ハプスブルク

2017年8月 6日 (日)

アルチンボルト展・・・ハプスブルク家の皇帝の奇妙な趣味

Arcinboldo2017ハプスブルク家の神聖ローマ皇帝の奇妙な趣味、16世紀の世界の支配者の奇妙な趣味。イタリア、マニエリスムの画家、アルチンボルド。『血みどろのハプスブルク史』の陰鬱な王の趣味。
アルチンボルド(Giuseppe Arcimboldo,1526-1593年)は、30代の時、1562年、ハプスブルク家の宮廷画家となり、フェルディナント1世、マクシミリアン2世、ルドルフ2世の3代の神聖ローマ皇帝に仕え、後に、貴族に列せられた。寓意とシンボルをちりばめた「四季」「四大元素」(大気、火、大地、水)は、世界の支配者、神聖ローマ皇帝を讃えることが目的だった。
世界の支配者たるハプスブルク家の神聖ローマ皇帝の奇妙な趣味。偏奇な館に閉じこもる皇帝の密室。16世紀、聖職者の欺瞞が暴かれるとき、何を探求したのか。マクシミリアン1世(1493年—1519年)から始まるハプスブルク帝国は、醜悪な趣味に陥る。世界の支配者たるハプスブルク家の神聖ローマ皇帝の悪趣味。金と地位に溺れる権力者の悪趣味。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』
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展示作品の一部
ジュゼッペ・アルチンボルド「春」1563年 油彩/板、マドリード、王立サン・フェルナンド美術アカデミー美術館
ジュゼッペ・アルチンボルド「夏」1572年 油彩/カンヴァス、デンバー美術館
ジュゼッペ・アルチンボルド「秋」1572年 油彩/カンヴァス、デンバー美術館
ジュゼッペ・アルチンボルド「冬」1563年 油彩/板、ウィーン美術史美術館
アルチンボルド「四大元素」(大気、火、大地、水)、1566年、ウィーン美術史美術館、リヒテンシュタイン侯爵家コレクション
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ジュゼッペ・アルチンボルド(1526-1593年)は、16世紀後半にウィーンとプラハのハプスブルク家の宮廷で活躍した、イタリア・ミラノ生まれの画家です。自然科学に深い関心を示したマクシミリアン2世、稀代の芸術愛好家として知られるルドルフ2世という神聖ローマ皇帝たちに寵愛されたアルチンボルドは、歴史上でもひときわ異彩を放つ、宮廷の演出家でした。そんな「アルチンボルド」の名は何よりも、果物や野菜、魚や書物といったモティーフを思いがけないかたちで組み合わせた、寓意的な肖像画の数々によって広く記憶されています。奇想と知、驚異と論理とが分かちがたく交錯するそれらの絵画は、暗号のようにして豊かな絵解きを誘い、20世紀のシュルレアリスム以後のアーティストたちにも、大きな刺激を与えました。
本展は、世界各地の主要美術館が所蔵するアルチンボルドの油彩約10点や素描を中心に、およそ100点の出品作品により、この画家のイメージ世界の生成の秘密に迫り、同時代の文脈の中に彼の芸術を位置づけ直す試みです。日本で初めて、アルチンボルドのユーモアある知略の芸術を本格的にご紹介するこの機会を、ご期待ください。国立西洋美術館
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参考文献
ハプスブルク帝国年代記 王女マルガリータ、帝国の美と花
http://odyssey2000.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-d0b2.html
スペイン・ハプスブルグ家、太陽の沈まぬ帝国、黄金の世紀
http://odyssey2000.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/post-eb5a.html
ハプスブルク家 皇妃エリザベート、バイエルンの薔薇
http://odyssey2000.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-f025.html
ハプスブルク帝国、ヴェラスケス、黄昏の光芒
http://odyssey2000.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-3207.html
ハプスブルク家 マリー・アントワネット 革命に散る
http://odyssey2000.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-7961.html
マクシミリアン1世(神聖ローマ皇帝1493年—1519年)
ベルギー、奇想の系譜、ザ・ミュージアム・・・怪奇と幻想うごめくフランドル
http://platonacademy.cocolog-nifty.com/blog/2017/08/post-09fb.html
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★アルチンボルト展、国立西洋美術館
2017年6月20日(火)~2017年9月24日(日)
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2017arcimboldo.html

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2009年11月21日 (土)

