アグリジェント、神殿の谷・・・コンコルディア神殿、アグリジェントのクーロス
アクラガスの哲学者エンペドクレスは、金冠を戴き、紫色の衣に金のベルトを巻いて、デルポイの花冠を携えて諸都市を巡り歩いた。魂の不死不滅、輪廻転生、万物の四根と魂の宇宙円環の思想をもち、自由と美しい魂を愛した。
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。はちみつ色の夕暮れ、黄昏の丘、黄昏の森を歩き、森の図書館に行く。糸杉の丘、知の神殿。美しい魂は、光輝く天の仕事をなす。美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、あなたを救う。
大久保正雄「旅する哲学者 美への旅」第100回アクロポリスの少女
蘇るアクロポリスの少女、アルカイックの微笑み、二千年の眠り
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』
人生の目標と夢と余暇の趣味を問う人あり。詩には人類の叡智が現れる、静謐で品が善い詩を書き残す。上智は下愚に移らず。
【理念を追求する精神】空海は理念を探求して旅した。空海の24歳の苦悩は『聾瞽指帰』に刻まれている。空海、ロレンツォ・デ・メディチ、プラトン、玄奘三蔵、李白、王羲之、嵯峨天皇、ソクラテス、理念に向かって、旅した人々。理念を追求する人々、この世の闇の彼方に美を求める。
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【アグリジェント、神殿の谷】アグリジェントはかつてアクラガスと呼ばれる古代ギリシアの植民都市だった。南東に70kmほど離れた都市ジェーラ(Gela)とロドス島からの移住者によって紀元前581年に建設されたアクラガスは、競馬の飼育で知られる富める町だった。僭主テロンが支配した最盛期(紀元前488〜472年)には人口20万人にも及ぶ大都市に発展していた(現在のアグリジェントの人口は6万人弱)。この町に生まれた哲学者エンペドクレスは、アクラガス市民は「まるで明日死ぬかのように食べ、永久に生きるかのような家を建てていた」と描写した。
紀元前406年にカルタゴ軍によって破壊されるまでは、市民は相当にゴージャスな暮らしぶりだったらしい。アグリジェント市の南部にはそうした古代都市アクラガスの栄華を感じさせるギリシア神殿群が残る。アグリジェント(Agrigento)の考古学地区、「神殿の谷(Valle dei Templi) 【アグリジェントの神殿の谷】1、コンコルディア神殿。ドーリス式神殿の中で最も保存状態の良い神殿 の一つ。1748年に復元された。2、神殿の谷で最も古い(紀元前6世紀建設)ヘラクレス神殿。3、崖の上にそびえるユノ・ラキニア神殿。4、カストレ•ポルーチェ神殿。5、ゼウス神殿
ヴィラ・アテナ・ホテル コンコルディア神殿の近くにある。
比較美術学、文化は、比較すると、特質が明晰になります。ギリシア人とイタリア人は、美に溺れる。フランス人は、性欲に溺れる。ドイツ人は、権力に溺れる。スペインじんは、情熱に溺れる。日本人は、テクニックに溺れる。精神より様式。伊藤若冲、円山応挙、。精神の美を追求する人は、国と文明を越えて、超一級。
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【アグリジェント州立考古学博物館】博物館の近くには、武骨な煉瓦造りの中世の教会と、ヘレニズム時代(古代ギリシアから古代ローマへの過渡期の時代)と思われる円形劇場の跡。1「アグリジェントの若者(クーロス)」と呼ばれる大理石像。世界でもごくわずかしかない古代ギリシア時代のオリジナル、紀元前5世紀の作。古代アグリジェント(アクラガス)の最盛期に造られた藝術品。2 ジョーヴェ(ゼウス)神殿の遺跡、ジョーヴェ神殿の列柱には、このような巨人像がはめ込まれていた全長7.6メートルの巨人像。
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【人生における目標や夢】人生の目標と夢と余暇の趣味を問う人あり。
あなたの人生における目標や夢は何ですか。仕事は何ですか。余暇には何をしますか。
仕事は『美とは何か』、人の魂を救済する『慈悲とは何か』、『至高の叡智とは何か』『真実の愛とは何か』を研究すること。
ギリシア人とイタリア人は、美に溺れる。フランス人は愛欲に溺れる。スペイン人は、情熱に溺れる。ドイツ人は、権力に溺れる。日本人は、テクニックに溺れる。
私の趣味は、美しい森と海辺を散歩すること、美しい本を読むこと、美術を見ること、著作活動すること、詩を書くこと、友人とコンサートの後、宴をすること。精神の美を探究すること。『旅する哲学者、美への旅』というブログ書いている。
余暇の仕事として「お金と地位では買えない価値とは何か」を探求すること。次の旅の目的地を研究すること。アグリジェントの神殿の谷、コンコルディア神殿、アグリジェント州立博物館。
