« 「最澄と天台宗のすべて」2・・・比叡山、嵯峨天皇、慈円、鎌倉仏教、織田信長、覚恕、天海 | トップページ | 絶世の美女、徳姫、織田信長と徳川家康・・・美と復讐第4巻 »

2021年11月 3日 (水)

絶世の美女、憂愁の王妃、才色兼備の美女、強欲な魔女、ゾフィア・ドロテア、ガラ、クレオパトラ7世・・・美と復讐第3巻

Golden_compass_ver23_xlg
Salvadordal-st-antonius-1946

大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』257回、美と復讐の精神史、第3巻
【運命と戦う美女】絶世の美女は、運命に翻弄され、運命と戦い、知性と美を以って、逆境を超え、波瀾の人生の果てに、どこに到達するのか。絶世の美女は、時間と空間と社会と戦い、命運と戦い、未到の境地に辿りつく。
北方に佳人あり、絶世にして独立。一顧すれば人の城を傾け、再顧すれば人の城を傾く。
美しい者は美しいゆえに、戦いと苦悩がある。智慧ある者は、美しい。智慧ある者、美しい魂をもつ者は、美しいゆえに、頂点に立つ者の苦悩がある。
――
偉大な王は、何を手に入れたのか。価値ある生とは何か。人生の冒険に破れた詩人。人生の戦いに卓越した哲人、理念を追求する思想家。美しい心をもつ人は、輝く天の仕事をなし遂げる人。絶対権力者が手に入れられない4つの秘宝がある。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』
大久保正雄『美と復讐の精神史』
――
1
【絶世の美女、ゾフィア・ドロテア、幽閉の王妃】夫ジョージ1世(ハノーヴァー選帝侯ゲオルク・ルートヴィッヒ)に32年間、幽閉された。ゾフィア・ドロテアは孤独で無念の死を遂げる。(Sophie Dorothea von Braunschweig-Lüneburg, 1666年9月15日—1726年11月13日)
【絶世の美女、ゾフィア・ドロテア】怨みをもつジョージ1世の母から、虐待される。世継ぎの王子ジョージ2世を産むと、王は醜い愛妾に入り浸る。ゾフィア・ドロテアは、スエーデン貴族ケーニヒスマルク伯爵と愛し合う。伯爵は行方不明。飼い殺しの運命。息子もまた父を憎む。憎み合う父と子。
【イギリス王、ジョージ1世、ハノーヴァー朝開祖】54歳でイギリス王位につく。醜い二人の愛人をつれてドイツから移住。妻ゾフィア・ドロテアを32年間、幽閉。(ハノーヴァー選帝侯ゲオルク・ルートヴィッヒ(1660年5月28日—1727年6月11日)
――
2
【絶世の美女、ゾフィア・ドロテア、フリードリヒ大王の母】
【フリードリヒ大王、父との確執 母ゾフィア・ドロテア】
フリードリヒ2世は1712年1月24日、フリードリヒ・ヴィルヘルム1世と王妃ゾフィア・ドロテアの子として生まれた。父フリードリヒ・ヴィルヘルム1世は兵隊王とよばれる無骨者で芸術を解さない守銭奴。母ゾフィア・ドロテアは後のイギリス国王兼ハノーファー選帝侯ジョージ1世の娘で洗練された宮廷人。フランス宮廷文化に憧れ、教育方針も正反対の2人は対立。王子フリードリヒに大きな影響を与えた。父王はフリードリヒの教育係に「オペラや喜劇などのくだらぬ愉しみには絶対に近づかせぬこと」と言い渡し一切の芸術を禁じた。
【フリードリッヒ大王】フリードリッヒ2世。18歳で父王に要塞に幽閉された後、忍従の日々、苦節10年。1740年、父王は死に、弱小国を受け継ぐ。28歳。マリア・テレジアとオーストリア継承戦争、7年戦争を戦う。大王と呼ばれる。
【父を憎む子、子を憎む父】【フリードリッヒ大王】父王に殺されかけた王子、フリードリッヒ2世。哲学書を読み、オペラを聴き、フルートを吹く。父に蔵書を奪われ、一切の藝術を禁止され、食事を禁止、しばしば杖で殴られる。
【フリードリッヒ大王】父王に殺されかけた王子、フリードリッヒ2世。暴力、圧政の父に、18歳で政略結婚を強制され、国外逃亡。手引きした少尉は、皇子の身代わりに、王に処刑される。「あなたのためなら喜んで死にます」
――
3
【ダリ『ロートレアモンのカマキリの人肉食』1934】交尾後、雌カマキリは雄を食らう。雌蟷螂のように、ガラはダリを裏切る。ダリに城を与えられたガラは、淫蕩の限りを尽くす。ダリ「テトゥアンの大会戦」1962には二人のガラが描かれている。シュルレアリスム(超現実主義)の画家ダリ(1904年5月11日-1989年1月23日)
【ダリとガラ、1934年に結婚】1929年夏、ガラ・エリュアールと出会う。ダリとガラは強く惹かれ合い、1934年に結婚した。ガラはダリを誕生させる。27歳の時、『記憶の固執』1931を描き、生涯の最高傑作となる。『柔らかい時計』『溶ける時計』とも呼ばれる。ガラが食べていたカマンベールチーズが溶けていく状態を見てインスピレーションを得た。だが後年、ガラはダリを裏切る。不実な妻ガラに変貌。ダリに城を与えられたガラは、淫蕩の限りを尽くす。
【ダリ『記憶の固執』】ダリのアトリエからみえるポルト・リガトの海と岩と柔らかい時計がある。27歳のある日の午後、溶けた時計が見えた。「私は二つの柔らかい時計を見た。そのうちひとつはオリーヴの木の枝に嘆かわしい姿でぶらさがっていた。」ダリ『わが秘められた生涯』
――
4
【クレオパトラ7世、才色兼備の美女、傾国の美女、ローマ帝国】弟プトレマイオス13世、姉ベレニケ、妹アルシノエを攻略。王宮の官僚と対決。カエサルを誘惑、カエサルの子カエサリオン、プトレマイオス15世を産む。アントニウスと結婚、オクタヴィアヌスとアクティウムの海戦で戦い敗北。39歳で自決。毒蛇に胸を噛ませる
【クレオパトラ7世、才色兼備、エジプト最後の女王】プトレマイオス12世アウレテスの次女。玄宗皇帝の楊貴妃と比肩する傾国の美女。ギリシア系の才色兼備の王女、高い教養、魅力的な会話術、小鳥のような美しい声をもち、ギリシア語しか話さなかった王家で、エジプト語等を話した。プルタルコス『英雄伝』アントニウス伝
【クレオパトラ7世、才色兼備、姉妹の権力抗争】6人兄弟姉妹の権力抗争。クレオパトラ6世(姉)、ベレニケ4世(姉)、アルシノエ4世(妹)、プトレマイオス13世、プトレマイオス14世(弟)。プトレマイオス12世アウレテスの次女、Ptolemaios Auletes(在位前80—前51)紀元前69年—紀元前30年8月12日。アクティウムの海戦で敗れる。
――
【マルグリット・ユルスナール『東方奇譚』「老絵師の行方」】老画家汪佛とその弟子玲は、漢の大帝国の路から路へ、さすらいの旅をつづけていた。のんびりした行路であった。汪佛は夜は星を眺めるために、昼は蜻蛉をみつめるために、よく足をとめたものだ。
――
参考文献
絶世の美女、地中海奇譚、戦国奇譚・・・『美と復讐の精神史』第1巻
https://bit.ly/2zvn02e
絶世の美女、孫子と美女百八十人、孔子、ヴェニスの商人、シンデレラ、地中海奇譚・・・『美と復讐の精神史』第2巻
https://bit.ly/2VqAJkT

