哲学

2023年12月28日 (木)

プラトン哲学の戦い アカデメイア派対ペリパトス派、ローマ帝国、普遍論争、ルネサンス、フランス革命

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第352回
メディチ家のプラトン・アカデミーと反ルネサンスの戦いの歴史は、今も続いている。形而上学は『純粋理性批判』(1781)によって解体された。イデア論の困難はプラトン『パルメニデス』に予見されている。
「ヨーロッパの哲学的伝統はプラトンへの一連の脚注から成り立っている」ホワイトヘッド『過程と実在』1929。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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1
【プラトン哲学の戦い】【プラトン哲学とアリストテレス哲学のディレンマ】プラトン哲学は本質主義であり、精神主義。アリストテレス哲学は個体主義(物質主義であり、経験主義。【方法論】プラトン哲学『パイドン』は「現象をエイドスにおいて観る」、アリストテレス哲学『自然学』は「現象を救う」【論争、矛盾】プラトン『パルメニデス』「個と個を眺めて共通点を見出し、エイドスを求める。第三のエイドスが現れ無限背進に陥る」アリストテレス『形而上学』「定義(ホリスモス)はエイドスについてのみ成り立つ」
【哲学者の死 ソクラテス(BC469-399)70歳、プラトン(BC 427-347)74歳、アリストテレス(BC 384-322)62歳】【ソクラテス以前の哲学者】タレス(BC624-546)、ピュタゴラス(BC6C)、パルメニデス(BC544-501)、ヘラクレイトス(BC540)、エムペドクレス(BC493-423)、デモクリトス(BC460-370)、アナクシマンドロス(BC670-546)、アナクシメネス(?-BC525)、アナクサゴラス【ソフィスト】プロタゴラス(BC500-430)、ゴルギアス(BC496-376)
アリストテレス『第一哲学』の分裂
【アリストテレス『第一哲学』「ある」ト・オンの第一原因を探究する】「ある」ト・オンは、カテゴリアイ(述語)について多義的に語られる『カテゴリアイ』。事物の何であるか、「実体」を主語に語られる。「存在とは何か」「第一原因」を問うことは、「実体とは何か」を問うことに帰一。『形而上学』第7巻「実体論」は、「本質」と「離存」を実体の二要件として、「形相」こそが「第一実体」と結論する。「個」「基体」は第二実体である。第12巻「神学」、第一の不動の動者、質料をもたない完全現実態(エンテレケイア)としての「神」を論述。だが、アリストテレスは存在探究の第一原因に神を求めながら、神を原理とする哲学体系を構築しない。出隆『アリストテレス哲学』『形而上学』G.E.R.ロイド『アリストテレス』
【プラトン哲学とアリストテレス哲学の対立】1,方法論、「ロゴスにおいて考察する」(エン・トイス・ロゴイス・スコペイン)プラトン『パイドン』、「ソーゼイン・タ・パイノメナ(現象を救う)」アリストテレス『自然学』『形而上学』、2,存在論「生成消滅するものと存在するものとの対比」「変化するものと不変のものとの対比」プラトン『パイドン』『国家』『パイドロス』『饗宴』『パルメニデス』、「四原因論、本質、質料、始動、目的」アリストテレス『自然学』『形而上学』、「実体とは個物(トデ・ティ)である」「実体とは基体(ヒュポケイメノン)である」アリストテレス『形而上学』『カテゴリアイ』、3、イデア論、「第3人間論」プラトン『パルメニデス』、イデア論に対するアリストテレスの批判。アリストテレス『形而上学』、20世紀アリストテレス主義=中期プラトン哲学否定説=GEL.Owenアリストテリアン・ソサエティ
【古代ギリシア懐疑主義の出発点】懐疑主義(ホイ・スケプティコイ)は、教義主義(ホイ・ドグマティコイ)を論敵とし、考察(スケプシス)、探求を停止させる元凶として批判した。判断保留(エポケー)して無動揺・平静・安心(アタラクシア)に至ろうとした。古代ギリシア懐疑主義の出発点、書物を書かなかったピュロン(BC365-270)の弟子ティモン(BC325-235)は判断中止(エポケー)によって無動揺・平静・安心(アタラクシア)に至ることを説き、生活、実践した。【アカデメイア派の懐疑主義(スケプティコイ)化】
アルケシラオス(BC315-240)は、プラトン初期対話篇、『パルメニデス』イデア論批判、『テアイテトス』知識の定義の挫折によって判断留保を説く。ゼノン(BC335-263)が創設したドグマティスト学派、ストア派を論駁した。
【アカデメイア派とストア派の論戦、100年BC3C-2C】
アカデメイア派のアルケシラオスとカルネアデス(BC214-129)とストア派のクリュシッポス(BC280-207)
【ヘレニズム諸学派、物質主義と経験主義】
【ストア派の認識】物質的な魂の統括的部分が感覚的に受ける物質的変容=表象、現れ(パンタシアー)であるとした。表象に対して、同意・承認(シュンカタテシス)を行う。虚偽を避け、真理を得るために、真理の基準(クリテリオン)を必要とする。ストア派は、知識構築の土台の基準として把握的表象(カタレープティケー・パンタシア)とした。把握的表象を承認することによって把握(カタレープシス)が成立する。
【アカデメイア派のストア派に対する批判】把握的表象についても、真実の表象と虚偽の表象が存在する。判断留保(エポケー)しなければならない。
【ストア派のアカデメイア派に対する反論】ストア派の賢者は、把握的表象のみを承認し、それ以外の判断を留保する。【アカデメイア派のストア派に対する批判】真なる信念としてなにかを知ることは不可能だとするアカデメイア的懐疑論。
【ピュロン主義、懐疑主義の300年】アイネシデモス(1C)は、アカデメイア派を離れ、ピュロン主義の名のもとに、【懐疑主義の10の方式】懐疑主義の10の方式(トロポス)を導入した。方式(トロポス)とは、対立する現れを提示し、現れ双方の信憑性が等しく、優劣がつかないことを示すことを示すことによって、判断留保に導く議論の方法である。現れの対立を、動物の種類、人間、感覚器官、状況、等、10の条件に基づいて10の方式を体系的に示した。
【『ピュロン主義哲学の概要』セクストス・エンペイリコス】(Σέξτος Ἐμπειρικός: Sextus Empiricus, 2世紀~3世紀)は、ローマ帝国期ギリシアの懐疑主義。セクストスは、信念を放棄すること、すなわち何かを知ることができるかどうかという判断を停止することを提案する。判断停止することによってのみ、我々はアタラクシア(心の平安)を得ることができる。セクストスは知識そのものの可能性を否定することはしない。真なる信念としてなにかを知ることは不可能だとするアカデメイア的懐疑論の立場をセクストスは批判する。
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プラトン哲学の戦い
2
【神々の黄昏、プラトン哲学とローマ帝国との戦い】
新プラトン主義【プロティノス『エンネアデス』301】プロティノス(205-270)の弟子ポリュフュリオス(『プロティノス伝』)が編集、シリア派の新プラトン主義イアンブリコス(プラトン哲学とアリストテレス哲学の一致を目指すローマ期ポリュフュリオスの弟子であった)に思想的対決するため、プロティノスの死後30年、ポリュフュリオスはプロティノス全集を公刊に踏み切った。ピュタゴラス・プラトン派は「書かれた文字」への不信のゆえ、ポリュフュリオスは弟子に勧められて49歳から著述を始めた。
【プロティノスの思想】【三つの原理】一者(ト・ヘン)→知性(ヌース)→魂(プシューケー)
【万物の根源】一は万物であり、一つではない。「一」は万物の原理であって、万物と同一ではない。第5巻第2篇。【流出説】運動するものには、そこに向けて動く目的がなければならない。しかし、あの神にはいかなる目的もないのだから、神は運動しないとわれわれは定立するのである。第5巻第1篇。【神秘的合一としての脱我】(第一の観照は)たぶん観照ではないであろう。それは出会いの別の方式であって、いやしくも至聖所にあるものを見ようとするならば、脱我であり、純化であり、自己贈与であり、触れることに身を延ばすことであり、静止であり、合一への精神集中である。
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キリスト教との戦い
