ帝国皇帝として君臨したハプスブルク家のルドルフ2世(1552-1612)は、稀代の収集家として、また芸術の庇護者として知られています。16世紀末から17世紀初頭、彼の宮廷には世界各地から優れた人物たちが集結し、芸術作品、あるいは科学機器などのあらゆる優れた創作物、更には新たに発見された珍奇な自然物などが集められ、文字通り「驚異の部屋」とでも呼ぶべき膨大なコレクションが形成され、当時のヨーロッパの芸術文化の一大拠点ともなりました。本展ではジュゼッペ・アルチンボルドを始め、ルドルフ2世が愛好した芸術家たちの作品を中心に、占星術や錬金術にも強い関心を示した皇帝の、時に魔術的な魅力に満ちた芸術と科学の世界をご紹介します。
http://www.bunkamura.co.jp/museum/
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★Hans von Aachen - Portrait of Emperor Rudolf II
★「神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展」Bunkamura ザ・ミュージアム
1月6日—3月11日

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2018年1月11日 (木)

美術館スケジュール2018年・・・旅する哲学者 美への旅

20180123大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第133回
帝国主義の雰囲気が濃厚になりつつある今。この世界はファシズムの嵐が吹き荒れるのか。
春の首都の美術館を彩る美術館は、ルネサンス、バロック、密教美術。ベラスケス、ブリューゲル、ミケランジェロ、藤田嗣治、ルーベンス。人類の知的遺産を、生きる原動力にして、生きよう。愛のない世界に理念を実現するために。
再び、自由主義者が弾圧される時代が来るとは思わなかった。孫崎享先生も同意した。思想家、文化人が弾圧される時代。大逆事件の幸徳秋水処刑1910年、甘粕事件の大杉栄1923年9月16日、二・二六事件の北一輝1936年、小林多喜二の獄中死1933年。近衛文麿失脚1941年。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
大久保正雄『藝術と運命の戦い 藝術家と運命の女』
――
人生とは、あなたが出会う人々であり、その人たちとあなたが作り出すもの。
だから、待っていないで何か作ることをはじめなさい。
人生は短い。情熱を身にまとい、自分の愛と夢を生きよう。
――
富とは、お金で買えないものをどのくらい持っているかである。
お金で家は買えるけれど家庭は買えない。
お金で本は買えるけれど知識は買えない。知性は買えない。
お金で学校は買えるけれど学問は買えない。
お金で血は買えるけれど命は買えない。
お金で時計は買えるけれど時間は買えない。
お金で地位は買えるけれど尊敬は買えない。
―――
1月
「神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展」Bunkamura ザ・ミュージアム、1月6日—3月11日
「仁和寺と御室派のみほとけ」東京国立博物館、1月16日-3月11日
「ブリューゲル展」東京都美術館、1月23日~4月1日 *豊田市美術館、札幌芸術の森美術館。
「アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝」東京国立博物館1月23日(火) -3月18日(日)
2月
「「ルドン―秘密の花園」三菱一号館美術館2月8日(木) —5月20日(日)
「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」国立新美術館、2月14日-5月7日 *九州国立博物館、名古屋市美術館。
「プラド美術館展」国立西洋美術館、2月24日-5月27日 *兵庫県立美術館。
3月
「ヌード NUDE」横浜美術館、3月24日-6月24日
「東西美人画の名作 序の舞への系譜」東京藝術大学大学美術館 3月31日-5月6日
4月
「名作誕生 つながる日本美術」東京国立博物館、4月13日-5月27日
「プーシキン美術館展」東京都美術館、4月14日-7月8日 *国立国際美術館。
「生誕150年 横山大観展」東京国立近代美術館4月13日-5月27日 *京都国立近代美術館。
「特別展 京のかたな」京都国立博物館、9月29日-11月25日
5月
「ルーヴル美術館展 肖像芸術」国立新美術館、5月30日-9月3日
6月
「ミケランジェロと理想の身体」国立西洋美術館、6月19日-9月24日
「ミラクル エッシャー展」上野の森美術館6月6日-7月29日
7月
「特別展 縄文」東京国立博物館 7月3日-9月2日
「モネ それからの100 年」横浜美術館、7月14日-9月24日
「没後50年 藤田嗣治展」東京都美術館、7月31日-10月8日*京都国立近代美術館。
9月
「京都・醍醐寺 真言密教の宇宙」サントリー美術館 9月19日-11月11日
「特別展 京のかたな」京都国立博物館、9月29日-11月25日
10月
「フェルメール展」上野の森美術館、10月5日-2019年2月3日 *大阪市立美術館。
「ルーベンス展」国立西洋美術館、10月16日-2019年1月20日
「ムンク展」東京都美術館、10月27日-2019年1月20日
「没後40年 熊谷守一」東京国立近代美術館 開催中-3月21日
「生誕150年記念 横山大観 東京画壇の精鋭」山種美術館、1月3日-2月25日
――
大久保 正雄『ことばによる戦いの歴史としての哲学史 理性の微笑み』理想社
http://bit.ly/2BGiuwX
http://bit.ly/2zEiAV9
2017美術展ベスト10・・・旅する哲学者 美への旅
http://bit.ly/2zBC7ED
2018新春、春風駘蕩・・・旅する哲学者 美への旅
http://bit.ly/2ClhVxg
美術館めぐり・・・美術館の迷路
http://bit.ly/2qBJf51

