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2022年1月

2022年1月29日 (土)

白井晟一・・・孤立の城、荒野の礼拝堂、ロマン主義建築家の反逆

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』268回

私は、学生時代、白井晟一の建築《親和銀行本店》、白井晟一著『無窓』に出会い、その意味について考えてきた。
私は世界の建築を旅した。偉大な建築家とは、フェイディアス、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、アントニ・ガウディ、等である。偉大な建築家は、成果主義、競争主義の社会に反抗する古典主義、ロマン主義である。
白井晟一の建築は、モダニズムに対立するロマン主義建築である。経済至上効率優先の近代主義に対立するロマン主義である。成果主義、競争主義の現代社会に反抗するロマン主義。中世の礼拝堂のドーム、ノアの箱舟のような建築である。天への意志、孤独、理性の苦悩、理想と現実との戦い、絶望の荒野、崇高な者への尊敬、崇高な美、精神の孤立、哲学者の洞窟、荒野の礼拝堂、氷の海、断崖に建つ寺院、を表現していると私は思う。
ロマン主義藝術家とは、ウィリアム・ブレイク、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ、ダンテ・ガブリエル・ロセッティ、ギュスターヴ・モロー、アンチリアリズムの藝術家である。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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【魅力的な建築家】魅力的な建築の建築家はだれか。フェイディアス、アントニ・ガウディ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、黒川紀章、白井晟一、丹下健三、村野藤吾、吉田五十八、堀口捨巳、谷口吉郎、
安藤忠雄、隈研吾、菊竹清訓、ザヒ・ハディド、梵寿綱。
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建築家・白井晟一(1905~83)。京都で生まれ、独創的なスタイルの建築から「哲学の建築家」と評された1905年に京都に生まれた白井は、正規の建築教育を受けていないとされており、独学の建築家とも称されてきた。しかし、学んでいた京都高等工芸学校の図案科では近代建築のパイオニアである本野精吾が教鞭をとっており、その前任者も建築家・武田五一であった。
欧州留学時代の白井と、作家・林芙美子がパリで出会ったのは有名なエピソード。貴公子のような若き白井に恋する林、かたや社会主義思想に夢中で、ソビエト旅行を企てていた白井。「白井君」が登場する林の『パリ日記』。
《親和銀行本店》
長崎の《親和銀行本店》(現・十八親和銀行佐世保営業部)。商店街に建つ、ふたつの巨大な量塊、まるで隕石かノアの箱舟のようである。何気ない日常風景の中に、全く別の時間的・空間的な位相が差し込まれている。事実に圧倒される。
《親和銀行東京支店》
「親和銀行東京支店」、銀座の三原橋にあった建築は、ボリュームのある基壇と上部にまっすぐ伸びていく上部で構成されており、「ノアビル」などにも共通する意匠がみられる。銀行の店舗ながらも、内部は礼拝堂のような雰囲気で、都心の一角にありながらも内部は非常に静かだったと伝えられる。
秋田県湯沢市「稲住温泉」は、武者小路実篤も通った由緒ある旅館。白井晟一設計の「離れ」《嵐亭》《漣亭》《杉亭》は白井氏の設計を残しながら快適な滞在ができるようにリノベーションされている。3部屋どれもが個性的。
《滴々居》
伝説的な自邸《滴々居》(1951~67)の前の白井晟一、裸電球がぶら下がり、表札は荒壁に直書き。トイレはなく、途中まで屋根が未完で雨が滴り落ちるので「滴々」居―このミニマルの極みの生活から数々の壮大な建築案は生まれた。
《虚白庵》
晩年の白井は前の自邸《滴々居》とはうって変わり、重厚な《虚白庵》で昼夜逆転の生活を送った。内部は壮麗な闇の空間で、手探りで進む来訪者が思わずつまずくと、奥の書斎机の灯に浮かぶ白井晟一は、神秘的にふふっと笑う、勝負アリだった、という証言を聞いた。
《原爆堂計画から松濤美術館》
50年代の「原爆堂計画」から80年代の松濤美術館と芹沢銈介美術館まで、白井晟一は30年以上にわたり多くの美術館を計画しました。その中でも、1975年に構想された「大村道場計画」の美しさ。白井晟一が、自身のために設計した私設の展示施設である。
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白井晟一、作品の一部
白井の代表的建築である港区麻布台にある「ノアビル」。
未完の建築「原爆堂」1954年頃に、丸木位里・俊夫妻による《原爆の図》を展示するために計画。主室が水上に浮かび、地下を経由してギャラリーやホールにつながる独特の構造
70年代より白井は大規模建築を手がけるようになった。
白井を代表する建築
「親和銀行東京支店」東京・銀座の三原橋
「親和銀行本店」(現・十八親和銀行佐世保営業部)佐世保
「渋谷区立松濤美術館」1981
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■参考文献
「白井晟一 入門」渋谷区立松濤美術館 開館40周年記念「白井晟一 入門」
第1部 白井晟一クロニクル 会期:2021年10月23日~12月12日
第2部 Back to 1981 建物公開 会期:2022年1月4日~1月30日
「白井晟一 精神と空間」青幻社
大久保正雄「地中海紀行、旅する哲学者 美への旅」
アクロポリスの光と影 パルテノン神殿
https://t.co/nmDmRi4sGN
パルテノン神殿 彫刻家フェイディアス アクロポリスのコレー
アクロポリスのコレー 時を超えて蘇る少女
https://t.co/H9JyoTOReE
梵寿綱、生命の賛歌 輝き溢れる芸術建築
https://bit.ly/3A5Ko46
『隈研吾 はじまりの物語』青幻社2021
隈研吾展・・・迷宮建築への旅、雲の上のホテル
https://bit.ly/35STPGx
白井晟一・・・孤立の城、荒野の礼拝堂、ロマン主義建築家の反逆
https://bit.ly/3rZzIAY
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「天使か悪魔か 建築家 白井晟一」NHK
初回放送日: 2022年1月23日
孤高の建築家・白井晟一。独学で建築を身につけ、世界を席巻した丹下健三らのモダニズム建築を批判。都会にうがたれた黒い杭のようなビル、太古のモニュメントにも似た銀行社屋など、常識を覆すような作品ばかりを作った。権威主義を批判し哲人、詩人とも称された一方、自らが権威にもなっていった白井。その実像は、天使か、悪魔か。白井に憧れを抱く映画監督・紀里谷和明が迫る。
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2022年1月17日 (月)