ユダヤ教【ナザレ派のイエス】イエスはパレスチナの北方、ガリラヤ湖を中心に広がる地域「ガリラヤ」と呼ぶ地域の出身者である。ガリラヤの中でも小さな田舎町ナザレでイエスは育つ。イエスが律法学者パリサイ派たちと論争している、イエスの聖書知識は抜群 (ルカ2・41~47)
【コンスタンティヌス1世(在位:306年-337年)、313年発布『ミラノ勅令』】【それまでローマ帝国はキリスト教を拒否】コンスタンティヌス1世【キリスト教に好意的であった理由、その改宗の動機は判然とは分っていない】
【コンスタンティヌス1世】(270頃2月27日-337年5月22日)67歳で死す。(在位:306年-337年)、313年発布『ミラノ勅令』】ローマ帝国においてキリスト教を公認したとされる。非正統宗派への弾圧にも初めて手を付けた。325年にキリスト教の歴史で最初の全教会規模の公会議(第1ニカイア公会議)を招集した。この会議とその後の経過によってニカイア派(アタナシウス派)が正統の地位を占めていく
351年、ガッルスは東方のサーサーン朝の脅威に対するため、副帝としてコンスタンティウス2世に登用された。その一方で、ユリアヌスは変わらず勉学に勤しみ、ペルガモンにいたアエデシオス (Aedesius) や、エペソスのマクシムス (Maximus) [注釈 6]など、小アジアの新プラトン主義の大家のもとを訪れている。
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【皇帝ユリアヌス、キリスト教との戦い】皇帝ユリアヌス(331年⁻ 363年6月26日) 『皇帝饗宴』『ガリラヤ人を駁す』『王なる太陽への賛歌』。在位2年。36歳で死す。
コンスタンティノポリスで修辞学を学んだのち、ニコメディアへ留学した。この地で哲学者リバニオス (Libanius) の講義を、間接的にではあるが受けることができ[注釈 5]、ユリアヌスは新プラトン主義の影響を強く受けるようになる。342年、追放地にて、カッパドキアのゲオルギウス (Georgius) の蔵書を用いて勉学に励んでいた。351年、ペルガモンにいたアエデシオス (Aedesius) や、エペソスのマクシムス (Maximus) [注釈 6]など、小アジアの新プラトン主義の大家のもとを訪れている。
【皇帝ユリアヌス、新プラトン主義、】コンスタンティヌス大帝の甥。コンスタンティウス2世により父と母を暗殺される。ニコメディアの哲学者リバニオス (Libanius) 、カッパドキアのゲオルギウス (Georgius) 、ペルガモンにいたアエデシオス (Aedesius) 、エペソスのマクシムス (Maximus) に学ぶ。(331年⁻363年6月26日) 在位2年。36歳で死す。
【皇帝ユリアヌス、新プラトン主義、背教者と呼ぶのは不当である】 (331年⁻ 在位361-363年6月26日) 『皇帝饗宴』『ガリラヤ人を駁す』『王なる太陽への賛歌』。在位2年。36歳で死す。コンスタンティヌス朝の皇帝の一人で、皇帝コンスタンティヌス1世(大帝)の甥。最後の「異教徒皇帝」。異教復興を掲げキリスト教への優遇を改めたため「背教者(Apostata)」とも呼ばれる。皇帝コンスタンティウス2世の陰謀により家族を暗殺された。
【プラトン哲学の戦い、6世紀】【皇帝ユスティニアヌス1世、アテナイのアカデメイア閉鎖】529年、皇帝ユスティニアヌス1世(483-565)は、アテナイのアカデメイア閉鎖を命令。プラトンがBC387年に開いて以來、アカデメイア9百年の歴史が息の根を止められる。
【プラトン哲学とアリストテレス哲学の戦い、14世紀】プラトン哲学は本質主義、アリストテレス哲学は個体主義である【『神学大全』1273】トマス=アクィナスが、キリスト教神学をアリストテレス哲学で解釈、神の存在証明、1270年と死後の1277年、パリ司教の手で異端宣告【普遍論争】トマス・アクィナス(1225年頃⁻1274年)実在論、ウィリアム・オッカム(1285年⁻1347年)唯名論【オッカムの剃刀】「個が唯一の実在、説明されるべきは個体のみ」【神学崩壊】神の存在証明の破綻、個体化の原理の破綻。
【プラトン哲学とアリストテレス哲学の戦い、プラトン哲学のイデアとアリストテレスの個体主義=基体主義】
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【プラトン哲学の戦い、15-16世紀】【ルネサンス、メディチ家とバチカンとの戦い、1439-1499】ルネサンスはなぜ終わったのか。
【ルネサンスの死 1499】1492年、ロレンツォ・デ・メディチ43歳。1478年4月26日、ジュリアーノ・デ・メディチ25歳。アンジェロ・ポリツィアーノ39歳。ミランドラ31歳。フ1499,フィチーノ62歳。1510、ボッティチェリ65歳。1564、ミケランジェロ88歳。
【メディチ家、プラトン・アカデミー、思想家の死1499年】1439、コジモ・デ・メディチ、プラトン・アカデミーを構想。1464、コジモ・デ・メディチ74歳。1492、ロレンツォ・デ・メディチ43歳。1499,フィチーノ62歳。1519年レオナルド・ダ・ヴィンチ66歳。1520年ラファエロ11歳で孤児37歳死す。1564年ミケランジェロ88歳。1600年ジョルダーノ・ブルーノ52歳
【ジョルダーノ・ブルーノ『無限、宇宙と諸世界について』1584】【異端審問、ジョルダーノ・ブルーノ(1546-1600)処刑】【知性と権力】
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【プラトン哲学の戦い、15-18世紀】【理性主義と経験主義の戦い】デカルト『方法序説』1637、ベーコン『新機関』1620ジョン・ロック『人間知性論』1689ジョージ・バークリー『人知原理論』1709デイヴィッド・ヒューム『人性論』1739
【プラトン哲学の戦い、18-19世紀】【カントとドイツ観念論】カント『純粋理性批判』1781、ヘーゲル『精神現象学』1807、フィヒテ『全知識学の基礎』1794シェリング『先験的観念論の体系』1800【生の哲学】『意志と表象としての世界』1819、『ツァラトゥストラ』1885『悲劇の誕生』1872
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【フィヒテ『全知識学の基礎』1794】人間のすべての認識を基礎づける知識学は絶対に確実な認識に依拠しなければならない。「私は存在する」という私の意識(自我)こそがそれである。知る働きと知られる対象とが同じ私だからである。「自我」は三つの契機を含んでおり、それが知識学の三つの根本命題となる。「知識学」の第一原則「自我は根源的・端的に自分自身を定立する」。第二原則〔定立する〕自我に対して端的に非我が反定立される。第三原則「自我は自我の中において、可分的自我に対して可分的非我を反定立する」
【シェリング『先験的観念論の体系』1800】精神(自我)と自然(非我)を超克するには、精神を原理として自然を生み出すか、自然を原理として精神を生み出す。理想と現実、精神と自然の矛盾を超えることができるのは、藝術においてである。赤松元通訳『先験的観念論の体系』蒼樹社
【ヘーゲル『精神現象学』1807】絶対者は精神であり、有限なる者と無限なる者を止揚(Aufheben)した統一者である。絶対精神の自己意識の自己展開の歩みが歴史である。
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参考文献
ルネサンス、メディチ家の戦い
孤高の藝術家、ミケランジェロ・・・メディチ家の戦いと美の探求、プラトンアカデミー
大久保正雄「メディチ家とプラトン・アカデミー イタリア・ルネサンスの美と世界遺産」
メディチ家の容貌、ルネサンスの美貌 理念を追求する一族
ヴィーナスの歴史、パリスの審判、三人の女神、トロイ戦争、叙事詩の円環・・・復讐劇の起源
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宗教の謎、国家と宗教の戦い、第1巻、ギリシアの神々、ローマ帝国、秦の始皇帝、漢の武帝、飛鳥、天平、最澄と空海
宗教の謎、国家と宗教の戦い、第2巻、アカデメイア、ルネサンス、織田信長
プラトン哲学の戦い アカデメイア派対ペリパトス派、ローマ帝国、普遍論争、ルネサンス、フランス革命
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2022年10月10日 (月)

