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2023年4月 3日 (月)

ルーヴル美術館展、愛を描く・・・1、愛の絵画、愛と美の迷宮


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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第321回
文明は滅びても、愛は滅びない。古代ギリシア文化、古代ローマ文化、キリスト教文化、ルネサンス、オランダ黄金時代の画中画の秘密、18世紀ロココ貴族の愛欲、革命の新古典主義、ロマン主義の反逆、19世紀イタリアの婚姻契約。「人間の真の姿がたち現れるのは、運命に敢然と立ち向かう時である」シェイクスピア『トロイラスとクレシダ』「この世は舞台、人はみな役者だ」『お気に召すまま』
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
【古代ギリシアの哲学者、プラトン哲学の蘇り、ルネサンス文化は花開く】
【プラトン『饗宴』】ドラマは、アガトンの悲劇優勝記念の宴に集まる(前416年)。4人(パイドロス、パウサニアス、エリュクシマコス、アリストパネス)が「エロスの神とは何か」を議論する、最後にアガトンがエロスの本質を述べ、ソクラテスがディオティマから教えられた「愛の究極の奥義」を披露し、愛の階梯、魂の美、見えざる魂の美は極美である。究極の美は善である、イデア論を展開する。そこにアルキビアデスが酔って乱入、ソクラテスはギュムナシオンに去る、という対話篇である。メディチ家の思想家、マルシリオ・フィチーノ『饗宴注釈』『プラトン神学』(『パイドン』)を著した。
【ルネサンス、メディチ家のプラトン・アカデミーの夢】1462年コジモは、フィチーノにプラトンの原典とカレッジの別荘を与えた。ロレンツォは1492年43歳で死に、詩人ポリツィアーノは毒殺、ピコも毒殺、フィチーノは1499年死ぬ。ルネサンスの夢は、マニエリスム、バロック、新古典主義、ロマン主義の藝術家によって蘇る。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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1、フランソワ・ジェラール『アモルとプシュケ』1798年
プシュケはある王国の三女であったが 、プシュケはあまりの美貌ゆえに求婚するものが現れず、神託により人身御供に捧げられた。ヴィーナスが美しさに嫉妬して遣わした息子アモルは見惚れ自分の矢で傷つき、アモルによって天上の宮殿に略奪された。アモルを見ることを禁じられたプシュケは、アモルの姿をある夜、見てしまい、アモルを探し求めて世界中を彷徨う。ヴィーナスに4つの苦難を与えられたプシュケ。
【最後の難題は、冥界の女王ペルセポネから、美の函を地獄から持ち帰ること】プシュケはほとんど地上まで持ち帰るが、好奇心に勝てず、開けてしまう。しかしその函には、美のかわりに深い眠りが入っていて、プシュケは深い眠りにつく。プシュケは第4の苦難を解き、他方、アモルはプシュケを探している。眠っているプシュケを見つけ、その矢でついて目覚めさせる。プシュケは、アモルと天上界で結ばれる。
出典は、アプレイウス『黄金の驢馬』、ラ・フォンテーヌ『プシュケとアモルの恋』の終幕、苦難を経て天上で結ばれるアモルとプシュケの場面である。プラトン『パイドロス』の「人間の魂と神の愛の結合」、ラ・フォンテーヌ「永遠の愛を意味する再会」を意味する。新古典主義におけるプラトン主義の思想の表現である。プシュケはギリシア語で魂の意味であり「魂の愛」が秘められた主題である。魂の本質、美を探求するプラトン対話篇『パイドン』『饗宴』につながる、メディチ家のプラトン・アカデミーのテーマである。フランソワ・ジェラールの師、ジャック・ルイ・ダヴィッドはジャコバン派の革命家であり、ギリシア文化を崇敬するフランス革命の象徴的イメージである。

18世紀、ロココ様式の貴族の愛。
2,『ジャン=オノレ・フラゴナール かんぬき 1777-1778頃』
男が女を抱き寄せ、部屋のかんぬきをかけている場面。女性は恍惚としているのか、抵抗しているのか判然としない。画面の周辺に、男性性器の暗示とされる閂、女性性器や処女喪失の暗示とされる壺と薔薇の花、メタファーが鏤められている。乱れているベッド、人類最初の女性であるイヴが楽園から追放される原因となった林檎、様々な解釈ができる絵画。
フランス革命の約10年前に描かれた作品、当時は人々のモラルが変わり、男女の恋愛模様も大きく変わる時代。以降、本作のように男女の恋愛模様や性愛を彷彿とさせる作品は非難されるようになった。18世紀フランスでは、自由や快楽を肯定することが、キリスト教の権威に対する反発や批判に繋がる風潮が流行していた。解釈できない曖昧さが画面に散りばめれている」
3、フランソワ・ブーシェ『アモルの標的』1758年
フランソワ・ブーシェ、ロココ様式の巨匠、ルイ15世王の首席画家、王立絵画彫刻アカデミー院長、。生涯に千枚以上の絵画、百枚以上の版画、約一万枚の素描を制作、壁画装飾、タピスリーや磁器の下絵制作。
ローマ神話、ヴィーナスの息子である愛の神アモル(クピド)が放った矢がハート形をした的を射抜いた場面、愛が生まれた瞬間を描。よく見ると、的の周辺には無数の穴があり、アモルが何回か射的に失敗した。上空を飛ぶアモルは両手に持つ月桂冠を掲る。下部のアモルたちは、もう必要がなくなった弓矢を燃やしている。
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参考文献
『ルーヴル美術館展、愛を描く』図録2023
「ルーヴル美術館展 19世紀フランス絵画 新古典主義からロマン主義へ」2005
「ルーヴル美術館展 18世紀フランス絵画のきらめき」1997
国立新美術館主任学芸員宮島綾子氏の報道内覧会2023における解説。
新古典主義、ダヴィッドと弟子たち・・・「ソクラテスの死」「アモルとプシュケ」
ロマン主義の愛と苦悩・・・ロマン派から象徴派、美は乱調にあり
ルーヴル美術館展 フランス宮廷の美・・・ルイ15世、ロココ様式、フランソワ・ブーシェ、ジャン=オノレ・フラゴナール
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ヴィーナスの歴史、パリスの審判、三人の女神、トロイ戦争、叙事詩の円環・・・復讐劇の起源
アモールとプシューケー エロースと絶世の美女プシューケー
大久保正雄『地中海紀行』第57回P12
ヴィーナスの歴史、パリスの審判、三人の女神、トロイ戦争、叙事詩の円環・・・復讐劇の起源
新古典主義、ダヴィッドと弟子たち・・・「ソクラテスの死」「アモルとプシュケ」
ルーヴル美術館展、愛を描く・・・1、愛の絵画、愛と美の迷宮
https://bit.ly/3U0Hpoh

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ルーヴル美術館展、愛を描く、国立新美術館、3月1日〜6月12日

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