美術館スケジュール2022年・・・旅する哲学者 美への旅

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』267回

思想の歴史は、論争の歴史であり、対立する魂の戦いのドラマである。理念を実現するために必殺技を駆使して思想家は戦う。困難な挑戦に挑むことは、人生の糧になる。画中画、劇中劇に隠された秘密のドラマ。乱と変の歴史を分析すると戦争の本質が見える。指揮官は、理念を探求して戦略を構築する藝術家である。旅する哲学者は、美の本質、美のイデアを探求する。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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【本質と影】あなたの本質は何か、あなたは何から作られているのか。百万の影があなたに付纏っているのはなぜか。略。外見の美はすべてあなたの美の一部である、しかし、変わらぬ心、内面の真実はあなたの唯一無二の存在。シェイクスピア『ソネット集』53番
【六観音菩薩】如意輪観音菩薩は、神通力をもつ天人を救う。天から降りてきた天人は、この世で苛めに遭い苦難を受ける。十一面観音菩薩は、怒りと争いの修羅道を救う。宮澤賢治、織田信長は、修羅の道を歩いた。准胝観音菩薩(不空羂索観音菩薩)は、四苦八苦の人道を救う。
【平治の乱1159年】藤原信頼と源義朝が、藤原信西にクーデタ。平清盛、熊野詣から京都へ戻り、後白河上皇、二条天皇を六波羅の清盛邸に救出。天皇と上皇を女装させて牛車に乗せる。源義朝、敗北。後継者、源頼朝、13歳、伊豆国に流される。後白河上皇、日本一の大天狗。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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【トロイ戦争、総大将アガメムノン率いるアカイア勢、対プリアモス王のトロイ王国】【トロイ滅亡、オデュッセウスの木馬】【パリスの審判】神々の饗宴でアプロディーテを選択するトロイ王子パリス。スパルタ王妃美女ヘレネを奪ってトロイに連れ帰りトロイ戦争勃発【ガイアの嘆願】【神々の結婚】【神々の饗宴、争いの女神エリスが黄金の林檎を投げ入れる】【女神の争い】【美女姉妹ヘレネとクリュタイムネストラ、ゼウスがレダを犯して2組双子】『叙事詩の円環』8部作
【神々の饗宴、ペレウスとテティスの結婚】海神の一族であるテティスは自由に姿を変えることができたが、ペレウスは逃れようとした彼女をつかまえて離さなかった。2人の結婚式にはほとんどの神々が出席したが、争いの女神エリスだけが招かれなかった。これを恨んだエリスは、黄金のリンゴを祝宴の満座の中に投じ、これが原因となってのちにトロイ戦争が起こる。
【テティスからアキレウス誕生】テティスは、生まれた男の子を不死身にしようと夫に隠れて火中に子を投げ入れていたが、ペレウスに発見されると海底へ去っていった。男の子は、母の手に隠れた踵(かかと)の部分を除いてほとんど不死身となった。これが英雄アキレウス。
【復讐悲劇】復讐の女神エリニュエス【オレステイア3部作】アイスキュロス(前458)『アガメムノン』『供養する女たち』『慈みの女神たち』【ルネサンス復讐悲劇の起源】セネカ『テュエステス』。『ハムレット』
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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1月
「徳川一門 ―将軍家をささえたひとびと」江戸東京博物館、1月2日~3月6日
「体感! 日本の伝統芸能―歌舞伎・文楽・能楽・雅楽・組踊の世界―」東京国立博物館、1月7日(金)~3月13日(日)
「白井晟一入門」渋谷区立松濤美術館 開館40周年記念、2021年10月23日(土)〜2022年1月30日(日)