宗教の謎、国家と宗教の戦い、第2巻、アカデメイア、ルネサンス、織田信長

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』292回

国家と宗教の戦い、第2巻。プラトンの学園アカデメイア閉鎖、メディチ家の戦いとプラトン・アカデミー、ルネサンスとローマ教皇庁の戦い、織田信長と比叡山、石山本願寺戦争
【理念を追求する精神】理念を探求する人は、邪知暴虐な権力と戦い、この世の闇の彼方に理想と美を求める。輝く天の仕事を成し遂げる。空海、孔子、織田信長、李白、プラトン。即身成仏、仁義礼智信、武の七徳、桃花流水杳然去、美の海の彼方の美のイデア、存在の彼方の善のイデア。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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1.【神々の滅亡】テオドシウス1世
392年テオドシウス1世は、異教禁止令を発布、異教の供犠と祭式を彈圧する。426年テオドシウス2世(401-450.在位408-450)は、異教神殿破壊令を発布する。これ以後、偉大な古代ギリシアの聖域は、破壊され砂塵の中に埋もれ、19世紀まで1500年の眠りを眠ることになる。
例えば、394年オリュンピア祭典は禁止され393年の祭典が最後となり、デルポイの神託は4世紀以後行なわれなくなる。古代ギリシアの密儀、デイオニュソス、エレウシス、オルフェウスの秘儀がこの地上から姿を消し、再び蘇ることはなかった。
【皇帝ユスティニアヌス1世、アテナイのアカデメイア閉鎖】
529年、皇帝ユスティニアヌス1世(483-565)は、アテナイのアカデメイア閉鎖を命令。プラトンがBC387年に開いて以來、アカデメイア9百年の歴史が息の根を止められる。
かつて4世紀までローマ帝國の下で迫害されたキリスト教は、4世紀以後、異教を彈圧、迫害する。キリスト教による迫害によって、多彩なギリシア文化やオリエントの宗教が歴史の舞臺から姿を消す。偉大なギリシアの文化遺産とギリシアの生ける知の体系が滅ぼされたことは、人類史にとって悲劇であると言わねばならない。
参考文献
神々の黄昏 皇帝テオドシウス 多神教祭儀を禁止。ローマ帝国滅亡。皇帝ユスティニアヌス1世、プラトンのアカデメイア閉鎖。529年*
https://t.co/OSyk6Kzoq3
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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2,神々の復活、ルネサンス メディチ家の戦い、メディチ家とプラトン・アカデミー
【ルネサンス】フィレンツェで1439年から60年間繰り広げられた新プラトン主義の人文主義者たちの思想運動。メディチ家はシクストゥス4世と戦い、ジュリアーノはパッツィ家の陰謀で暗殺、ロレンツォは1492年死に、詩人ポリツィアーノは94年毒殺、ピコ・デラ・ミランドラも94年毒殺、フィチーノは1499年死ぬ。
【メディチ銀行創設】ジョヴァンニ・ディ・ビッチ・デ・メディチ(1360-1429)、父は羊毛商のアヴェラルド・ディ・メディチ(1383年没)。一族の銀行家ヴィエーリ・ディ・カンビオ(1323年⁻1395年)のもとで修業。1397年、ローマから移転、メディチ銀行をフィレンツェに創設。枢機卿バルダッサーレ・コッサ(を支援し、対立教皇ヨハネス23世として即位させた。1410年にはローマ教皇庁会計院の財務管理者となり、教皇庁の金融業務で優位な立場を得て、莫大な収益を手にする。フィレンツェの「正義の旗手」、外交大使なども歴任。建築家フィリッポ・ブルネレスキを支援。
1、ルネサンス、包囲されたフィレンツェ ロレンツォ暗殺の陰謀、フィレンツェ包囲網、対教皇庁戦争(1474-1480)。イタリアの戦国時代。ロレンツォ(1449-1492 1469から当主)は、稀代の戦略家であり教養人である。イタリアの天秤の針。1479ナポリ王フェランテを説得、和平交渉する。
パッツィ家の陰謀(1478)。真の犯人は、フィレンツェに敵対する、戦争好き陰謀家の法王。陰謀家シクストゥス4世(在位1471-1484)の陰謀。銀行家パッツィに命じる。
2、メディチ家とプラトン・アカデミー
15世紀に蘇った哲学はプラトン哲学である。1439年7月6日フィレンツェ公会議で、コジモ・デ・メディチはギリシア人哲学者プレトンの講義をきき、プラトン哲学の奥義に感銘をうけ、「アカデミア・プラトニカ」(プラトン・アカデミー)を構想した。コジモは、1462年マルシリオ・フィチーノにプラトンの原典とカレッジの別荘を与え、プラトン全集の翻訳を依頼した。コジモは1464年に死ぬ。しかしフィチーノは1477年に完成した。ロレンツォ・デ・メディチ(1449-1492)は1492年死に、プラトン・アカデミーの思想家たちは、1498年までに次々と死ぬ。だが、フィレンツェから始まったルネサンスはヨーロッパ文化史に深い影響を与えた。*
アカデミア・プラトニカは「美しい精神をもつ人々の自由な集まり、プラトンに捧げられた集まり」である。*フィレンツェ・プラトン主義の愛と美の哲学はミケランジェロたちルネサンスの藝術家に影響を与えた。「魂の美は、肉体における美より美しい」「魂の眼は肉眼が老いる時やっと輝き始める」*
3、プラトン哲学の奥義
プラトン・アカデミーの思想家が学んだプラトン哲学の奥義は、魂の哲学と美の哲学である。「魂は不死不滅である」。「本質は眼で見ることができない」「本質は心の眼によってのみ見ることができる」。「魂の美が存在する」「魂の美は、肉体における美より美しい」。魂と本質の哲学である。プラトン哲学の影響は、フィチーノ『プラトン神学』『饗宴注解』に顕著である。*
4、ルネサンスの終焉、メディチ家追放、サヴォナローラの死
ロレンツォがピコの助言により招いたサヴォナローラに欺かれ裏切られる。サヴォナローラは、間諜=工作員(死間『孫子』用間編)である。シャルル8世のフィレンツェ侵攻(1494年)を予言。1494年、メディチ家、フィレンツェから追放される。「虚飾の焼却」1498年、ルネサンスの藝術、焼かれる。サヴォナローラ、法王アレクサンデル6世を批判、怒り受け破門。1498年5月23日、シニョーリア広場にて処刑される。16世紀、ミケランジェロのマニエリスムの時代、17世紀、カラヴァッジョのバロックの時代が始まる。マニエリスムの藝術家は、フィグーラ・セルペンティナータ(蛇状曲線)を駆使する。*
孤高の藝術家、ミケランジェロ・・・メディチ家の戦いと美の探求、プラトンアカデミー
https://bit.ly/3aX26KN
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3,理念を探求 五徳、麒麟、天下布武 織田信長と比叡山、石山本願寺との戦い
【本能寺の変と三職推任問題】【明智光秀、計略と策謀の達人】
【比叡山焼討事件】1435年、6代将軍、足利義教が行った比叡山攻撃とその後、根本中堂自焼。延暦寺の有力な僧たちを招き、その席で捕縛し斬首する。1499年、室町幕府の管領(将軍の補佐役)細川政元によって焼討。1571年、織田信長、延暦寺根本中堂焼かず。
【織田信長、石山戦争】元亀元(1570)~天正8(1580)年まで11年間にわたり、織田信長と浄土真宗本願寺勢力とが戦った戦い。「宗教弾圧する権力者・信長」と「権力者に抵抗する本願寺勢力」という構図ではない。本願寺は幕府の勅願寺、幕府からは加賀守護に準ずる地位。百姓の持ちたる国。石山本願寺は、三好三人衆、浅井朝倉、毛利、幕府と政治的関係により、時に信長に敵対する。
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【山科本願寺、細川晴元の戦い】石山本願寺は、元々京都市山科区にあった浄土真宗の寺院「山科本願寺」が細川晴元らによって火を放たれた後、当時大坂にいた浄土真宗の僧侶・証如が、現在の「大坂城二の丸」あたりに山科本願寺にあった仏像などを鎮座したのが始まり。
石山本願寺と細川晴元らの戦いは続き、石山本願寺は、寺領を拡大するとともに城郭建築の技術者を集め城を築く。
【織田信長、石山戦争】本願寺が信長に反旗を翻したのは、権力者への抵抗、信仰上の理由ではなく、畿内を中心とする諸大名との関係のため、突き詰めれば政治的理由による蜂起。信長が義昭を奉じて上洛する際の関係、『顕如上人文案』永禄10(1567)年11月7日「いよいよ上洛されるのはまことにめでたいこと」と挨拶、本願寺法主である顕如は義昭と信長の政権を歓迎。
【伊勢国長島一向一揆(1571,73,74年)】無差別殺戮でおよそ2万人が虐殺され、【越前一向一揆(1580)】1万人以上が討ち取られて壊滅。信長と一向宗との戦い、容赦ない残忍な戦い、それはよくある軍事的作戦であって、一般の民衆は容赦するように命じて指導者のみを処断した。
参考文献
神田千里『信長と石山合戦 中世の信仰と一揆』(吉川弘文館、2008年)
神田千里『宗教で読む戦国時代』(講談社、2010年)
神田千里『織田信長』(筑摩書房、2014年)
神田千里『戦国と宗教』(岩波書店、2016年)
【本能寺の変と三職推任問題】天正10年(1582年)4月25日、5月4日両日付けの勧修寺晴豊の日記『晴豊公記』(天正十年夏記)。 4月、信長を太政大臣・関白・征夷大将軍のいずれかに任ずるという構想が、村井貞勝と武家伝奏・勧修寺晴豊とのあいだで話し合われた(三職推任問題)。「御すいにん候て然るべく候よし申され候」。5月になると朝廷は、信長の居城・安土城に推任のための勅使を差し向けた。信長は正親町天皇と誠仁親王に対して返答した、返答の内容は不明である。6月2日、早暁、明智光秀の本能寺の変が起こる。
【明智光秀、計略と策謀の達人】「その才知、深慮、狡猾さにより信長の寵愛を受けた」「裏切りや密会を好む」「己を偽装するのに抜け目がなく、戦争においては謀略を得意とし、忍耐力に富み、計略と策謀の達人であった。友人たちには、人を欺くために72の方法を体得し、学習したと吹聴していた」ルイス・フロイス『日本史』
参考文献
今谷明『信長と天皇 中世的権威に挑む覇王』、小和田哲男『明智光秀』、ルイス・フロイス『回想の織田信長、ルイス・フロイス「日本史」より』
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参考文献
アカデメイア閉鎖
大久保正雄『地中海紀行』第21回1 P27
神々の黄昏 皇帝テオドシウス 多神教祭儀を禁止。ローマ帝国滅亡。皇帝ユスティニアヌス1世、プラトンのアカデメイア閉鎖。529年*
プラトンは、紀元前387年四十歳の時、アカデメイアの地に學園を設立した。アカデメイア916年の歴史を終焉。
https://t.co/OSyk6Kzoq3
――
ルネサンス、メディチ家の戦い
孤高の藝術家、ミケランジェロ・・・メディチ家の戦いと美の探求、プラトンアカデミー
https://bit.ly/3aX26KN
大久保正雄「メディチ家とプラトン・アカデミー イタリア・ルネサンスの美と世界遺産」
https://t.co/yxlgRpwirV
メディチ家の容貌、ルネサンスの美貌 理念を追求する一族
http://bit.ly/2kSINKR
ヴィーナスの歴史、パリスの審判、三人の女神、トロイ戦争、叙事詩の円環・・・復讐劇の起源
https://bit.ly/3C2fXNP
――
織田信長、理念のための戦い
織田信長、理念を探求する精神・・・美と復讐
https://bit.ly/3ryn9gI
織田信長、天の理念のための戦い。徳姫の戦い・・・愛と美と復讐
https://bit.ly/3MGfJAS
絶世の美女、徳姫、織田信長と徳川家康・・・「美と復讐」第4巻
https://bit.ly/3HjY9zO
「響きあう名宝─曜変・琳派のかがやき─」・・・幻の曜変天目、本能寺の変
https://bit.ly/3UYWOpe
「桃山―天下人の100年」、東京国立博物館、
「桃山―天下人の100年」東京国立博物館・・・室町幕府崩壊、戦国武将、愛と復讐の壮大なドラマ
https://bit.ly/3lDIoIq
「桃山―天下人の100年」2・・・金碧障壁画、織田信長と狩野永徳、秀吉と長谷川等伯
https://bit.ly/31DlCc0
「桃山―天下人の100年」3・・・茶の湯、足利義政、織田信長、今井宗久、千宗易、豊臣秀吉、楽長次郎
https://bit.ly/35ZPK2F
――
宗教の謎、国家と宗教の戦い、第1巻、ギリシアの神々、ローマ帝国、秦の始皇帝、漢の武帝、飛鳥、天平、最澄と空海
https://bit.ly/3xYWHQv
宗教の謎、国家と宗教の戦い、第2巻、アカデメイア、ルネサンス、織田信長
https://bit.ly/3Tcilcj
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2022年9月28日 (水)

宗教の謎、国家と宗教の戦い、第1巻、ギリシアの神々、ローマ帝国、秦の始皇帝、漢の武帝、飛鳥、天平、最澄と空海

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Venezia-2022
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』290回

宗教の謎、国家と宗教の戦い、第1巻、ギリシアの神々、ローマ帝国とキリスト教、秦の始皇帝、漢の武帝、飛鳥斑鳩寺と聖徳太子、東大寺と聖武天皇、最澄と空海。
【政治と宗教】人類の歴史は、人間と国家権力との戦い、思想との戦い、宗教との戦いである。宗教は人を救済することを謳うが、邪教は人をだましカネと権力を略奪する、邪教は教義と思想を偽装する、政治活動、経済活動、軍事力、信者と布教活動、真の目的は何か分析して戦い、敵の最高指揮官を調伏しなければならない。
【邪教に乗っ取られた国】報道特集が入手した内部文書によると、統一教会は2020年までに「国民の宗教」となり、連携する国会議員を362名に増やし、閣僚や総理大臣を選出して最終的には「国を動かす」という目的があった。国家乗っ取り計画。「TBS報道特集」9月24日。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
【政治と宗教】
【東西文化交渉史】ミケーネ文明、ミノア文明とトロイア文明を滅ぼす。紀元前1200年。ミノア文明は、エジプトと交渉した。
ギリシアの神々、エーゲ海文明の戦い、トロイ戦争の叙事詩の円環。