絶世の美女、憂愁の王妃、強欲な魔女、才色兼備の美女、ゾフィア・ドロテア、ガラ、クレオパトラ7世・・・美と復讐第3巻

――
クレオパトラとエジプトの王妃・・・生と死の秘密、時の迷宮への旅
https://bit.ly/2jXjM3l
【偉大な王と憂いの妃】アレクサンドロス、クレオパトラ、王妃オリュンピアス、
王妃オリュンピアス アレクサンドロス帝国の謎
https://t.co/GqhV2l84wK
ダリ『記憶の固執』、『記憶の固執の崩壊』・・・スペインの荒涼とした大地、記憶の迷路
https://bit.ly/2PtGnyk
シュールレアリスムの夢と美女、藝術家と運命の女
https://bit.ly/2vikIlL
生きものと共生する、神々、仏陀、人間・・・守護精霊は降臨する
https://bit.ly/34JOIb2
――
大久保正雄 著作目録『旅する哲学者 美への旅』
https://t.co/HO0RinYljg
著作目録:大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』
https://bit.ly/3mzI8gV
――
★「恋におちたシェイクスピア」Shakespeare in love.1998
★「黄金羅針盤」Golden Compass 2007
★サルバドール・ダリ「聖アントニウス」1946

|

« 「最澄と天台宗のすべて」2・・・比叡山、嵯峨天皇、慈円、鎌倉仏教、織田信長、覚恕、天海 | トップページ | 絶世の美女、徳姫、織田信長と徳川家康・・・美と復讐第4巻 »

精神史」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「最澄と天台宗のすべて」2・・・比叡山、嵯峨天皇、慈円、鎌倉仏教、織田信長、覚恕、天海 | トップページ | 絶世の美女、徳姫、織田信長と徳川家康・・・美と復讐第4巻 »