「ポンペイ」東京国立博物館、2022年1月14日(金)~ 2022年4月3日(日)
「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」東京都庭園美術館、1月15日~4月10日
ボストン美術館所蔵「THE HEROES 刀剣×浮世絵-武者たちの物語」森アーツセンターギャラリー、1月21日(金)~3月25日(金)
「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」東京都美術館、1月22日(土)~4月3日(日)まで、開幕日延期
「再開記念展 松岡コレクションの真髄」松岡美術館、1月26日~4月17日
『楳図かずお大美術展』、東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)、1月28日~3月25日
「はじまりから、いま。 1952ー2022 アーティゾン美術館の軌跡―古代美術、印象派、そして現代へ」アーティゾン美術館、1月29日~4月10日
2月
「上村松園・松篁―美人画と花鳥画の世界―」山種美術館、2月5日(土) ~4月17日(日)
「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」国立新美術館、2022年2月9日(水)~5月30日(月)
ルーカス・クラナハ「パリスの審判」Lucas Cranach:Judgment of Paris 1528
「ミロ展、日本を夢見て」Bunkamuraザ・ミュージアム、2月11日~4月17日
「上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー」三菱一号館美術館、2022年2月18日~5月15日
「宝石 地球がうみだすキセキ」国立科学博物館、2月19日(土) ~6月19日(日)
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3月
特別展「空也上人と六波羅蜜寺」東京国立博物館、3月1日~5月8日
「没後50年 鏑木清方展」東京国立近代美術館、2022年3月18日~5月8日(東京国立近代美術館)2022年5月27日~7月10日(京都国立近代美術館)
井上泰幸展、東京都現代美術館、3月19日~6月19日
本城直季(un)real utopia、東京都写真美術館、3月19日(土)〜5月15日(日)
出版120周年 ピーターラビット展、世田谷美術館、3月26日(土)〜6月19日(日)

4月
「藝大コレクション展 2022 春の名品探訪 天平の誘惑」藝大美術館、4月02日(土)〜5月08日(日)
「牧歌礼讃 / 楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン + 藤田龍児」、東京ステーションギャラリー、4月16日(土)〜7月10日(日)
「アベンジャーズ展」、森アーツセンターギャラリー、4月16日(土)~6月19日(日)
「Shibuyaで仏教美術、奈良国立博物館コレクション」松濤美術館、4月9日~5月29日

「北斎 大英博物館所蔵作品を中心に」、サントリー美術館、4月16日~6月12日
「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」、東京都美術館、4月22日(金)~7月3日(日)
「奥田元宋と日展の巨匠」、山種美術館、4月23日(土)~7月3日(日)