ギリシア人はオリンポスの12神、ゼウスとヘラ。ローマ人はユピテル・ユノーの12神、神々を祀り神殿を築いた。古代人の神々の神話には紀元前2000年のエーゲ海文明の戦いと試練から学ばれた知恵と経験、国家統治の知識が蓄積されている。トロイ戦争の叙事詩の円環は、エーゲ海文明の知恵の結集である。
参考文献
ヴィーナスの歴史、パリスの審判、三人の女神、トロイ戦争、叙事詩の円環・・・復讐劇の起源
https://bit.ly/3C2fXNP
トロイア戦争の始まり 失われた『叙事詩の円環』
https://t.co/JjeYXXOypq
https://en.wikipedia.org/wiki/Epic_Cycle
大久保正雄『地中海紀行』第61回トロイア戦争 パリスの審判P29
岡道男『ホメロスにおける伝統の継承と創造』
城江良知「ガイアの嘆願と『イリアス』」
『キュプリア』によれば、ガイアは、増えすぎた人間の重みに耐えかね,. しかも人間には神 を畏敬する心がまったくなかったため, ゼウスにこの重荷.を軽減してくれるようにと願い出た. ゼウスは同情してまずテーバイ戦争を起こし多数の人間を滅ぼした。・
――
2,ローマ帝国とキリスト教、テオドシウス帝、ユスティニアヌス帝
【テオドシウス帝、キリスト教国教化。異教弾圧】381年、キリスト教国教化。392年、テオドシウス帝は、アタナシウス派キリスト教以外の異教の祭礼と供犠を法的に禁止。この勅令によって、アタナシウス派キリスト教はローマの唯一の宗教、国教。伝統的なローマの神々や、ミトラ教の太陽神信仰等は禁止。393年にローマ領内のギリシアで、ゼウスを主神とするオリンポス十二神の祭礼が行なわれると、神殿の財産を没収して異教禁圧。
381年、第1コンスタンティノープル公会議において、「父と子と聖霊」は本質において同一であるというアタナシウス派の三位一体説を完成させ、キリスト教の正統として確定。
【テオドシウス帝、アタナシウス派】皇帝テオドシウス帝は、380年に、当時は分割統治だったので、他の二人の皇帝(グラティアヌス帝とウァレンティニアヌス帝との「三帝勅令」として、まずキリスト教の国教化を定めた。翌381年に開催された第1コンスタンティノープル公会議において、「父と子と聖霊」は本質において同一であるというアタナシウス派の三位一体説を完成させ、キリスト教の正統として確定。
【テオドシウス帝、異教弾圧、オリンピア競技会の終わり】キリスト教国教化に伴い、393年にローマ領内のギリシアで、ゼウスを主神とするオリンポス十二神の祭礼が行なわれると、神殿の財産を没収して異教禁圧への断固とした姿勢を示した。これに伴いギリシアの古代オリンピア競技会も終わりを告げた。
ユスティニアヌス帝、アカデメイア閉鎖【ラヴェンナ、サン・ヴィターレ聖堂、「ユスティニアヌス1世と随臣」「皇妃テオドラと侍従」】【異教弾圧】529年にアテネのアカデメイアがユスティニアヌスの命令によって国家の管理下に置かれた。このヘレニズム教育機関の事実上の閉鎖がおそらく最も有名な事件。多神教は積極的に弾圧された。小アジアだけで7万人の多神教徒が改宗したとエフェソスのヨハネスは述べている。

参考文献
神々の黄昏 皇帝テオドシウス 多神教祭儀を禁止。ローマ帝国滅亡。皇帝ユスティニアヌス1世、プラトンのアカデメイア閉鎖。529年*
https://t.co/OSyk6Kzoq3
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3,中国帝国史と儒教
【国家と宗教】秦の始皇帝、嬴政、紀元前213年、焚書、212年、坑儒、焚書坑儒、儒学弾圧。紀元前2世紀、漢の武帝、儒教国教化、五経博士。董仲舒献策。6世紀、官僚採用試験、科挙の四書五経教科目となる。科挙:中国、隋の文帝の587年ごろから清朝末期の1904年まで
科挙:中国、隋の文帝の587年ごろから清朝末期の1904年まで、行われた高級国家公務員資格の認定試験制度。
参考文献 堀敏一『中国通史』2000 講談社学術文庫 p.116
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4,日本思想史、国家権力と仏教
【大王の権力の源泉】
天皇の起源【大王、権力の源泉、殺人事件】丁未の乱、物部守屋一族殺害、馬子と厩戸皇子。山背大兄皇子一族殲滅、皇極天皇と軽皇子。乙巳の変、中大兄皇子と中臣鎌足、蘇我入鹿殺害。蘇我蝦夷自刃。壬申の乱、天智の弟、大海人皇子は大友皇子を死に追いつめ。天武として即位。
飛鳥と仏教
【聖徳太子、皇位継承権を持つ権力者、斑鳩寺】丁未の乱587年、物部守屋一族殺害、蘇我馬子と厩戸皇子。崇峻天皇暗殺592年。推古天皇、厩戸皇子、蘇我馬子の権力、四天王寺、斑鳩寺、飛鳥寺。厩戸皇子、病死。
白鳳の仏教
【天智と天武天皇】
山背大兄皇子一族全滅643年、皇極天皇と軽皇子。乙巳の変645年、中大兄皇子と中臣鎌足、蘇我入鹿殺害。蘇我蝦夷自刃。壬申の乱672年、天智の弟、大海人皇子は大友皇子を死に追いつめ自刃。天武として即位。記紀編纂を命じる。『日本書紀』天武の壬申の乱を記せず。
天平の仏教
【東大寺、聖武天皇、光明皇后、孝謙女帝】
東大寺大仏開眼供養、752年(天平勝宝4)4月9日、孝謙女帝、聖武太上天皇、光明皇太后。
孝謙女帝、天平勝宝9年(757年)橘奈良麻呂の変、764年(天平宝字8)9月恵美押勝(藤原仲麻呂)の乱。
延暦の仏教
【桓武天皇と最澄と空海】
桓武天皇、藤原種継射殺事件、早良親王謀反、延暦4年(785)9月24日、伊予親王謀反807年。延暦23(804)年、遣唐使、最澄と空海、入唐。延暦25(806)年、空海帰国。
弘仁貞観の仏教
【嵯峨天皇と空海】
平城上皇の乱810年、平城上皇と藤原薬子、嵯峨天皇に反乱。嵯峨天皇、征夷大将軍、坂上田村麻呂によって、平城上皇の乱を鎮圧。空海を、乙訓寺、別当、高雄山寺、別当に任じる。最澄、空海から胎蔵界灌頂を受ける。空海『灌頂暦名』。823年、空海、嵯峨天皇より、東寺を賜る。835年、空海、入定。
――
参考文献
ヴィーナスの歴史、パリスの審判、三人の女神、トロイ戦争、叙事詩の円環・・・復讐劇の起源
https://bit.ly/3C2fXNP
トロイア戦争の始まり 失われた『叙事詩の円環』
https://t.co/JjeYXXOypq
https://en.wikipedia.org/wiki/Epic_Cycle
大久保正雄『地中海紀行』第61回トロイア戦争 パリスの審判P29
神々の黄昏 皇帝テオドシウス 多神教祭儀を禁止。ローマ帝国滅亡。皇帝ユスティニアヌス1世、プラトンのアカデメイア閉鎖。529年*
https://t.co/OSyk6Kzoq3
――
聖徳太子と法隆寺、#東京国立博物館 
https://bit.ly/3kVnJSX
聖徳太子と法隆寺、東京国立博物館・・・法隆寺の謎、厩戸皇子の謎
https://bit.ly/3yCIpDo
聖徳太子と法隆寺、東京国立博物館・・・美術史の謎、飛鳥、白鳳、天平
https://bit.ly/2XE6s7q
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「最澄と天台宗のすべて」1・・・比叡山延暦寺、最澄と空海
https://bit.ly/2XDvTGt
「最澄と天台宗のすべて」2・・・比叡山、嵯峨天皇、慈円、鎌倉仏教、織田信長、覚恕、天海
https://bit.ly/3EkHqKn
「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」・・・空海、理念と象徴
https://bit.ly/3fyOaYF
東寺『金剛界曼荼羅』『胎蔵界曼荼羅』西院本・・・知恵と戦いの叙事詩、生命の根源
https://bit.ly/315UPn8
「密教彫刻の世界」・・・愛染明王、金剛薩埵の化身
https://bit.ly/2WNIoNt
空海の旅 旅する思想家、美への旅
https://t.co/HPPpp3e5iL
旅する思想家、孔子、王羲之、空海と嵯峨天皇
https://bit.ly/2zsD05T
――
「出雲と大和」東京国立博物館、日本書紀成立1300年
「出雲と大和」東京国立博物館・・・大海人皇子、大王から天皇へ
https://bit.ly/2ReO0wz 
――
宗教の謎、国家と宗教の戦い、第1巻、ギリシアの神々、ローマ帝国、秦の始皇帝、漢の武帝、飛鳥、天平、最澄と空海
https://bit.ly/3xYWHQv

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2021年8月24日 (火)

理念を探求する精神・・・ギリシアの理想、知恵、勇気、節制、正義、美と復讐

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大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第252回

