ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ
抽象絵画の起源は、キュビスムとフォーヴィスム、から始まる。と美術史家は言う。
鍵岡リグレ・アンヌ(1987-)、さんに「何を表現しているのですか」と問うた。「Reflection」2023。
抽象絵画で最も有名な作品は何か。キュビスムのピカソ『アヴィニョンの娘たち』1907『マンドリンを持つ少女』1909-1910年、ジョルジュ・ブラック、ポール・セザンヌ『リンゴとオレンジ』1899 オルセー美術館.から始まる。ピカソ『泣く女』1937,『アルジェの女』1955、はキュビスムではないらしい。
フォーヴィスムは、アンリ・マティス『豪奢』1907『帽子の女』1905、アンドレ・ドラン、モーリス・ド・ヴラマンクから始まる。
ルネサンスの遠近法、立体透視図法、などを否定して、キュビスムの多視点・幾何学化する方法はどこがよいのか。
フォーヴィスムの原色を多用した強烈な色彩、粗々しい筆使い、どこがよいのか。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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キュビスムは、「パブロ・ピカソ」と「ジョルジュ・ブラック」によって提唱された絵画表現。どのような絵画表現か、(1)複数の視点から見た物の形を、一つの画面に表す(2)物の形を、立方体、球、円筒、円錐、など幾何学的な形にする。
キュビスムの作品は、ピカソ『アヴィニョンの娘たち』1907『マンドリンを持つ少女』、ポール・セザンヌ『リンゴとオレンジ』。セザンヌは、自然を幾何学化することにより、対象の立体感や、存在感、空間を強調することを試み。キュビスムは、多視点・幾何学化を魅力的な表現(調和した魅力的な構成、物の存在を強調する)の手段としてではなく、多視点・幾何学化するという手段自体が目的。
フォーヴィスムは、20世紀初頭のフランスで発生した前衛運動。1905年、パリの第二回サロン・ドートンヌ展に出品した画家たち、アンリ・マティス『豪奢』1907『帽子の女』、アンドレ・ドラン、モーリス・ド・ヴラマンク。批評家のルイ・ヴォークセルが、その原色を多用した強烈な色彩、また粗々しい筆使いに驚き、「この彫像の清らかさは、乱痴気騒ぎのような純粋色のさなかにあってひとつの驚きである。野獣(フォーヴ)たちに囲まれたドナテロ!」と叫んだ。
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展示作品の一部
フランティセック・クプカ《赤い背景のエチュード》1919年頃 石橋財団アーティゾン美術館【新収蔵作品】
ヴァシリー・カンディンスキー《「E.R.キャンベルのための壁画No.4」の習作(カーニバル・冬)》1914年 宮城県美術館
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モーリス・ド・ヴラマンク《色彩のシンフォニー(花)》1905-06 年頃 石橋財団アーティゾン美術館【新収蔵作品】
© ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo,2023 C4125
ジョージア・オキーフ《オータム・リーフⅡ》1927年 石橋財団アーティゾン美術館【新収蔵作品】© 2023 The Georgia O’Keeffe Foundation/ ARS, New York/ JASPAR,Tokyo C4125
ウィレム・デ・クーニング《一月》1947-48年 石橋財団アーティゾン美術館【新収蔵作品】© 2023 The Willem de Kooning Foundation, New York/ ARS, New York/ JASPAR, Tokyo C4125
ジャン・デュビュッフェ《ピエール・マティスの暗い肖像》1947年 ポンピドゥー・センター、パリ 国立近代美術館/産業創造センター © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo 2023 C4125 Photo ©Centre Pompidou, MNAM-CCI, Dist.RMN-Grand Palais / Philippe Migeat / distributed by AMF
鍵岡リグレ・アンヌ(1987-)、Reflection 2023
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参考文献
ピカソとその時代・・・藝術の探検家、7人の恋人、7つの時代
ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ
http:// mediter ranean. cocolog -nifty. com/blo g/2023/ 06/post -00e373 .html
http://
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ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ、アーティゾン美術館、2023年6月3日~8月20日
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