「ボテロ展」、Bunkamuraザ・ミュージアム、4月29日~7月3日
「写真と絵画―セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策」展、アーティゾン美術館、4月29日(金・祝)〜7月10日(日)

「名探偵コナン」~銀幕の回顧録(メモワール)~」室町三井ホール&カンファレンス、4月30日(土)~6月12日(日)まで
5月
特別展「琉球」、東京国立博物館、5月3日(火) ~ 6月26日(日)
6月

「自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」、国立西洋美術館、6月4日(土)~9月11日(日)
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ『朝日の中の婦人』1818-1820、フォルクヴァング美術館
岩合光昭「PANTANAL 清流がつむぐ動物たちの大湿原」東京都写真美術館地下1階展示室、6月4日(土)~7月10日(日)
「ガブリエル・シャネル展─Manifeste de mode」三菱一号館美術館、6月18日〜9月25日
ゲルハルト・リヒター展、東京国立近代美術館、6月7日~10月2日

ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション、国立新美術館、2022年6月29日(水)~9月26日(月)
7月
「特別展アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界ー」、森アーツセンター、7月16日(土)から10月10日(月・祝)
特別展「化石ハンター展 ~ゴビ砂漠の恐竜とヒマラヤの超大型獣~」国立科学博物館、7月16日(土)から10月10日(月・祝)
長谷川潔 1891-1980展― 日常にひそむ神秘 ―、町田市立国際版画美術館、7月16日(土)〜9月25日(日)

ボストン美術館展 芸術×力、東京都美術館、7月23日(土)~10月2日(日)
フィン・ユールとデンマークの椅子、東京都美術館、7月23日(土)~10月9日(日)
東北へのまなざし 1930-1945、東京ステーションギャラリー、7月23日(土)〜9月25日(日)
「生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎」
、アーティゾン美術館、7月30日(土)〜10月16日(日)
8月
国立新美術館開館 15周年記念 李禹煥、国立新美術館、2022年8月10日~11月7日
「日本美術をひも解くー皇室、美の玉手箱」、東京藝術大学大学美術館、8月6日~9月25日
9月
古美術逍遙―東洋へのまなざし、泉屋博古館東京、9月10日(土)〜10月23日(日)
「イッタラ展」、Bunkamuraザ・ミュージアム、9/17(土)~11/10(木)※9/27(火)休館
10月

静嘉堂創設 130 周年・新美術館開館記念 響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき(仮)、 2022 年 10 月 1 日(土)~12 月 18 日(日)

没後80年記念「竹内栖鳳」、山種美術館、10月6日(木)~12月4日(日)
ピカソとその時代 ベルリン国立 ベルクグリューン・コレクション展、国立西洋美術館、10月8日(土)~2023年1月22日(日)



特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」(2022年10月18日~12月11日)
150周年記念、【史上初の国宝89件公開】狩野永徳から埴輪まで所蔵する国宝89件すべてを展示するのは150年の歴史上初めて!
岡本太郎、東京都美術館、10月18日~12月28日
「ヴァロットン─黒と白」三菱一号館美術館、10月29日(土)~2023年1月29日(日

11月
大竹伸朗展、東京国立近代美術館、11.1 - 2023.2.5
「毒」、国立科学博物館、11月1日(火)~2023年2月19日(日)
生誕150年記念、板谷波山の陶芸-近代陶芸の巨匠、その麗しき作品と生涯-、泉屋博古館東京、11月3日(木・祝)〜12月18日(日)
「第9回 日展」、国立新美術館、11月4日(金)~11月27日(日)
「パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂」、アーティゾン美術館、11月5日(土)〜2023年2月5日(日)
「美をつむぐ源氏物語―めぐり逢ひける えには深しな―」、東京都美術館、11月19日(土)~2023年1月6日(金)
兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~、上野の森美術館、11月22日(火)〜2023年2月5日(日)
マリー・クワント展 MARY QUANT、Bunkamuraザ・ミュージアム、11月26日(土) ~ 2023年1月29日(日)
祈り・藤原新也、世田谷美術館、11月26日(土)〜2023年1月29日(日)
12月
「英英紅綠 第47回 白日会会員選抜展」、日本橋三越本店 本館6階 美術特選画廊
YUMING MUSEUM、ユーミン50周年、六本木ヒルズ東京シティビュー、12月8日(木)から2023年2月26(日)
クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ、東京都現代美術館、2022年12月21日 ~2023年5月28日
2023
2月
『ローランサンとファッション シャネルがいた時代 ― それぞれのエレガンス』、Bunkamuraザ・ミュージアム、2023年2月14日(火)~4月9日(日)