【理念を追求する精神】理念を探求する人は、邪知暴虐な権力と戦い、この世の闇の彼方に理想と美を求める。輝く天の仕事を成し遂げる。
古代ギリシアの理想はなぜ失われたのか。古代ギリシアの徳、知恵、勇気、節制、正義はなぜ失われたのか。
【古代の偉大な思想家、エンペドクレス】古代の哲学者、医者、詩人、政治家。アクラガス出身。ピタゴラス学派に学びパルメニデスの教えを受けた。自由精神を重んじ、権力に屈しなかった。金冠を頭に戴き、紫色の衣に金のベルトを巻いて、デルポイの花冠を携えて諸都市を巡り歩いた。紀元前430年死す。
エンペドクレスは、パルメニデスの存在論とヘラクレイトスの生成消滅論を融合した。万物の四つの根(リゾーマタ)、4つの元素、火、水、空気、土、4つの根の愛と憎による離合集散から宇宙は生成消滅する。愛の伸長期、消滅期、憎の伸長期、消滅期によって生成消滅する。宇宙円環と魂の円環が調和する。詩篇「自然について」と「カタルモイ」を書いた。地上に堕落したダイモーンが、神々の住むアイテールに帰還するドラマである。
――
【アテナイ、民主政、完成と崩壊】ペルシア戦争(BC492、490,480~479)、アテナイの民主政完成。ペロポネソス戦争(BC431~404)アテナイのデロス同盟とスパルタのペロポネソス同盟との覇権争い。2つの戦争の間の平和な時代。ヘロドトス『歴史』トゥキュディデス『戦史』
【ソクラテスの死】紀元前399年4月27日、ソクラテスは、ギリシアの哲学者の最も偉大な思想家の一人、エンペドクレス、プラトンとならび、高邁な有徳の士、高貴な人格。ソクラテスは、その思想で若者たちを堕落させたという罪状で死刑宣告を受ける。評決に甘んじて死ぬ道を選ぶ。プラトン『パイドン』は偉大な思想家の死を描く。ソクラテスは魂の不死不滅を論証する。ソクラテスの牢獄の最後の日の対話を思想のドラマ。彼は感情あらわに嘆き悲しむ弟子たちを戒め、毒杯をあおって威厳ある死を遂げた。自己犠牲による死を主題にした。
――
【理念を追求する精神】理念を探求する人は、邪知暴虐な権力と戦い、この世の闇の彼方に理想と美を求める。輝く天の仕事を成し遂げる。空海、孟子、織田信長、李白、プラトン。即身成仏、仁義礼智信、武の七徳、桃花流水杳然去、美の海の彼方の美のイデア、存在の彼方の善のイデア。
理念を探求する精神は、邪知暴虐と対峙し、悪鬼と戦う。価値あることを為すには、犠牲と苦労と忍耐が必要である。
【理念を追求する精神】空海は理念を探求して旅した。空海の24歳の苦悩は『聾瞽指帰』に刻まれている。空海、ロレンツォ・デ・メディチ、プラトン、玄奘三蔵、李白、王羲之、嵯峨天皇、ソクラテス、理念に向かって、旅した人。理念を追求する人は、この世の闇の彼方に美を求める。
「人間の真の姿がたち現れるのは、運命に敢然と立ち向かう時である」シェイクスピア『トロイラスとクレシダ』
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
【アグリジェント、神殿の谷】コンコルディア神殿が聳える。最も完璧な神殿。古代ギリシアの詩人ピンダロスが「人の造りし最も美しき都市」と謳った都市。神殿の谷は、稜線に20の神殿が聳える。丘に神殿遺跡がそこここに残る古代都市遺産群を廻る、広大な地。憧れの古代都市。哲学者エンペドクレスが、生まれた地。
アクラガスは、ギリシア人の植民都市、前 580年頃ゲラの市民によって建設され、前6~5世紀僭主ファラリスやテロンのもとに繁栄した、アクロポリスの丘の上のアルカイック期神殿群の遺跡はこの時期に属し、180年栄えた。紀元前406年、カルタゴに滅ぼされた。カルタゴ軍が、シケリア西部のカルタゴ殖民都市に対する攻撃の報復として、【アクラガス包囲】ドーリア人都市であるアクラガス(アグリジェント)を包囲した。
――
【時間論】3つの世界観の時間論。時間には、回帰的時間と終末観的時間と進化的時間がある。(渡辺慧『時』第3章、時間の起源と機能)(回帰的時間は、エンペドクレス、ニーチェ『ツァラトゥストラ』。終末観的時間はキリスト教。進化的時間は、ベルクソン『創造的進化』)。あなたはどの世界観を選ぶのか。
*ベルクソン1974、初刊1948年。*エンペドクレスの宇宙円環(Cosmic Cycle)、ヘラクレイトスの回帰的宇宙、ニーチェの永劫回帰(Ewig Wiederkehren)、ピュタゴラスの輪廻転生。

――
【トロイ戦争】『キュプリア』によれば,ガイアは、増えすぎた人間の重みに耐えかね、しかも人間には神 を畏敬する心がまったくなかったため, ゼウスにこの重荷.を軽減してくれるようにと願い出た。ゼウスは同情してまずテーバイ戦争を起こし多数の人間を滅ぼした。
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【哲人王、国家の姿】魂の徳を探求しなければならない。知恵、勇気、節制、正義。魂の3部分の調和。魂の徳を備える人間。知恵を探求する者、善のイデアを観るもののみが王にならねばならない。『国家』
【古代ギリシアの理想はなぜ失われたのか】古代ギリシアの徳、知恵、勇気、節制、正義はなぜ失われたのか。
――
★参考文献
鈴木幹也『エンペドクレス研究』1985
フリードリヒ・ニーチェ『プラトン対話編研究序説』
旅する思想家、孔子、王羲之、空海・・・『戦う知識人の精神史』 
https://bit.ly/3mlXeXR
「旅する哲学者 美への旅」第69回 空海の旅 旅する思想家
空海の旅 旅する思想家、美への旅
https://t.co/HPPpp3e5iL
大久保正雄『地中海紀行』第44回哲学者の魂、ソクラテスの死2
旅する哲学者、ソクラテスの戦い ソクラテスの祈り
https://bit.ly/386Vbyl
大久保正雄『地中海紀行』第43回哲学者の魂 ソクラテスの死1
哲学者の魂 ソクラテスの死
https://bit.ly/3j2A3jc
大久保正雄『地中海紀行』第25回
旅する哲学者 ピタゴラスの旅 プラトンの旅
https://t.co/1QDmeBNsBY
大久保正雄『地中海紀行』第24回
旅する哲学者、エーゲ海の瞑想 ヘラクレイトスの言葉
https://t.co/T1Ec9npIoJ
――
無我説と輪廻転生、仏教の根本的矛盾・・・識體の転変、種子薫習。名言種子、我執種子、有支種子
https://bit.ly/2U9rO6s
金剛界曼荼羅の五仏、五智如来、転識得智、仏陀への旅
https://t.co/MIXigqe3xH
空海『即身成仏義』、大日如来の知恵 五智如来の知恵
https://bit.ly/2O8YtbU
「密教彫刻の世界」東京国立博物館・・・愛染明王、金剛薩埵の化身
https://bit.ly/2WNIoNt
理念を探求する精神・・・ギリシアの理想、知恵、勇気、節制、正義、美と復讐
https://bit.ly/3sIf3RW
――
★★
神殿の谷、コンコルディア神殿
Dolce&Gabbana Alta Moda, Valley of the Temples, July 2019
https://www.youtube.com/watch?v=FW0DSGxs8WA

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2020年6月 2日 (火)

感染爆発、帝国と都市国家の戦い。この世の果てを超えて、旅する詩人・・・「時の関節が外れた」シェイクスピア

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Petra-national-geographic 
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第216回
感染爆発に襲われ、都市封鎖、暴力化する世界、階級社会化する世界にあって、死を越えて蘇ることができるのか。邪知暴虐な権力者が現れて、世界帝国が、個人の自由を奪い、都市は隷属化する。旅する思想家のように、運命と戦い理念を探求することができるのか。旅する詩人のように、桃花流水の境地を追求することができるのか。
「世の中は関節が外れている、呪われた悪意よ、それを正すべくおれはこの世に生を受けたのだ」シェイクスピア
【ゼウスは人間を滅亡させる計画を画策】
パンデミック計画、ウィルス学者によりウィルス作成、感染爆発、都市崩壊、人民管理、ワクチンビジネス、ワクチン産業の支配。
人間に与えられた選択は二つ。第1の選択「全体主義の監視と管理か、自由か」、第2の選択「分裂か対決か」。独裁国家か、自由か。
「人間の真の姿がたち現れるのは、運命に敢然と立ち向かう時である」。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』
――
【独裁者を追放するシステム、アテネ民主政】重装武器をもつ市民が擡頭。BC6C執政官(アルコン)クレイステネスは、貴族と平民の身分差をなくし市民が政治を担うデーモスクラティア(民主政)を開始。独裁者(僭主)が出現することを防止するシステム、オストラキスモス(陶片追放)を創設。
【ペロポネソス戦争と感染爆発】BC480ペルシア戦争に勝利したギリシアは、アテネのデロス同盟とスパルタのペロポネソス同盟、二つの勢力が激突、ペロポネソス戦争(BC431-404)へ発展した。籠城作戦をとったアテネに感染爆発、BC429最高指揮官、ペリクレスが死ぬ。
――
1、
【創造的研究】研究には2種類ある。創造的研究と研究のための研究。高度に普遍的な学問はいくら究めても上には上がある。普遍的な学問は、他との競争に勝っても後世優秀な人に克服される。創造的学問は、他に類がないので究極的秘儀に立ち入る。ある建築家の教え。『旅する思想家』
――
2、
旅する詩人
【李白、旅する詩人(701-762)】李白がはじめて長安にのぼったのは742年。42歳の時。長安で李白は賀知章(659-744)の知遇を得る。賀知章は玄宗皇帝に仕え、詩壇の長老。賀知章は李白の仙人的な人柄を気に入る。「お前の才能はこの世のものではない。まるで天から流されてきた仙人のようだ(謫仙人)」。742年、李白は賀知章の推挙を受けて翰林供奉となる。
【李白、旅する詩人】玄宗皇帝の側近、宦官の高力士と対立。李白が詩で楊貴妃の美しさを前漢の美人、趙飛燕になぞらえる。趙飛燕は前漢の成帝に愛され皇后になるが成帝の崩御後、庶民にまで落ち自殺した。李白は失脚、長安を追われる。744年、李白44歳。宮廷詩人として活躍したのは僅か3年間。長安を去り李白は再び遍歴生活に戻る。*『清平調詞』二
【李白 黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る】古くからの友人(孟浩然)は、西にある黄鶴楼に別れを告げ、花が咲き春の霞が立つ三月、揚州へと長江を下っていった。遠くに見える一そうの舟の帆も青空に消えて、ただ、長江が天の果てまで流れていくのを見るばかりである。
【旅する詩人、孟浩然】(689-740)。湖北省襄陽市の人。青年時代は故郷の鹿門山に隠棲。40歳ごろ長安に出て科挙を受験するが落第。郷里に戻る。一時張九齢の招きで任官するがすぐに官職を辞す。江南地方を放浪して一生を終える。生涯、出世には縁が無かったが、その詩才は高く評価される。王維・李白・張九齢らと交流があり。自然を歌った詩に名作が多い。王維と並んで「王孟」と並び称され、中唐の韋応物、柳宗元と並び王孟韋柳とも称される。『春暁』『洛陽にて袁拾遺を訪ふて遇はず』
【旅する思想家】孔子は、下剋上の嵐を止めるため、魯の君主に抜擢され大司寇に任命されるが、魯国の繁栄を恐れた隣国の斉は美女歌舞団八十人を魯国に贈った。季桓は受納し三日政庁に現れず。紀元前497年孔子、魯国を去る。孔子56歳。14年間、流浪の旅に出る。
――
3、文明の興亡
【ゼウスの計画、トロイア戦争の原因。ゼウスは、増え過ぎた人口を調節するためにテミス(秩序の女神)と試案を重ね、遂に大戦を起こして人類の大半を死に至らしめる決意を固める。】
【トロイア戦争10年目、トロイの海辺で、アカイア軍は疫病に襲われる。オデュッセウスの計略によって木馬が、木馬には兵たちが潜み、トロイに送られる。だが、カッサンドラは危険を予言する】
【ペトラ、ナバテア王国は、なぜ栄えたのか。なぜ滅びたのか。エル・カズネは王の墓なのか。広大な水路、灌漑設備はどう建設されたのか。主産業は葡萄酒。アラブに滅ぼされたのは何故か】
【パルミラ王国は、なぜ、栄えたのか。なぜ、滅びたのか。パルミラ王国、美麗女王ゼノビア女は、何を成し遂げたのか】
【ミケランジェロは、その超越的な技術を何から学んだのか。ミケランジェロは、23歳で卓越した技を発揮し、悪魔の手をもつと呼ばれた】
【織田信長、卓越した情報力】敵の謀を討つ。弟織田信勝の謀反を返り討ち。信長24歳。桶狭間の戦い、二万五千の今川義元を迎え撃つ、織田勢四千。信長27歳。長篠の戦い、武田勝頼の騎馬隊を千挺の鉄砲と馬防柵で撃つ。信長42歳。天正6年、第2次木津川合戦、毛利水軍を巨大船によって迎撃
――
4、感染症との戦い、ウィルス研究者たち
武漢ウィルス研究所、石正麗(Shi Zhengli)、博士
武漢ウイルス研究所の副所長、蝙蝠女、石正麗(Shi Zhengli)が再浮上。実験室理論に対する(決定的な)証拠。新型コロナウイルスは、コウモリ起源で絶滅危惧センザンコウが媒介。
Coronavirus, le prove ('definitive') contro la teoria del laboratorio
https://corriere.it/cronache/20_aprile_26/coronavirus-prove-definitive-contro-teoria-laboratorio-7887264c-86f2-11ea-9b77-4fc0668b38e0.shtml

