ギリシア悲劇

2017年2月19日 (日)

アトレウス王家、血族の抗争、エウリピデス『オレステス』・・・トロイア戦争の起源

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大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より 
王族の血肉の戦い。タンタロス王、ペロプス王、アトレウス王、アガメムノン王、オレステス、5世代にわたる復讐の歴史。復讐によって絶望を超える。正義は復讐によって成就する。
王家の戦い、血族の抗争、殺し合い。悲劇は五世代、五階層に重層する。王家は、父を殺し、兄弟を殺し、何が残るのか。
運命の美人姉妹、クリュタイムネストラ、ヘレネー】トロイの王子パリスは、3人の女神からアプロディーテを選択し、スパルタの王妃ヘレンをつれ去り、アカイア軍の総攻撃を受け、トロイは滅亡する。傾国の美女、ヘレネー。運命の美人姉妹、クリュタイムネストラ、ヘレネーは、ギリシアを危機に陥れ、トロイを滅亡させる。 美人姉妹の父親はスパルタ王テュンダレオス、母親はレダ。
陰謀、裏切り、だまし討ち、下剋上、何でもありの乱世。地中海奇譚。戦国奇譚。絶世の美女奇譚。
【最高の指揮官】敵の陰謀を見破り、敵を滅ぼす、最高の指揮官、ペルシア戦争、サラミスの海戦において撃退した、テミストクレス。マケドニアを率いて、ペルシア帝国を滅ぼした、ストラテーゴス・アウトラクトル、アレクサンドロス大王。
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理念を追求する魂は、地上の下愚と戦い、天のために戦う。知的な美しい魂は、生死を超え、美の理念を探求する。美の化身となる。
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。
美しい魂は、輝く天の仕事をなす。美しい魂に美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、あなたを救う。
永遠を旅する哲学者、時を超えて、理念を追求する不滅の魂、不朽の美の神殿に到達する。美のイデアへの旅。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』
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タンタロスは、自分の子(ペロプス)の人肉をスープにして神々に供した。
ペロプスは、ヒッポダメイアの子、アトレウスとテュエステスに呪いをかけた。
アトレウスは、テュエステスの子たちを食材にして料理して父親に供した。
アトレウスの子アガメムノンが、テュエステスを殺害し、王位につく。
理想を追求する人は、運命に対峙し、運命と戦う。
オイディプス王は、運命と戦い、荒野をさまよう。オレステスは、アトレウス王家の呪縛を解くのか。
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■リュディア王タンタロス
ゼウスの子タンタロスは、ゼウスの食卓で、神々の食べ物アンブロシアとネクタルを飲み不死身になった。思い上がったタンタロスは、自分の子の人肉をスープにして神々に供した。神々はタンタロスの企みに気づき、罰を下した。ゼウスは、スープを釜に戻し子を生き返らせた。これがペロプスである。ペロプスは、美しい若者に成長した。
■ペロプス一族の悲劇 ピーサ王
ペロプスは、王女ヒッポダメイアを一目見ると恋におち、一計を案じて車輪の楔を抜き、ピーサ王を戦車競走で、転落死させる。ペロプスは、ニンフとの間にクリュシッポスを儲ける。ヒッポダメイアは、ペロプスが王位をクリュシッポスに譲るのではないかと不安になり、クリュシッポスを殺害した。ペロプスは、ヒッポダメイアの子、アトレウスとテュエステスに呪いをかけた。ペロプスの呪い。
■アトレウス王家の悲劇 ミュケナイ王
アトレウスとテュエステスは、ピーサから国外追放され、ミュケナイ王の下に身を寄せる。ミュケナイ王と子が相次いで亡くなり、アトレウスとテュエステスは王位をめぐって争う。アトレウスが王になり、テュエステスが追放される。アトレウスの妻とテュエステスが通じて、アトレウスを追放する。アトレウスは、テュエステスの不義を暴き王座に復権する。
アトレウスは、テュエステスに和解を持ちかけ、テュエステスの子たちを食材にして料理にして御馳走した。復讐の鬼と化したテュエステスは、自分の娘ぺロピアにアイギストスを産ませる。アトレウスを殺害させ、ミュケナイ王座を奪還させる。アトレウスの子アガメムノンが、テュエステスを殺害し、王位につく。アガメムノンは、テュエステスの息子タンタロスを殺害、その妻クリュタイムネストラを自身の妻とし、ミュケナイ王に君臨する。
■アガメムノン王の悲劇 ミュケナイ王家
ヘレネとトロイアの王子パリス
アガメムノン王の弟メネラオスの妻ヘレネがトロイアの王子パリスと駆け落ちして、トロイア戦争が始まった。
アガメムノン王は、トロイアに出帆するために、娘イピゲネイアを生け贄にした。
これを恨んだクリュタイムネストラは、テュエステスの子アイギストスと共謀して、アガメムノン王殺害を計画した。アイスキュロス『アガメムノン王』
■オレステスの悲劇
アガメムノン王の子、姉エレクトラと弟オレステスは、クリュタイムネストラの殺害を遂行する。エウリピデス『オレステス』『エレクトラ』
■オイディプス王 テーバイ王家
オイディプスは、テーバイの王、父ライオス王によって、幼少時に、キタイロン山中に捨てられた。コリントス王の子として育てられる。オイディプスは、ライオスと王妃イオカセテの子である。『オイディプス王』の悲劇が起きるのは、三叉路でライオス王に出会ってからである。ソポクレス『オイディプス王』
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参考文献、『旅する哲学者、美への旅』
運命の美人姉妹、クリュタイムネストラ、ヘレネー
トロイア戦争の始まり 失われた『叙事詩の円環』
https://t.co/JjeYXXOypq
https://en.wikipedia.org/wiki/Epic_Cycle
愛と復讐 アイスキュロス『オレステイア』三部作
*ヴォロマンドラのクーロスKouros of  Volomandra
https://t.co/httDdX6Bvr
旅する詩人、エウリピデス ギリシア悲劇の極致
https://t.co/BIXeFsq7GS
デルフィ、光り輝く(ポイボス)アポロン アポロンの悲恋
https://t.co/gQ7mPYqr7A
デルフィ、オイディプス王の悲劇
https://t.co/9WqVXF2spg
アモールとプシューケー エロースと絶世の美女プシューケー
https://t.co/I5hzrLUU2R
エウリピデス『王女メデイア』アルゴ号の航海、金毛羊皮を求めて
https://t.co/dgAcFdNJlf
★系図 Genealogy of Agamemnon
https://en.wikipedia.org/wiki/Agamemnon
Tantalus  Lineage Tantalus
https://en.wikipedia.org/wiki/Tantalus
http://bit.ly/2maT9TS
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★ヘレネ Helen of Troy, Diane Krüger ,Wolfgang Petersen ,Troy,2004 
★トロイアの王子パリスParis of Troy
Leda, Leonardo da Vinci, 1503,Uffizi
“THE Judgment of Paris” by Peter Paul Reubens (1638).
“The Abduction of Helen” by Gavin Hamilton (1784).
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』
2017年2月19日

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