――
【ルーカス・クラナッハ】(Lucas Cranach der Ältere、1472年10月4日 - 1553年10月16日)ヴィッテンベルクに工房を構え、当地の領主ザクセン選帝侯フリードリヒ3世に御用絵師として仕えた。腰の細くくびれた独特なプロポーションのヴィーナス像は、ティツィアーノやジョルジョーネのヴィーナスとは異なる官能美。『パリスの審判』1528『ヨハネの首をもつサロメ』1530『ホロフェルネスの首をもつユディト』1530『ヴィーナス』1532『正義の寓意』1537
【カスパー・ダヴィッド・フリードリヒ】1774年、ポメラニア地方に生まれた。1794-98年、コペンハーゲンのアカデミーに学び、その後ドレスデンに住む。ドレスデンではロマン主義運動の芸術家たちのメンバーとなる。後にドレスデン・アカデミーで教鞭をとる。神はどこにでも存在している、と彼は言う。フリードリヒは孤独と貧困の中で亡くなったとされる。死後、その名声は急速に消えて、20世紀になって再評価された。
フリードリヒ『孤独な木』1822『月を眺める2人の男 』1819 -1820『氷の海』1823『霧の海を眺めるさすらい人 』1818『雪の中の修道院の墓地』1819
『月を眺める2人の男 』1819 -1820ロマン主義詩人ノヴァーリスの世界の視覚的表現とも言える。夜と死に魂の自由とやすらぎを見出した詩人。月光に見えるのは枯れ木と荒くれた岩。男たちの背後に死の予感があり、おそらく、とても静かな死の予感である。ノヴァーリス
――
参考文献
「密教彫刻の世界」愛染明王、金剛薩埵の化身
https://bit.ly/2WNIoNt
クラーナハ展、500年後の誘惑・・・透明なヴェールの女、女の策略
https://bit.ly/3JlqRl5
ルーカス・クラナッハ(父)「洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ」1530年代ブダペスト国立西洋美術館蔵
THEハプスブルク 華麗なる王家と美の巨匠たち・・・黄昏のウィーンの思い出
https://bit.ly/2obtPA4
絶世の美女、徳姫、織田信長と徳川家康・・・「美と復讐」第4巻
https://bit.ly/3HjY9zO

帝釈天騎象像、七頭の獅子に坐る大日如来・・・守護精霊は降臨する
理念を探求する精神、エンペドクレス・・・古代ギリシアの理想、知恵、勇気、節制、正義は、なぜ失われたのか

2022謹賀新年 蘇る不滅の精神、理念を探求する精神
https://bit.ly/3HmiOCw
2021美術展ベスト10・・・旅する哲学者 美への旅
https://bit.ly/33XYx7Z
美術館スケジュール2022年・・・旅する哲学者 美への旅
https://bit.ly/3KiUp3f

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2022年1月 1日 (土)