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『比較宗教学研究』プラトン哲学と空海、哲学史、密教学、古代ギリシア語、古典サンスクリット語、美術史、図像学、多数の学問を要する。
私の夢の一つは、「真実の愛」を探求する。美しい魂を探求すること。
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参考文献
理念を探求する精神・・・ギリシアの理想、知恵、勇気、節制、正義、美と復讐
理念を探求する精神・・・ギリシアの理想、知恵、勇気、節制、正義、美と復讐
ヴィーナスの歴史、パリスの審判、三人の女神、トロイ戦争、叙事詩の円環・・・復讐劇の起源
ロワールの古城めぐり・・・フランソワ1世とルネサンス
「ミケランジェロと理想の身体」・・・孤高の藝術家、ミケランジェロ、生涯と藝術
孤高の藝術家、ミケランジェロ・・・メディチ家の戦いと美の探求、プラトンアカデミー
大久保正雄「旅する哲学者 美への旅」第100回アクロポリスの少女
蘇るアクロポリスの少女、アルカイックの微笑み、二千年の眠り
宗教の謎、国家と宗教の戦い、第1巻、ギリシアの神々、ローマ帝国、秦の始皇帝、漢の武帝、飛鳥、天平、最澄と空海
宗教の謎、国家と宗教の戦い、第2巻、アカデメイア、ルネサンス、織田信長
アグリジェント、神殿の谷・・・コンコルディア神殿、アグリジェントのクーロス
http:// mediter ranean. cocolog -nifty. com/blo g/2025/ 03/post -f6d967 .html
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http://
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【ルネサンス復讐劇の起源】王を弟が殺人、王権を奪う、王の亡霊が真実を告げる、王子ハムレットが復讐を誓う、劇中劇で真実を解明、権力の相続争い、王妃の不義密通、一族の殺し合い、王家舞台の殺人。シェイクスピア『ハムレット』の原型
【セネカ『テュエステス』】源泉はギリシア悲劇アトレウス王家、兄アトレウスと弟テュエステス、テュエステスがミケナイ王になったという知らせを聞いたアトレウスの息子アガメムノンは、スパルタ王デュンダレオスの力を借りるためスパルタへやってきた(『アガメムノン』)。【アトレウス王家5世代の殺戮】1・タンタロス · 2・ペロプスとニオベー · 3・アトレウスとテュエステス · 4・アガメムノン · 5・エレクトラとオレステス. その後のオレステスはクリュタイムネストラに復讐、アガメムノンの雪辱を晴らす。
【アトレウスは弟に復讐、テュエステスに食わせた】(アポロドロス)『摘要第2章』アトレウスは、妻が弟テュエステスと姦通したのを知り、テュエステスの3人の児をひそかに殺しその身体を煮て、テュエステスに食わせた。
【なぜ、弟は兄に謀反し殺害するのか】『ハムレット』レイアティーズ、ハムレットの父を殺し、ガートルードと姦通する。『テュエステス』テュエステスはミュケナイの王位をめぐり、姦通と偽誓によって兄であるアトレウスを陥れ、アトレウスは妻と姦通したテュエステスを許すことができず、和解と称して呼び戻し、テュエステスの子供たちを殺してテュエステスの食卓に饗した。テュエステスは喜んで食べ尽し、アトレウスの悪行のために太陽は進路を変えた。
【なぜ、弟は兄に謀反、復讐されるのか】『テンペスト』プロスペローはミラノ大公であったが、学問に没頭、弟アントニオに公爵位を奪われる。弟はナポリ王アロンゾに臣従し兄と娘ミランダを孤島に島流し。12年孤島籠城の兄はナポリ王と弟一行の船を魔術で難破させる。
【エウリピデス『オレステス』BC408】
アポロンは、オレステスにはアテナイで裁判を受け、ヘルミオネと結婚すると予言。そしてピュラデスにエレクトラを娶るように命じる。アポロンは「二人のこれからの人生は幸せが続く」と予言する。
アポロンは、オレステスにはアテナイで裁判を受け、ヘルミオネと結婚すると予言。そしてピュラデスにエレクトラを娶るように命じる。アポロンは「二人のこれからの人生は幸せが続く」と予言する。
エウリピデス『オレステス』は、ギリシア悲劇の極限であり、到達点である。『オレステス』は悲劇であるが、苦悩するオレステスは、苦難の後、アポロンによって救済され、幸福の予感のうちに、劇は終わる。エウリピデス劇は、波瀾にみちた複雑な展開、激情的な人物、窮地に陥った人々を、神が現れて救う機械仕掛けの神(デウス・エクス・マーキナー)が用いられる、メロドラマ的大衆性を帯びる。
『オレステス』は、エウリピデスがマケドニアに旅立つ前、紀元前408年、アテナイで最後に書いた悲劇である。エウリピデスは2年後に異郷の地で死に、再びアテナイに帰ることはなかった。
大久保正雄『地中海紀行』第47回ギリシア、愛と復讐の大地1P22
旅する詩人、エウリピデス ギリシア悲劇の極致