「習近平の弟」武漢ウイルス研究所からの流出を認める
https://youtube.com/watch?v=ZYrBz7yWmOM&feature=share 
【ウィルス利権の元凶、ファウチ】米ファウチ博士、中国武漢のウイルス研究所に資金援助、中国発生説を否定
https://beat-the-corona.tokyo/?p=2562 
新型コロナの危険察知の“コウモリ女”の口を封じた17歳下“美人”上司
https://news.yahoo.co.jp/byline/nishiokashoji/20200511-00177991/
【解説】新型コロナの流出源? 武漢研究所を取り巻く疑惑
https://www.afpbb.com/articles/-/3279139
――
リュック・モンタニエ博士 Dr.Luc Antoine Montagnier
HIV発見の功績でノーベル賞を受賞したリュック・モンタニエ博士が「新型コロナは人工ウイルス」とする論文を発表。そして「人為的な改変は必ず消える」とパンデミックが干渉と共に終わる道筋を表明
https://indeep.jp/coronavirus-is-a-man-made-according-to-luc-montagnier/
1983年に HIV (エイズウイルス)を発見した功績で、2008年にノーベル医学賞を受賞したリュック・モンタニエ博士。同僚の研究者とウイルスの分析を続けた結果、「新型コロナウイルスは人工のウイルスである」と結論付けたことが報じられた。「(ウイルスの)干渉波の影響の中で、ウイルスの中の人為的な配列が排除されていき、結果としてパンデミックは止まる」「自然にある存在は、分子の人為的な改変を一切受け入れない」「エイズのワクチン開発のためのウイルスが流出した」
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Dr.Judy Mikovits.Plandemic
映画「プランデミック」我々の命、自由、健康を支配する計画、パート1:ジュディ・マイコヴィッツ(前編)
https://www.bitchute.com/video/aTSLR86irgBP/
映画「プランデミック」我々の命、自由、健康を支配する計画、パート1:ジュディ・マイコヴィッツ(後編)
https://www.bitchute.com/video/iw1V6Q9Ldrtf/ 
――
死神博士、河岡義裕教授、1999年スペイン・インフルエンザ、ウィルス合成、東京大学医科学研究所
あまりにも大胆なウイルス研究を行い、世界中で大論争を巻き起こした。その研究とは、H1N1型インフルエンザ(豚インフルエンザ)ウイルスの遺伝子を改変。
中国武漢で昨年9月に「新型コロナウイルス発生の模擬演習」をしていた!? コロナ騒動3つのポイントと第三次世界大戦勃発への流れを解説!
https://tocana.jp/2020/03/post_147264_entry.html @DailyTocanaさんから

死神博士、河岡義裕教授 【論説空間】現代によみがえるスペイン風邪ウイルス 塩基配列から ...
http://www.todaishimbun.org/spanishflu20200510/
2020年5月10日 ... ウイルス研究って面白い!」と初めて実感したのは、インフルエンザウイルスの人工 合成系が確立された時である。当時(1999年)、私は北海道大学獣医学研究院の博士 課程に籍を置きつつ、 米国ウイスコンシン大学獣医学部の河岡義裕 ...
死神博士、河岡義裕教授、ウイルス学者(東京大学感染症国際研究所
https://www.jili.or.jp/kuraho/2006/inochi/web04/i_web04.html
河岡義裕先生は、1999年に「リバース・ジェネティックス」という技術で、世界で初めて インフルエンザウイルスを人工的に作り出すことに成功した。 ... ます。20世紀以降だけ でも、3度のパンデミック(世界的大流行)を引き起こしました。1918年から19年にかけて のスペイン風邪では世界中で2000万人が ... 私がウイスコンシン大学にいた1999年、 私たちの研究グループは、世界で初めてインフルエンザウイルスの人工合成に成功しま した。
――
参考文献
運命の美人姉妹、クリュタイムネストラ、ヘレネー
トロイア戦争の始まり 失われた『叙事詩の円環』
https://t.co/JjeYXXOypq
https://en.wikipedia.org/wiki/Epic_Cycle
大久保正雄『地中海紀行』第61回トロイア戦争 パリスの審判P29
岡道男『ホメロスにおける伝統の継承と創造』
城江良知「ガイアの嘆願と『イリアス』」
『キュプリア』によれば,ガイアは、増えすぎた人間の重みに耐えかね,. しかも人間には神 を畏敬する心がまったくなかったため, ゼウスにこの重荷.を軽減してくれるようにと願い出た. ゼウスは同情してまずテーバイ戦争を起こし多数の人間を滅ぼした。・
https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/68585/1/KJ00004263559
高木登「人間を小宇宙と見るルネサンス的思想-. その1 シェイクスピアに見るこの世の秩序の崩壊.」
――
美術館スケジュール2020年・・・旅する哲学者 美への旅
https://bit.ly/2YUimHh
感染爆発、帝国と都市国家の戦い。この世の果てを超えて、旅する詩人・・・「時の関節が外れた」シェイクスピア

https://bit.ly/2XoaNcd
世界の果てへの旅:The World's End ・・・理念を探求する旅人
https://bit.ly/2WylxmE
ウィルスと人類の戦い・・・感染爆発の歴史、アテネのペリクレス、ルネサンス、厩戸皇子 、盧舎那仏
https://bit.ly/2z32Orl

画像、NHK,、Reuters、Guardian

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2020年5月 5日 (火)

世界の果てへの旅:The World's End ・・・理念を探求する旅人

2011
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大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第215回
風薫る五月、百花繚乱の季節だが、100年に一度のウィルスの感染爆発で、世界は危機に襲われている。1月21日、武漢で感染爆発が起こり、1月23日、武漢都市封鎖、3月8日、ヴェネツィア都市封鎖、3月17日、パリ都市封鎖、3月22日、NY都市封鎖、4月8日から東京首都圏で緊急事態宣言、外出自粛。この危機を救う者は、だれだろうか。
【天啓】世界の変革期、14世紀のヨーロッパのように、社会のパラダイムが根底から、崩壊する時。14世紀から16世紀、1348年から1577年まで、黒死病が襲来し、衝撃的な危機が襲来、夥しい人が死に、人口の三分の一が死に、死屍累々と都市に溢れた。
【生命の危機、都市封鎖、愚者の国と賢者の国】賢者の国、危機に立ち向かう、民主主義が出現する。ドイツ、メルケル首相、NZ、アーダーン首相、NY、クオモ知事、台湾、蔡英文、総統のように。愚者の国では、全体主義の独裁者が出現する、ヒトラー総統のように敵を仕立てて大衆を洗脳する。
【感染爆発、都市封鎖、独裁国家化のシナリオ】中国、武漢、韓国で行われている。

【独裁者を追放するシステム、アテネ民主政】BC6C執政官(アルコン)クレイステネスは、貴族と平民の身分差をなくし市民が政治を担うデーモスクラティア(民主政)を開始。独裁者(僭主)が出現することを防止するシステム、オストラキスモス(陶片追放)を創設。

日本には独裁者を追放するシステムなし【憲法は独裁政権を縛るためにある】【独裁者は、過ちを認めず、事実は隠蔽し、誰も責任をとらず、都合の悪い統計は偽装する】悪と戦い、この世に正義を実現するために戦うべきである。
――
【この世の終わりの光景】
人はこの世の終わりの光景に、狼狽え、天に祈った。天の啓示であったのか。天は何を啓示するのか。その時、人はなぜ存在するのか、何のために生きるのか。何をするためにこの世にやって来たのか。
【国家と対峙する】人間は否応なく社会システムに組み込まれている。個人がシステムに支配され、自由を奪われ、自立した思考ができなくなることこそ、全体主義だと私は考える。どこにも依存せず自立することは、ほとんど不可能ではあるが、自らのよって立つ根拠、思想の根拠を探求しつづけなければならない。生涯にわたる沙門、探求者と自ら考えた、空海、プラトンのように。生涯にわたる阿修羅と考えた宮澤賢治のように。
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』