2022 謹賀新年 蘇る不滅の精神

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』266回

【理念を追求する精神】理念を探求する人は、邪知暴虐な権力と戦い、この世の闇の彼方に理想と美を求める。輝く天の仕事を成し遂げる。空海、孔子、織田信長、李白、プラトン。即身成仏、忠恕、仁義礼智信、武の七徳、桃花流水杳然去、美の海の彼方の美のイデア、存在の彼方の善のイデア。
【理念を追求する精神】空海は理念を探求して旅した。空海の24歳の苦悩は『聾瞽指帰』に刻まれている。空海、ロレンツォ・デ・メディチ、プラトン、玄奘三蔵、李白、王羲之、嵯峨天皇、ソクラテス、理念に向かって、旅した人。理念を追求する人は、この世の闇の彼方に美を求める。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
1、美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。美しい魂は、輝く天の仕事をなし遂げる。美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、あなたを救う。永遠を旅する哲学者は、時を超えて、理念を追求する。美のイデアへの旅。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
2、【理念と現実の一致】思想家は、理念を現実において成就することを追求する。プラトン哲学は、国家において知恵が実現することを追求する。空海は、即身成仏を追求する。
3、【天人と鬼畜との戦い】空海、聖なるものは悪を滅ぼす。空海は三界の衆生を害することとは三界の無明を断じることに他ならないとしている。*三毒。貪欲・瞋恚・愚痴。貪瞋痴。
不空『理趣釈経』【『般若理趣経』第三段】「金剛手よ、もしこの理趣を聞きて受持し読誦することあらば、たとひ三界の一切の有情を害すも悪趣に堕せず」天人は三悪趣と戦う。*三悪趣(地獄・餓鬼・畜生)
4、【愛と復讐の叙事詩】アレクサンドロス大王、父フィリッポス2世を暗殺。クレオパトラ7世、弟プトレマイオス14世を暗殺。プロイセンのフリードリッヒ大王、織田信長、偉大な人生は、復讐から始まる。絶望に立ち向かう。絶望を超えて、復讐を果たし、天の仕事を成し遂げる。
【偉大なる王の死】アレクサンドロス3世、33歳。ダレイオス1世66歳。ダレイオス3世60歳。ラムセス2世92歳、子供100人を残す。ハトシャプスト女王49歳。アクエンアテン王29歳。ツタンカーメン18歳。アンケセナーメン27歳。美しきネフェルティティ63歳。絶対権力者が手に入れられない4つの秘宝がある。
5、【理念を探求する精神、美と復讐の精神史】ソクラテス、紀元前399年70歳。プラトン紀元前347年80歳。空海835年61歳。李白 762年61歳。孔子紀元前479年74歳。織田信長1582年49歳。アレクサンドロス大王紀元前323年33歳。嵯峨天皇842年56歳
【思想家の死、詩人の死、藝術家の死】ソクラテス、紀元前399年70歳。プラトン紀元前347年80歳。アリストテレス紀元前322年62歳。孔子紀元前479年74歳。空海835年61歳。藤原定家1241年79歳。李白 762年61歳。北斎1849年90歳。
6、【東西文化交渉史】ギリシア美術、紀元前5-4世紀、最盛期、BC334アレクサンドロス大王の遠征、ペルシア帝国征服、インド遠征、ガンダーラ美術、ペルガモン王国誕生、シルクロード経由、7世紀北魏南梁から飛鳥彫刻、8世紀天平彫刻、9世紀、弘仁貞観、密教美術、12世紀、運慶彫刻
7、【六道輪廻と六観音菩薩】如意輪観音菩薩、天道の天人を救う。聖観音菩薩、地獄道の者を救う。千手観音菩薩、飢えと渇きの餓鬼道の者を救う。馬頭観音菩薩、動物の弱肉強食の畜生道の者を救う。十一面観音菩薩、怒りと争いの修羅道の者を救う。准胝観音菩薩(不空羂索観音菩薩)、人道の者を救う。
――
参考文献
大久保正雄「ルネサンス、メディチ家と織田信長」
https://t.co/J6q12oMYUX
織田信長、本能寺の変、孤高の城、安土城、信長の価値観
https://bit.ly/39FAMQc
旅する思想家、孔子、王羲之、空海と嵯峨天皇
https://bit.ly/2zsD05T
密教経典『理趣経』・・・空海と金剛界曼荼羅
https://bit.ly/2H2diKc
旅する哲学者、ソクラテスの戦い ソクラテスの祈り
https://t.co/gW05rsb44i
理念を探求する精神、エンペドクレス・・・古代ギリシアの理想、知恵、勇気、節制、正義は、なぜ失われたのか
https://bit.ly/3sIf3RW
大久保 正雄『ことばによる戦いの歴史としての哲学史 理性の微笑み』 理想社
https://bit.ly/3qv01OA
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2021美術展ベスト10・・・旅する哲学者 美への旅
https://bit.ly/33XYx7Z
2022謹賀新年 蘇る不滅の精神
https://bit.ly/3HmiOCw
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