ルーヴル美術館展 フランス宮廷の美・・・ルイ15世、ロココ様式、フランソワ・ブーシェ、ジャン=オノレ・フラゴナール
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
《ポンパドゥール侯爵夫人の肖像》フランソワ・ブーシェ(1750年)。 18世紀フランス宮廷の文化。たとえば、純銀製の枝つき燭台(candelabra)。ロカイユ様式から新古典主義様式へ、これがどのように変化したか。なぜ新古典主義が生まれたのか。
宮廷文化は、うんざりするほどロココ様式である。心のない装飾は飽きる。日本の宮廷文化もロココである。「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」は腐敗した文化の集積である。
文化の本質は装飾である。だが、制度に守られ、宮廷人が物欲に溺れるとき、玩物喪志、飽食の果てに文化は死滅する。ロココ様式の代表的画家はフランソワ・ブーシェ、軽薄の極みである。
新古典主義は、キリスト教と無知と権力に対する戦いの様式である。
ルイ16世の時代、アンシャン・レジーム(旧制度)に対する戦いは、装飾様式においてすでに始まっていた。
フランス革命は、新古典主義から始まった。これが展開するとナポレオンの皇帝様式になる。
新古典主義様式の「猫脚付き家具」、黒檀、真鍮と鼈甲の象嵌細工をみると、ジャンニ・ベルサーチのデザインと酷似している。黒檀の板に金色の列柱の装飾。古代ギリシアの様式が刻まれている。
新古典主義様式の代表的画家はジャック・ルイ・ダヴィッド、バスティーユ牢獄襲撃にも加わり、ジャコバン派の革命家である。
レオナルドは、古典主義者であることは言うまでもない。
大久保正雄「旅する哲学者、美への旅」
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ロココ様式、装飾藝術、ルイ15世・・・フランソワ・ブーシェ、ジャン=オノレ・フラゴナール
バロックに続く、時代の様式。ロココはロカイユ(rocaille)に由来する言葉である。ロカイユは岩の意味で、バロック時代のグロット(庭園洞窟)に特徴的な貝殻で装飾された岩組を指したが、そこから転じて、1730年代に流行した、貝殻の曲線を多用したインテリア装飾をロカイユ装飾(ロカイユ模様)と呼んだ。
ルイ15世の時代、ポンパドゥール夫人(1721年 - 1764年)を中心とするサロン文化の最盛期にロココ様式は流行し、デュ・バリー夫人の時代まで続いた。
アカデミーのサロン(サロン・ド・パリとも呼ばれ1725年に第1回が開催)が定期的に開催され、美術品が広く鑑賞されるようになった。
アントワーヌ・ヴァトー、フランソワ・ブーシェ、ジャン・オノレ・フラゴナール。ヴァトーはロココ前期(1710-20年代)、ブーシェはロココ盛期(1730-50年代)、フラゴナールはロココ後期(1760-80年代)の代表的な画家とされる。
ヴァトーが1717年にアカデミーに「シテール島への巡礼」を出品した際には「雅宴画(フェート・ギャラント)」の画家として承認された。
オーストリア女帝マリア・テレジアが宮廷建築家ニコラウス・パカッシに命じてシェーンブルン宮殿をロココ様式に改築させた。「マリア・テレジア・イエロー」と呼ばれる黄色で壁面が覆われた。
大久保正雄「旅する哲学者、美への旅」
I 最愛王・ルイ15世の時代大久保正雄「旅する哲学者、美への旅」
ルーヴル美術館展 フランス宮廷の美・・・ルイ15世、ロココ様式、フランソワ・ブーシェ、ジャン=オノレ・フラゴナール
――(1) 装飾への情熱 (2) 宮廷生活 (3) 新しい趣味、ポンパドゥール侯爵夫人
II ルイ16世の時代
(1) 新古典主義 (2) 最後の王妃
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■ベルサーチ
ベルサーチの故郷、レッジョ・ディ・カラブリアは、紀元前8世紀、ギリシアの植民都市レギオン(Rhegion)として建設された。古代ギリシア文化の香りがする地である。
2000年、トルコ一周の旅に出た時、イスタンブールの5☆ホテル、インターコンチネンタル・イスタンブールに4日宿泊したが、ここにはベルサーチのデザインによる家具が置かれていた。
■2月15日、金曜日夕方、「ルーヴル美術館展 フランス宮廷の美」東京都美術館をみて、乃木坂に向かい、
国立新美術館にて「文化庁メディア芸術祭」、「没後50年 横山大観」中期展示、2回目、みる。ここで偶然、知人の建築家夫妻に出会う。
金曜日夕方、美術館は、人がいない。人垣はない。『生々流転』ゆっくりと見る。
■2月22日、金曜日夕方、「没後50年 横山大観」後期展示、3回目、をみる。
金曜日夕方、美術館は、人がいない。『生々流転』巻末、黒雲の中に龍が隠れている。ゆっくりと見る。
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「ルーヴル美術館展 フランス宮廷の美」東京都美術館、2008年1月24日(木)~4月6日(日)
《ポンパドゥール侯爵夫人の肖像》フランソワ・ブーシェ 1750年頃
https://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/museum/tokuten/2008_01louvre.html#naiyo
http://www.asahi.com/louvre08/https://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/museum/tokuten/2008_01louvre.html#naiyo
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