THEハプスブルク 華麗なる王家と美の巨匠たち・・・黄昏のウィーン

37951504_789915302 秋の夕暮れ、金曜日の夜は、ナイトミュージアム。陰鬱なドイツ皇帝たちの容貌が蘇る。神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世(1459-1519)の言葉「戦争は他家に任せておけ。幸いなオーストリアよ、汝は結婚せよ」が示す通り、645年間、ハプスブルク家は結婚政策により領土を拡大した。官僚的な権力者、陰鬱な王たちの狭間で、マリア・テレジア、マリー・アントワネット、エリーザベト、ハプスブルク家の三人の美女たちが、華麗なシェーンブルン宮殿と藝術を生み出した。
ルーカス・クラナッハ(父)「洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ」は、秀逸。美女と血の滴る聖者の首、血とエロス、死と生の対比が強烈な美を生む。洗礼者聖ヨハネと権力者と傲慢な女とその娘が生みだす悲劇が美しい。「洗礼者ヨハネとサロメ」は、魅力的な絵画のテーマである。古代から藝術家の心を惹きつけてやまない主題である。
10月16日「夜のきらめき」フジフイルム・スクエア、二紀展、を観た後、「THE ハプスブルグ」を見る。
■展示作品
アンドレアス・メラー「11歳の女帝マリア・テレジア」1727年 油彩、カンヴァス ウィーン美術史美術館蔵
フランツ・クサファー・ヴィンターハルター「オーストリア皇妃エリザベート」1865年 油彩、カンヴァス 国家家財管理局 宮廷家財庫 ウィーン家具博物館蔵
フランツ・シュロッツベルク「オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世」1865-1870年頃 油彩、カンヴァス ウィーン美術史美術館蔵
ジョルジョーネ「矢を持った少年」1505年頃 油彩、板 ウィーン美術史美術館蔵
ティツィアーノ「聖母子と聖パウロ」1540年代初期 油彩、カンヴァス ブダペスト国立西洋美術館蔵
アルブレヒト・デューラー「若いヴェネツィア女性の肖像」1505年 油彩、板 ウィーン美術史美術館蔵
ルーカス・クラナッハ(父)「洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ」1530年代 油彩、板 ブダペスト国立西洋美術館蔵
ディエゴ・ベラスケス「白衣の王女マルガリータ・テレサ」1656年頃 油彩、カンヴァス ウィーン美術史美術館蔵
ディエゴ・ベラスケス「皇太子フェリペ・プロスペロ」1659年 油彩、カンヴァス ウィーン美術史美術館蔵
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ「悪魔を奈落に突き落とす大天使ミカエル」1666年頃 油彩、カンヴァス ウィーン美術史美術館蔵
ヤン・ブリューゲル(父)「森の風景」1605-1610年頃 油彩、板 ウィーン美術史美術館蔵
ペーテル・パウル・ルーベンス「悔悛するマグダラのマリアと姉マルタ」1620年頃 油彩、カンヴァス ウィーン美術史美術館蔵
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■13世紀に勃興して20世紀初頭までヨーロッパに君臨したハプスブルク家は、巧みな結婚政策によって勢力を拡大し、神聖ローマ皇帝も数多く輩出した名門王家です。歴代の王たちは、優れた審美眼と熱意をもって芸術保護に乗り出し、ヨーロッパ美術の真髄を伝える質の高いコレクションを形成しました。デューラーを庇護したマクシミリアン1世、ティツィアーノを召し抱えたカール5世、多数の宮廷画家を擁したルドルフ2世、ベラスケスを側近としても重用したフェリペ4世、1400点にものぼる絵画を集めたネーデルラント総督レオポルト・ヴィルヘルム大公等々、名だたる巨匠と名画の数々に魅了された王たちの成果は枚挙にいとまがありません。その膨大なコレクションは、ハプスブルク家の威光を示す豪華絢爛さだけでなく、歴史的意義や学術的な質の高さという点でも、特筆に値するものです。
 本展には、ハプスブルク家ゆかりの画家たちのみならず、クラナッハ、ラファエッロ、エル・グレコ、ゴヤなども含む総勢52人の巨匠たちによる逸品が集結します。イタリア絵画、オランダ・フランドル絵画、ドイツ絵画、スペイン絵画の傑作を紹介する本展は、16世紀から18世紀にかけての西洋美術の系譜と真髄をたどる絶好の機会となるでしょう。また、本展ではさらに、こうした絵画作品に加え、工芸品や彫刻、武具などを展示します。
ルドルフ2世の宮廷芸術家だったミゼローニの工芸品や、皇帝が実際に装着した甲冑や盾などは、ヨーロッパ貴族の華麗さと剛健さを伝え、展覧会に彩りを添えています。
■日本とオーストリア・ハンガリー二重帝国(当時)とが国交を結んで140年の節目にあたる今年、ウィーン美術史美術館(オーストリア)とブダペスト国立西洋美術館(ハンガリー)の所蔵品からハプスブルク家ゆかりの名品を核に選りすぐり、絵画の至宝75点に華麗な工芸品を加えた計約120点を展覧する大規模な美術展を開催いたします。
ヨーロッパに600年以上君臨したハプスブルク家の歴代の王たちは、芸術を庇護し、愛し続けました。本展では、宮廷画家として活躍したデューラーやティツィアーノ、ベラスケス、ルーベンスらハプスブルク家ゆかりの巨匠たちに、クラナッハ、ラファエッロ、エル・グレコ、ゴヤらを加えた、総勢約50人もの大家たちによる逸品が集結します。イタリア絵画、ドイツ絵画、オランダ・フランドル絵画、スペイン絵画の代表作を紹介する本展は、16世紀から18世紀にかけての西洋美術の系譜と真髄をたどる絶好の機会となるでしょう。また、ルドルフ2世の宮廷芸術家だったミゼローニの工芸品や、皇帝が実際に装着した甲冑や盾などは、ヨーロッパ貴族の華麗さと剛健さを伝え、展覧会に彩を添えます。(展覧会資料より)
■THE ハプスブルク華麗なる王家と美の巨匠たち、国立新美術館
2009年9月25日(金)~12月14日(月)
http://www.habsburgs.jp/

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