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2018年1月 1日 (月)

2018新春、春風駘蕩・・・旅する哲学者 美への旅

Tiziano_venere_di_urbino_1535大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第132回
1、時を超える不滅の魂
美しい魂は、永劫回帰の時を超える。時を超えて蘇る。北斎は、九十歳で死ぬまで絵を描きつづける。
2、理念を追求する精神は知性によって運命と戦う
理念を追求する精神は、知性によって運命と戦い、地上に美を成就する。メディチ家のプラトン・アカデミーは1499年に滅びる。しかし、逆境の時を超え、滅亡から400年後蘇る。
3、復讐する精神
理念を追求する精神は、運命と戦い、運命に復讐する。美しい魂は、逆境に屈せず、理念を追求する。偉大な精神は、復讐を果たす。
織田信長は、織田信行の二度目の謀反に復讐を果たし、人生の冒険に旅立つ。弘治三(1557)年、信長24歳。アレクサンドロスは、父王フィリッポス2世を側近貴族によって暗殺、復讐を果たして人生の旅に旅立つ。紀元前336年、アレクサンドロス20歳。偉大な精神は、復讐を果たして目的成就する。
深淵から蘇る魂
一流の人間だけが一流の才能を評価する。高島野十郎は、終生家族を持たず、師もなく、画壇とも関わらず、画壇や世に背を向け、売れもしない精密な写実画を黙々と描き続けた孤高の画家。没後30年、脚光を浴びる。『傷を負った自画像』(1916*)
4、夢の果てを追いつづける
天正十(1582)年、六月一日。織田信長は、本能寺で、茶会を開き、天下三肩衝を披露する予定だった。本能寺の変により天下三肩衝を手に入れる夢は幻と消える。*初花肩衝、新田肩衝、楢柴肩衝。
5、美しい魂は、本質を探求する。
美しい魂は、現象に欺かれず、本質を探求する。
人が本当に見ることができるのは心によってだけである。本質は、目で見えない。大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』
6、思想の歴史は、二千年の戦いの歴史である。
思想の歴史は、物質主義と本質主義、経験主義と合理主義、義務倫理学と価値倫理学、全体主義と自由主義の二千年に亙る戦いの歴史である。*大久保正雄『ことばによる戦いの歴史としての哲学史』
7、永遠を旅する哲学者、イデアへの旅
存在の彼方に、善と美のイデアがある。存在の根拠は美と善である。人間存在の秘密は、たんに生きることにあるのでなく、何のために生きるかである。*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
8、美を探求する精神史
黄昏時、夕暮れの光の中で『美の精神史』を執筆する。美を求める旅は、精神の旅である。美の精神史の旅。時の彼方、回帰する時を超えて、イデアへの旅。理念を追求する精神を求めて旅に出る。理念を追求する精神は、現実と戦う。理念を追求する人は弾圧される。しかし、死を超えて、美しい魂は蘇り、戦いを始める。
メディチ家の悲劇。織田信長の悲劇。プラトンの悲劇。空海の旅。嵯峨天皇の隠遁。王羲之の蘭亭の曲水宴。魂の美を探求したレオナルド。知性の美を探求したミケランジェロ。理念を追求する人の戦い、天への祈り。
本能寺の幻の茶会、安土城の七層の天主、信長の果たさざる夢。メディチ家の果たさざる夢。ロレンツォの歌を思い出す。
9、メディチ家の果たさざる夢。ロレンツォの歌
青春とは何と美しいものか。だが見る間に過ぎ去ってしまう。美しい時を楽しみなさい。明日は定めなきものゆえ。
Quant’è bella giovinezza,che si fugge tuttavia!,chi vuol esser lieto, sia:
di doman non c’è certezza.
Canzona di Bacco, Trionfo di Bacco e Arianna, 1490
――

