吉野直子

2011年3月10日 (木)

吉野直子ハープコンサート・・・水仙の花が香る夜

Yoshino_201102大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
水仙の花香る春の宵、上野に行く。美術倶楽部の友人たちとコンサートに行く。
ハープは、アポロンの竪琴、少年ダヴィデの竪琴、エジプトのハープ、正倉院の箜篌、他、古代からある撥弦楽器で優雅な響きがある。「音をすき間なく埋めていくのが西洋音楽。これに対して日本の音楽はなにもない空間に音を置いていく。そのどちらでもない中東の音楽がマヤーニである。」
演奏会の後「つばめグリル」上野レトロ館にて春の宴、ボルドーの赤ワインを飲み帆立貝、佐呂間湖の牡蠣を食べ歓談する。
■吉野直子
私が初めて聴いた吉野直子の演奏は、グリエール『ハープ協奏曲』1992年である。ハープの艶麗な音色と強い響きに感銘を受けた。以後数十回、吉野直子のハープを聴いている。
「吉野直子、ギドン・クレーメル、デュオ・コンサート」(1996年5月27日、紀尾井ホール)は強烈な印象で余韻が残るコンサートだった。天才クレーメルのバッハ「シャコンヌ」切り裂くような音、背筋が凍るような鬼気と吉野直子のハープの芳醇な調べと響きが、対照の妙をなして、天上界の調べのような音楽会である。その他、思い出に残るコンサートは、
グリエール『ハープ協奏曲変ホ長調 Op.74』松尾葉子指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団、新日鉄コンサート収録。
ヘンデル『ハープ協奏曲変ロ長調 Op.4-6』ベルリンフィル・ヴィルトゥオーゾ、サントリーホール。
モーツァルト『フルートとハープのための協奏曲ハ長調』フルート、J.P.ランパル、モーストリーモーツァルト・オーケストラ、オーチャードホール、1994年8月。
ロドリーゴ『アランフェス協奏曲』ハープ版、現田茂夫指揮、新星日本交響楽団、サントリーホール1995年1月8日。
■東京文化会館レクチャーコンサート≪祖国への愛≫シリーズ第5回
「ハープ諸国めぐり」ナビゲーター&ハープ 吉野直子、2011年3月4日(金)
曲目
J.L.ドゥシェク:ハープのためのソナタ ハ短調
G.フォーレ:塔の中の王妃 Op.110
B.ブリテン:ハープのための組曲 Op.83
N.ロータ:サラバンドとトッカータ
M.グランジャニー:コロラド・トレイル Op.28
C.サルツェード:夜の歌
細川俊夫:回帰Ⅱ~ハープ独奏のための~
A.マヤーニ:トッカータ
G.ピエルネ:アンプロンプチュ・カプリース[奇想的即興曲]
(アンコール)アンリエット・ルニエ:いたずら子鬼の踊り
★「地中海のほとりにて」記事ご参照下さい。
ヘンデル『ハープ協奏曲』、天上の調べに酔う
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_3fa5.html
「吉野直子コンサート」フィリアホール
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_e48c.html

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2007年12月19日 (水)

吉野直子、ヘンデル『ハープ協奏曲』、天上の調べ

Yoshinosrcr2066Yoshinonaoko030520大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
ハーピスト吉野直子のコンサートを15年ほど前からよく聴きに行く。日本が世界に誇るハーピスト。クリスマスコンサートを青葉台フィリアホールで例年行う。
私の好きな曲は、ヘンデル『ハープ協奏曲変ロ長調』、モーツァルト『フルートとハープのための協奏曲ハ長調K.299』。
ハープ(harp)の起源は古く、紀元前4000年エジプトといわれている。最古の楽器の一つ。古代ギリシアには、竪琴(リュラ)、キタラがあった。中国には、箜篌(くご)があり、正倉院御物に伝承している。
現在のグランドハープ、コンサートハープは、弦は47弦あり、7オクターブの音域がある。イタリア語、スペイン語でハープのことをアルパ(arpa)という。
最初の『ハープ協奏曲』は、ヘンデル作曲。ヘンデル『ハープ協奏曲』は、純粋な美しさに満ちあふれた天上の調べに酔うことができる。
バッハをハープで弾いた演奏もある。様相が一変し、芳純で甘美な名演奏。
2枚のディスクがお奨めである。是非、お聞き下さい。

★吉野直子『ハープのための協奏曲集』SONY SRCR-9163
 G.ヘンデル「ハープ協奏曲 変ロ長調 Op.4-6」
 J.ダマーズ「ハープと弦楽合奏のためのコンチェルティーノ」
 C.ドビュッシー「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」
 E.パリシ=アルヴァース「ハープと室内オーケストラのためのコンチェルティーノ Op.34」
★吉野直子『バッハ・アルバム』SONY SRCR-2066
 J.S.バッハ「パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV.825」
 J.S.バッハ「イギリス組曲 第2番 イ短調 BWV.807」
 J.S.バッハ「イギリス組曲 第3番 ロ短調 BWV.814」

吉野直子HP http://www.naokoyoshino.com/j/cd.html

下記参照。『地中海のほとりにて』
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_e48c.html

一般企業と同じように、教育機関においても、血まみれの競争に明け暮れている。一歩、足を踏み誤まると、生命の危険がある。ハープの音色は、地獄のような戦いの日々に、一時の美と安らぎをもたらしてくれる。

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2007年11月23日 (金)

「吉野直子コンサート」フィリアホール・・・クリスマス・コンサート

Yoshinonaoko大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
吉野直子のクリスマス・コンサートを、フィリアホール(青葉台)で毎年聴くのを楽しみとしている。
吉野直子(harpist)を初めて聴いたのは、吉野直子と新日本フィルハーモニー交響楽団による、グリエール『ハープ協奏曲』、新日鉄コンサート(ニッポン放送、収録のためのコンサート)。流麗で強靭な演奏に深くひき込まれる。藤原真理(チェロ)の演奏と同時に行われ1992年3月頃のことである。
次に、吉野直子(hp)とベルリンフィル・ヴィルトゥオーゾで、ヘンデル『ハープ協奏曲』をサントリーホールにて1993年に聴いた。これはCD化されている。1994年、夏の終わりに、吉野直子(hp)とランパル(フルート)モーストリー・モーツアルト管弦楽団で、モーツアルト『フルートとハープのための協奏曲ハ長調』を聴いた。ヘンデル『ハープ協奏曲』は天上の調べのように、夏の爽やかな高原の空気を感じる。論文を書く夏の朝に聴くのに相応しい曲である。
1996年5月27日、吉野直子+ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)デュオ・コンサート、紀尾井ホールにて、聴いた。天才クレーメルの鬼気迫るバッハ「シャコンヌ」の切り裂くような音と吉野直子のハープの芳醇な調べと響きが、対照の妙をなして繊細な音楽会だった。これは一部CD化。以後、吉野直子のハープを聴きつづけている。
人間は根源的に孤独であり、孤立感を感じる。人間は孤独であるゆえに、ことばによって人とのつながりを感じたいと思う。人は寂寥感ゆえに藝術によって個の壁を越えたいと思う存在である。音楽を聴くことによってつかの間ひと時、癒しがたい現実の亀裂、個の苦悩を忘れることができる。2007/11/23Yoshino07

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