【The World's End :世界の果てへの旅】
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。
はちみつ色の夕暮れ、黄昏の丘、黄昏の森を歩き、夕暮れのアポロン神殿に行く。糸杉の丘、仏陀の智慧が覚醒する。奇想の画家は「千歳、具眼の士をまつ」といった、時の果てに、秘蔵された美がある。白夜の東欧の孤城に失われた絵画を探し、夕映えのエーゲ海、古代神殿の宝庫に、幻の古代彫刻を求めて彷徨い歩く。秘書が、世界の果てから、世界の果てへやってくる。
天人はこの世に舞い降りて、餓鬼道の者に嫉妬され虐げられることがある。如意輪観音菩薩は、この世に生きる天人を救う。
美しい魂は、輝く天の仕事をなす。美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、あなたを救う。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』

【旅する思想家、美への旅】空海は理念を探求して旅した。空海24歳の苦悩は『聾瞽指帰』に刻まれている。空海、プラトン、玄奘三蔵、李白、王羲之、嵯峨天皇、ロレンツォ・デ・メディチ、理念に向かって旅する旅人。理念を追求する人は、この世の闇の彼方に美を求める。

【古典への旅】少年時代、ヴェルヌ「海底二万里」コナン・ドイル「地底探検」、「北斎、富岳三十六景」を愛読した。14歳の時から、中国、西洋、日本、ギリシアの古典、珠玉の短編小説を愛読、たとえば、「李白」「李賀」「論語」「新古今和歌集」、中島敦「名人伝、、弟子」、川端康成「抒情歌」、17歳の時、「空海 秘密曼陀羅十住心論」「プラトン 饗宴」に耽溺。ギリシア語原典「エウリピデス」を高校の時に購入した。「プラトン哲学の美学」を博士課程で、研究した。それが一因で、人生の苦難の冒険の旅に出た。「地中海への旅」である。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
―― 
★参考文献
ウィルスの起源
新型コロナウィルスは、武漢ウイルス研究所の、蝙蝠女、石正麗博士、が人工的に合成した。2015年、論文発表。2019年、流出。

武漢ウイルス研究所の副所長、蝙蝠女、石正麗(Shi Zhengli)が再浮上。実験室理論に対する(決定的な)証拠。新型コロナウイルスは、コウモリ起源で絶滅危惧センザンコウが媒介。
Coronavirus, le prove ('definitive') contro la teoria del laboratorio
https://corriere.it/cronache/20_aprile_26/coronavirus-prove-definitive-contro-teoria-laboratorio-7887264c-86f2-11ea-9b77-4fc0668b38e0.shtml

新型コロナウイルスは、石正麗チームがエイズウイルスと合成か。Bookservice.JP -Rinkaku-
https://www.bookservice.jp/2020/02/22/post-41435/
ウイルス発生源、欧米学者が突然変異説:武漢発生源という証拠なし?(遠藤誉) - Y!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20200415-00173491/

HIV発見の功績でノーベル賞を受賞したリュック・モンタニエ博士が「新型コロナは人工ウイルス」とする論文を発表。そして「人為的な改変は必ず消える」とパンデミックが干渉と共に終わる道筋を表明
https://indeep.jp/coronavirus-is-a-man-made-according-to-luc-montagnier/

日本(アジア)の新型コロナ感染者、重症者、死者が欧米よりはるかに少ない理由はHLA
浮上してきたHLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)
https://www.landerblue.co.jp/50000/..
入口 紀男「私も HLA には大きな関心をもっています。また、日本には成人T細胞白血病ウィルスという、縄文時代から存在するウィルスがいて、新型コロナ肺炎のウィルスの天敵になっていないかとも感じています。成人T細胞白血病ウィルスは九州南部と岩手県に多く存在しています。」
――
★世界経済崩壊
5月末までに「世界のほとんどの航空会社は倒産する」…各国政府の介入がなければ
https://www.businessinsider.jp/post-210286
2020年4月2日 ... 航空コンサルタント会社のCAPAは、コロナウイルスのパンデミックで、世界の航空会社 の「ほとんど」が5月末までに倒産する可能性があると警告した。アメリカのトランプ 大統領は、航空業界に対して580億ドルを支援すると決めたが、

NY原油初のマイナス、実は合理的な根拠あり - ロイター
https://jp.reuters.com/article/crude-breakingviews-idJPKBN223066
2020年4月20日 ... [ロンドン 20日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 原油価格が文字通り、底割れした。20 日のニューヨーク市場で、米国の原油供給が貯蔵 ... トレーダーがパニックを起こし たため、指標の米国産標準油種(WTI)5月渡しが史上初めてマイナスの水準になった のだ。1つの限月の価格 ... このドキュメントの当コンテンツ
――
参考文献
美術館スケジュール2020年・・・旅する哲学者 美への旅
https://bit.ly/2A6KlL1
「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」・・・空海、理念と象徴
https://bit.ly/2XEoVNy
世界の果てへの旅:The World's End ・・・理念を探求する旅人
https://bit.ly/2WylxmE
ウィルスと人類の戦い・・・感染爆発の歴史、アテネのペリクレス、ルネサンス、厩戸皇子 、盧舎那仏
https://bit.ly/2z32Orl
「法隆寺金堂壁画と百済観音」・・・若草伽藍と聖徳太子の謎
https://bit.ly/2R8JNtG 
瀕死のイタリア、ベルガモから、私たちは運命と戦うために生まれた
https://bit.ly/2R7KGCH
――
★写真 東寺、JR東海 花尻の森、櫻子さん

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2020年5月 3日 (日)

ウィルスと人類の戦い・・・感染爆発の歴史、アテネのペリクレス、ルネサンス、厩戸皇子 、盧舎那仏

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Milano-new-york-times 
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第214回
【生命の危機、緊急事態、都市封鎖、愚者の国と賢者の国】全体主義の独裁者が出現する国、ヒトラー総統のように敵を仕立てて大衆を洗脳する。危機に立ち向かう、民主主義が出現する国。ドイツ、メルケル首相、NZ、アーダーン首相、NY、クオモ知事、台湾、蔡英文、総統のように。
【国家と対峙する】人間は否応なく社会システムに組み込まれている。個人がシステムに支配され、自由を奪われ、自立した思考ができなくなることこそ、全体主義だと私は考える。どこにも依存せず自立することは、ほとんど不可能ではあるが、自らのよって立つ根拠、思想の根拠を探求しつづけなければならない。生涯にわたる沙門、探求者と自ら考えた、空海、プラトンのように。生涯にわたる阿修羅と考えた宮澤賢治のように。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
【〈蘇民将来子孫也〉祇園祭、護符。疫病から守る護符】
【死生学 武塔の神】武塔の神が、嫁を探しに旅をしてきた。泊まる宿を求めた。貧窮の兄と富裕の弟とがあり、富裕な巨旦は意地悪く「うちは貧しいから泊められない」と嘘をついて断った。蘇民は貧しいながら、粟飯の粗末な食事で世話をした。金持ちでうそつきで意地悪の弟、巨旦。貧しい兄、蘇民。再訪した武塔神は、蘇民の娘に「蘇民将来の子孫」と言って茅の輪を付けさせ、厄病から守られるという。蘇民の娘を除いて、皆殺しにした。武塔の神は、美しい者を救う。蘇民将来の伝説。『備後国風土記』(『備後国風土記』逸文(『日本古典文学大系2 風土記』所収・1958・岩波書店)
1、
【人類と感染症の戦い】ペロポネソス戦争。籠城作戦をとる。紀元前429年、最高指揮官ペリクレス、疫病で、66歳で死す。アテネ最盛期、スパルタに敗北した一因。トゥキュディデスは「アテネの疫病」に罹ったが、幸い命を取り留めその経験をもとに大国の戦いを『戦史』に記録する。
原因は、発疹チフス、麻疹、痘瘡、腺ペスト、溶血性連鎖球菌感染、野兎病、ラッサ熱やエボラ出血熱。推定される。
2、
【聖徳太子、死の謎】622年、なぜ聖徳太子=厩戸皇子は49歳で死んだのか。前年、生母、穴穂部間人皇女が死亡。太子の死の前日に妃の膳大郎女が死去。相次いで三人が死ぬ。3人は同じ墓に埋葬された。膳大郎女は、太子の4人の妻のうち最も身分が低い。疫病による病死。唐あるいは新羅からの疫病か。
【法隆寺、釈迦三尊像】聖徳太子が亡くなった翌623年、太子等身の釈迦三尊像を造って安置した。この像に彫られた196文字の銘文は聖徳太子と同時代のものであると推定される。刻まれた「尺寸王身」という記述から、釈迦三尊像が太子本人に生き写しであったと思われる。621年、穴穂部間人皇女が死亡、太子の死の前日に妃の膳大郎女が死去。
【聖徳太子の死】疫病説、膳大郎女との自殺説、暗殺説。議論を呼ぶ暗殺説には、蘇我氏、唐からの暗殺者、中大兄皇子と中臣鎌足、等がある。
3、
【人類と感染症の戦い】
【天平の疫病】首都、平城京でも大量に感染した。735年(天平7年)から737年6月には疫病、天然痘の蔓延によって朝廷が停止される事態となり、政権を担っていた藤原四兄弟、藤原武智麻呂、藤原房前、藤原宇合、藤原麻呂も全員が感染によって病死。原因は遣唐使、遣新羅使。738年(天平10年)1月まで続いた。
【東大寺、盧舎那仏】天平の疫病の後、聖武天皇により、農民に土地の私有を認める「墾田永年私財法」天平15年5月27日(743年6月23日)に発布された勅が施行された。
【盧舎那仏】聖武は仏教への帰依を深め、東大寺および盧舎那仏像の建造を命じ、各地に国分寺を建立。 聖武天皇の発願で天平17年(745年)に制作が開始され、天平勝宝4年(752年)に開眼供養会。妃、光明子、光明皇后の名は、『金光明最勝王経』に由来する。
*天平の疫病。聖武天皇、天平7年735年に九州で発生したのち全国に広がり735年から737年にかけて奈良時代の日本で発生した天然痘の流行。藤原四兄弟(武智麻呂、房前、宇合、麻呂)全員が病死し、政治機能麻痺。当時の日本の総人口の25–35パーセント、100万–150万人が感染により死亡した。
4、
【感染爆発と平安文学、一条天皇は31歳で死す。中宮定子は24歳で死。中宮彰子88歳まで生きる】一条天皇は2人の皇后を持った(一帝二后)、一人の后でが中宮彰子(988-1074)、彼女に仕えたのが清少納言のライバル、紫式部(970頃-1019頃以降)。中宮彰子は、藤原道隆の弟でのちに位人身を極める藤原道長(966-1028)の娘として生まれ、
後一条天皇、後朱雀天皇の2人の帝を産み「国母」と称され、系図上では現在の明仁・徳仁天皇の祖先。
【インフルエンザ肺炎、中宮定子、中宮彰子、一条天皇】彰子の夫である一条天皇は《980-1011》31歳で亡くなり、死因は「咳逆=しわぶき」、インフルエンザ肺炎と伝えられる。清少納言が仕えた「年上の后」中宮定子は《977-1001》24歳で産褥のため亡くなる。
【中宮彰子と藤原道長】
大酒のみの父道隆が995年糖尿病のために42歳で死んだ後、にわかに権力を掌握した道長によって、12歳で「皇后」となっていた彰子は後一条天皇(1008-1036)と後朱雀天皇(1009-1045)を生んだ後、半世紀以上も生きながらえ、米寿まで存命する。
皇后彰子は20-21歳にかけての1008-1009年には、28-29歳だった一条天皇と同衾して子供を作っているが、1011年、一条天皇がインフルエンザに罹患した後は、その感染を免れ、その後63年間生き続ける。
――
5、
【黒死病、1348年から1577年ヨーロッパで感染爆発】1348年~51年の黒死病の大流行は黒海沿岸、ジェノヴァ植民地カッファがモンゴル軍(キプチャク汗国)の包囲を受けた時に感染。モンゴル軍は感染遺体を投擲機で投入。感染爆発。クレタ島でヴェネツィア人が気づく。
【黒死病、中世崩壊、ルネサンス】1348年、フィレンツェで黒死病が流行『デカメロン』1351。1577年ヴェネツィアまで、イギリス、パリ、6回、感染爆発。ヨーロッパ全土に黒死病が蔓延。全人口の5割が死亡。1億人。ローマ教皇庁の権威は崩壊、ルネサンス、近代社会誕生へと至る。『死の舞踏』死神が司祭とダンスする。
【黒死病、ルネサンス、モンゴル帝国】雲南省に侵入したモンゴル軍が、現地のペスト菌に感染した齧歯類(クマネズミ)と、その齧歯類に寄生するノミを他の地域に持ち出すこととなって、ヨーロッパに伝染。 William Hardy McNeill説。
【ローマ教皇庁の権威崩壊、ルネサンスへ】ダンテ『神曲』1321、中世キリスト教世界観に沈殿、階級社会。『死の舞踏』死神が司祭とダンスする。
【1348年~50年の黒死病】1348年~50年の黒死病の大流行は黒海沿岸のジェノヴァ植民地カッファがモンゴル軍(キプチャク汗国)の包囲を受けた時に感染。カッファを出航した12隻の船がシチリアに着き、さらにジェノヴァ、ベネツィア、ピサに到達、そこから北西にフランス、スペイン、イギリス、ドイツ、北欧、1351年にはロシアにまで到達。
――
参考文献
ウィルスと人類の戦い・・・感染爆発の歴史、アテネのペリクレス、ルネサンス、厩戸皇子 、盧舎那仏
https://bit.ly/2z32Orl
「法隆寺金堂壁画と百済観音」・・・若草伽藍と聖徳太子の謎
https://bit.ly/2R8JNtG
岡田晴恵『人類vs感染症』岩波書店
玉木 俊明「14世紀半ば、全欧が怯えた「黒死病」パンデミック」 【連載】ビジネスに効く! 世界史最前線(第43回) JBpress(日本ビジネスプレス)
伊東乾「平安貴族に学ぶパンデミック対策寝殿造りと「ジェンナー以前」の生活の知恵 (JBpress)
東大寺大仏-天平の至宝・・・蓮華蔵世界、蓮の花弁に香る天平文化.
https://bit.ly/2xC6IE4
「国宝 阿修羅展」・・・阿修羅像の謎、光明皇后、天平文化の香り
https://bit.ly/2zKYquU
★写真、Venezia、Reuters Milano New York Times