大久保 正雄『理念を探求する魂の精神史』『美の精神史』
藝術家と運命の戦い
【レオナルド・ダ・ヴィンチ】生後まもなく孤独に生きていく。13歳でヴェロッキォ工房に弟子入り。苦節三十三年、46歳でミラノにて『最後の晩餐』を完成。47歳の時、フランス軍、ミラノ占領。48歳で放浪の旅に出る。64歳、フランス王の招きでアンボワーズ、クルー城に行く。三枚の絵画をイタリア使節に披露。67歳で死去。
【葛飾北斎】葛飾北斎、三十歳で貧困、苦節四十年。72歳で『富嶽三十六景』「神奈川沖浪裏」。七十五歳の時に、名を変え「画狂老人卍」を用いる。『富嶽百景』「海上の不二」、『鳳凰図屏風』(1834)を描く。九十歳で『富士越龍図』『李白観瀑図』1849年を描く。「齢九十歳 画狂老人卍筆」。 北斎最期の言葉は「天我をして五年後の命を保ためしハ真正の画工となるを得べし」。嘉永二(一八四九)年四月十八日没。
【真の富】富とは、お金で買えないものをどのくらい持っているかである。お金で家は買えるけれど家庭は買えない。お金で本は買えるけれど知識は買えない。お金で学校は買えるけれど学問は買えない。知性は買えない。
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【織田信長の復讐】弟信行は信長が病気との報を受け、11月2日に清洲城へ信長を謀殺に行った。清洲城北櫓天主次の間で信長の命を受けた河尻秀隆ら、池田恒興らによって返り討ちされた。弘治三(1557)年、信長24歳。
――
【プラトン・アカデミー】コジモ・デ・メディチは、1439年ギリシア人哲学者からプラトン哲学の奥義を聴き、アカデミア・プラトニカ設立を思い立つ。
コジモ・デ・メディチは、1459年カレッジ別荘をマルシリオ・フィチーノに託す。アカデミア・プラトニカ始まる。
【プラトン・アカデミーの終焉】ロレンツォ1492年死去。ポリツィアーノ、ミランドラ、1494年、毒殺されて死す。フィチーノ1499年死去。
【レダ】レオナルド『レダ』17世紀1694年まで、フォンテーヌブロー宮殿所蔵品目録に存在した記録がある。
――
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。
美しい夕暮れ。美しい魂に、幸運の女神が舞い降りる。美しい守護霊が救う。美しい魂は、輝く天の仕事をなす。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
大久保正雄『藝術と運命の戦い 藝術家と運命の女』
――
参考文献
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』
メディチ家年代記 メディチ家礼拝堂の幽明境
https://t.co/jfr10GQn6W
メディチ家の容貌、ルネサンスの美貌 理念を追求する一族
http://bit.ly/2kSINKR
戦国武将、織田信長 骨肉の抗争
http://bit.ly/2l7FlKH
旅する思想家、孔子、王羲之、空海と嵯峨天皇
http://bit.ly/2jcAF6D
大久保正雄「メディチ家とプラトンアカデミー」『ルネサンスの美と世界遺産』
https://t.co/yxlgRpwirV
「愛と美の迷宮、ルネサンス、メディチ家と織田信長」
https://t.co/J6q12oMYUX

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