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『トロイ』(2004年 監督ウォルフガング・ぺーターゼン 主演ブラッド・ピット)
紀元前1100年。繁栄を誇るトロイ市は、ギリシャ諸国の征服の対象だった。トロイ王プリアモスにはヘクトール、ポリドロスそしてパリスと3人の王子がいた。パリスは父を説いて平和使節としてギリシャへ向かった。だが途中、嵐にあったパリスはスパルタ海岸に漂着した。パリスを救い、かくまったのはスパルタ王メネラウスの妃ヘレンだった。パリスがスパルタの王宮を訪れたとき、宮廷ではトロイ攻撃の軍議の最中だった。アガメムノン、オデュッセウスなどの顔もみえ、パリスは身分を証明するため勇将エイジャックスと拳闘の試合をして彼を破った。しかし平和への熱意は認められず、パリスは檻禁された。これはパリスへのヘレンの秘かな愛情をメネラウス王が嫉妬したためでもあった。ヘレンはパリスを救い出しトロイへ去ったが、怒ったメネラウス王はトロイ征服の兵をおこした。
紀元前1100年。繁栄を誇るトロイ市は、ギリシャ諸国の征服の対象だった。トロイ王プリアモスにはヘクトール、ポリドロスそしてパリスと3人の王子がいた。パリスは父を説いて平和使節としてギリシャへ向かった。だが途中、嵐にあったパリスはスパルタ海岸に漂着した。パリスを救い、かくまったのはスパルタ王メネラウスの妃ヘレンだった。パリスがスパルタの王宮を訪れたとき、宮廷ではトロイ攻撃の軍議の最中だった。アガメムノン、オデュッセウスなどの顔もみえ、パリスは身分を証明するため勇将エイジャックスと拳闘の試合をして彼を破った。しかし平和への熱意は認められず、パリスは檻禁された。これはパリスへのヘレンの秘かな愛情をメネラウス王が嫉妬したためでもあった。ヘレンはパリスを救い出しトロイへ去ったが、怒ったメネラウス王はトロイ征服の兵をおこした。
トロイとスパルタの間で和平が結ばれた宴の席で、トロイの王子パリスはスパルタの王妃ヘレン(ダイアン・クルーガー)と恋に落ち、二人は駆け落ちしてトロイの城に戻る。スパルタの王メネラオスは激怒して兄アガメムノンに訴える。アガメムノンはトロイを征服する絶好の機会だと考え、ギリシアの大軍を率いてトロイに侵攻。勇者アキレス(ブラッド・ピット)は気が進まなかったが親友オデュッセウスの勧めもあり、従兄弟パトロクロスと共にギリシア軍の戦闘に立って戦う。
ギリシア神話の中に登場する「トロイ戦争」。神話や叙事詩上のストーリーであって現実の世界ではなく、登場人物(ギリシア神話に馴染みない人間には固有名詞がややこしい)もまた神々や英雄なのだが、本作は彼等を「人間」として描いている。『Uボート』(81)で注目され、ハリウッドに迎えられてからは商業映画のヒットメイカーとした活躍したドイツ人監督ウォルフガング・ペーターゼン(去年逝去)が監督を担当しブラッド・ピットが主役を務めた。オールスターキャストでエリック・バナ、オーランド・ブルーム、大ベテランのピーター・オトゥール他の出演。ヒロインのダイアン・クルーガーは『イングロリアス・バスターズ』(08)でもブラッド・ピットと共演。
最初の戦いはアキレスらの活躍によりギリシア軍優勢。パリスの従姉妹ブリセイスはアキレスに囚われ本来奴隷にされる所だが、やがてアキレスに惹かれていく。それに怒ったアガメヌノンとアキレス間は険間になり、アキレスは次の戦いに参戦しない事を決意。パリスは民衆を戦いに巻き込まない為メネラオスとの一騎打ちで決着つけようとする。しかし戦闘経験が少ないパリスはメネラオスの敵でなく、劣勢に立たされた弟を見兼ねて兄ヘクトル(エリック・バナ)が助太刀してメネラオスを殺した。これによってギリシア軍とトロイとの全面戦争は避けられない物に。戦功を挙げる好機なのに腰を挙げないアキレスに痺れを切らしたパトロクロスは…。
有名な「トロイの木馬」シーンは登場するけど、他は本作オリジナルのシチュエーションらしい。スパルタ王妃とトロイ王子の不倫関係が全面戦争に発展するのは確かに分かり易いが、スぺクタル史劇の割には安ぽいな…と思わぬでもない。戦争と愛が対立構造で描かれており、前述の不倫愛のみならず兄弟愛、普通の男女愛、従兄弟同士の同性愛?がフィーチャー。誰にも支配されず自分を貫くアキレスのキャラは立っているけど、ラストシーンの凡庸さには呆れてしまった。神話ではなく人間ドラマにするとこんなになっちゃった…という事になるのかもしれないが、ブラッド・ピット目当てに観た人は絶対ガッカリする。ヒット作だが面白くない。
作品評価
(ブラッド・ピットは本心から出演したのではないのでは…という疑問符が公開当時に出ていたらしいが、俺も同感だ。彼だけは人間ではなく伝説的なスーパーヒーローとして描いた方がベターだったのでは? ダイアン・クルーガーとの再共演はブラット・ピットの希望だった?)『原達也の映画日誌2025』
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