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2016年12月11日 (日)

大久保 正雄『旅する哲学者、美への旅、美の探求』

Toledo_sunset2015大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
美の本質は何か。美の根拠は何か。人はいかにして美に辿りつくことができるのか。
美を知るのは直観である。直観は一瞬で本質にたどりつく。しかし、美を知ることは美の探求の究極ではない。ソクラテスの美の究極の奥義は、何を教えるのか。ソクラテスの祈りは何を祈るのか。*
孫崎享氏の家でみた長谷川潔『森陰の道』(油彩)。昏い森陰の道のむこうに碧空がみえる。憂愁の彼方に理念がみえる。「ひとの世の旅路のなかば、気がつくと、私は真直ぐな道を見失い、暗い森に迷いこんでいた」ダンテ『神曲』。画家の心象風景。長谷川潔『ヴォルクスの村』油彩(1930)の時代の作品だろうか。この時代、画家はトレドに旅している。荒寥たる大地の果てになにをみたのか。孤高の画家、孤高の旅人、長谷川潔。*
――
クロマニオン人、古代ギリシア、ルネサンス、バロック、人類は美への旅をしてきた。
美は愛であり、愛は美である。愛のないところに美はない。
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。*John Keats, Ode on a Grecian Urn
はちみつ色の夕暮れ、黄昏の丘、黄昏の森を歩き、迷宮図書館に行く。糸杉の丘、知の神殿が目覚める。
美しい魂は、輝く天の仕事をなす。美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、あなたを救う。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』
ラスコー洞窟、古代ギリシア、ルネサンス、バロック、伊藤若冲、クラーナハ、ダリ。博物館、美術館に行くと、時の彼方から、藝術家の魂、歴史を彩る権力者、運命の美女、聖者の精神が蘇る。
絵画史をたどると、画家は死に、描かれた美女は生き、美女は死に、藝術のみが生き残る。
レオナルド『糸巻の聖母』、ボッティチェリ『書物の聖母』、カラヴァッジョ、若冲『動植綵絵』、クラーナハ『ホロフェルネスの首をもつユディト』。
【バロック、光と闇の逆転】
世界は権威を装う詐欺師に満ちている。世人は容易にだまされる。ボッシュ『いかさま師』(愚者の石の除去)プラド美術館、ジョルジュ・ド・ラ・トゥール『いかさま師』ルーヴル美術館、カラヴァッジョ『女占い師』。
悪が支配するこの世界、聖なる者、美しき者は悪と戦わねばならない時がある。
カラヴァッジョ『斬首されるヨハネ』1608は、美しい聖者と醜悪な役人の対比、光と闇、聖者が犯罪者によって処刑されようとしている。光と闇、真実と虚偽の逆転。
敵将の首を斬る、美しき未亡人。カラヴァッジョ「ホロフェルネスの首を斬るユディト」1599 https://t.co/2TRjfXSHHK
【人間の美】
人間の美しさは、心の美しさである。美への旅の究極にあるのは心の美である。大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
【琳派、奇想の画家】
伊藤若冲は40歳から画業を始め、不屈の意志で『動植綵絵』(1757年から1766年)を描き、変化しつづけた。「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。」ダーウィン
琳派は、200年変遷した。本阿弥光悦、俵屋宗達から、尾形光琳、尾形乾山、酒井抱一、其一。鈴木其一『夏秋図屏風』は、夏の森の百合と秋の紅葉の森、緑の木々と青い渓流が美しい。*『大琳派展』2005
――

【天に徳を積む仕事】
困っている人を助けること。人の心を癒し豊かにすること。埋もれている才能を世に出すこと。これは小人にはできない、天人の仕事である。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
【人間性】
いかに高級な藝術、料理を楽しんでも人間性は高くならない。人を高めるのは困っている人を助けること。人の心を癒すこと、豊かにすること。
どんなに高度な知識をもっていても、人の痛みがわからない人は、存在する価値がない。
【価値】
美貌、財産、家、地位、職業、知識、この世のものはあの世に持っていくことはできない。唯一もっていくことができるものがある。それは何か。プラトンの書に隠されている。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
【ソクラテスの祈り】
旅する哲学者、ソクラテスの戦い ソクラテスの祈り
https://t.co/gW05rsb44i
哲学者の魂 ソクラテスの死
https://t.co/K1EiSrdg79

*大久保正雄『地中海紀行 旅する哲学者 美への旅』より
*長谷川潔(1891-1980. 12月13日)。京都国立近代美術館「生誕100年記念 長谷川潔展」( 1991 ) マニエール・ノワールの巨匠、繊細で品格高い絵画世界。
大久保正雄2016年12月11日

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2014年3月25日 (火)

孫崎享「グローバル時代を生きる人類の智慧 国家戦略」対談&講演会

孫崎享「グローバル時代を生きる人類の智慧 国家戦略」対談&講演会
対談 孫崎享×大久保正雄
国家存亡の時、人生の存亡の時、考えるべき戦略とは何か。戦略なき国家は滅亡する。これから100年を生きる戦略とは何か。隠された真実とは何か。国家戦略の第一人者、情報分析の専門家、孫崎先生と考える。
2014年5月25日 午後2時~4時
上智大学 2号館508教室 (定員120名)
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孫崎享
元外務省国際情報局長、元駐イラン大使。元防衛大学校教授。『日本人のための戦略的思考入門』祥伝社新書、『情報と外交』PHP、『日米同盟の正体 迷走する安全保障』講談社現代新書、『戦後史の正体』創元社、『小説 外務省』現代書館、他。上智大学にて講義『国家戦略論』2011年~2014年。
「孫崎享のつぶやき」http://ch.nicovideo.jp/magosaki/
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大久保正雄
『ことばによる戦いの歴史としての哲学史』理想社、「美の奥義 プラトン哲学におけるエロス(愛)とタナトス(死)」、「ギリシア悲劇とプラトン哲学の迷宮」、「プラトン哲学と空海の密教 書かれざる教説」、「ミケランジェロ、さまよえる孤独な魂」、「花盛りの京都、幻の都へ」、「国家は滅びても、都市は滅びない」他。
「地中海紀行」http://homepage3.nifty.com/odyssey/00c8c001.html
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-6c24.html
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上智大学ソフィアNEXT100プロジェクト 
ソフィア文化芸術ネットワーク    参加者、募集中。
★問い合わせ 上智大学ソフィア会Tel.03-3238-3041 http://www.sophiakai.gr.jp/
2013042001

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