音楽

2010年11月15日 (月)

森の中のコンサート・・・田園都市音楽祭コンサート2010

G_moreau_uicornes_01大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より 
錦繍の秋、黄金色に葉が輝く森の中の午後のコンサート。「タイスの瞑想曲」「シェヘラザード」を聴きながらまどろむと、ヴァイオリンとハープの響きが美しく、異郷への夢に誘われる。さつきかほりのトランペットは絢爛である。
地域コミュニティのコンサート。実行委員をしています。
★曲目
メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」第三楽章
マスネ「タイスの瞑想曲」
サンサーンス「白鳥」「動物の謝肉祭」より
ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」
4種類のトランペットのアラカルト、ヴェルディ、チャイコフスキー、クラーク
葉加瀬太郎「情熱大陸」
佐藤直紀「龍馬伝」
久石譲「坂の上の雲 スタンドアローン」
リムスキー・コルサコフ「シェヘラザード」ハイライト
■ハーピスト中山京さんは、吉野篤子(吉野直子の母)の弟子。グリエール『ハープ協奏曲』をコンテストのために練習したと言っていた。
私が吉野直子のグリエール『ハープ協奏曲』を聴いたのは16年以上前である。
■田園都市音楽祭・第4回梶が谷まちづくりコンサート、2010/11/07
宮前ウインドオーケストラ
ヴァイオリン・久保静、ハープ・中山京、トランペット・さつきかほり、ファゴット・榎戸絢子、指揮・箕輪響、川崎市民プラザふるさと劇場にて
★Gustave Moreau:Unicorn, Les licornes

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2008年9月28日 (日)

川口聖加ソプラノ・コンサート、バロックの響き・・・優しく愛しい緑の木陰が、こんなにも甘美で

Img_0011_2Img_0014_2川口聖加ソプラノ・コンサート、今回は、チェンバロが共演である。三菱電線本社、有楽町にて。9月27日。30人の客のためのコンサート。
川口聖加さんは、エリー・アメリングの弟子。作中人物が乗り移るように感情移入(Einfuhrung)が激しく集中していて、迫真の熱唱である。最前列で歌手の至近距離で聴く。演じる人物の苦悩と喜びが痛いように感じられる。
■チェンバロ(Cembalo,Clavicembalo)
今日のチェンバロは、イタリア様式で、糸杉でできている。糸杉は材質が硬質であるという。他に、フランス様式、イングリッシュ様式等がある。フェルメール『ヴァージナルの前に立つ女』のvirginalは、チェンバロの同類である。
今日の曲は16世紀の曲で、のどかで典雅な時間が蘇ってくる。
典雅なバロックの響きに、心が和む初秋の午後である。
――――――
出演:川口聖加=ソプラノ 福間彩=チェンバロ
内容:コンサートと同時にその様子を生録音し、ライブと再生音の違いや共通点を味わう。
1部: 川口聖加ソプラノ・コンサート。
演奏曲目
1.パーセル作曲 「しばし楽の音に」『オイディプス王』より
2.ヘンデル作曲 「なつかしい木陰よ(ラルゴ)」オペラ『セルセ』より
3.ラモー作曲 「恋の夜うぐいす」オペラ『イポリトとアリシ』より
4.パーセル作曲 「こよなく美しい島」オペラ『アーサー王』より
2部:ソプラノ歌手川口聖加さんの解説による「声楽の楽しみⅡ」バロック音楽
   チェチリア・バルトリ:モーツアルト「アレルヤ」Exsulate、
   エリー・アメリング:バッハ「御身のそばにあるならば」
3部: 生録音による再生音を楽しむ。
――――――
■「オンブラ・マイ・フ(なつかしい木陰よ)」 歌劇『クセルクセス』より
Ombra mai fu
di vegetabile,
cara ed amabile,
soave più
このような木陰は 今まで決してなかった
緑の木陰
いとしく、そして愛らしい、
よりやさしい木陰は
歌劇「クセルクセス」の第一幕開幕時に、プラタナスの木陰に憩うペルシャのクセルクス大王が歌うアリアである。「やさしく愛しい緑の木陰が、こんなにも甘美であったことはあるだろうか」男性が樹を愛でる曲である。(セルセは、クセルクセス王である。)
コンサートの後、川口聖加さん、ピアニストの古屋かおりさんと再会、記念撮影、歓談した。聖加さんは、カラヴァッジオの絵が好きで、イタリアの美術館をめぐったという。今度会うときは、美術の話しをしましょう。
★あなたの好きなバロック音楽は何ですか?
バッハ『無伴奏チェロ組曲』、ヴィヴァルディ『調和の霊感』、ヘンデル『ハープ協奏曲』
川口聖加HP http://www.seikakawaguchi.com/index
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2008年9月 7日 (日)

青島広志の『青い鳥』、東京オペラシティ・コンサートホールにて

051101_207 夏の夕暮れ時、K氏と、濃厚な赤ワインを飲みながら鮨を食した後、コンサートホールに行く。ボルドーの赤2003年、穴子とまぐろが美味しい。
青島広志が「ヨーロッパ音楽と旅」をテーマに、音楽とお話を交えてレクチュアするコンサート・シリーズである。コンサートホールで、三上氏に会い歓談する。
■世界一受けたい授業・・・宴会のようなコンサート
「世界一受けたい授業」の原形である。
このコンサートは、阪神電鉄、顧客招待のコンサートである。
8年前から毎年2回、聴いている。青島広志が「世界一受けたい授業」で有名になる前から行っている。
青島広志の巧みな話術によって、ベートーヴェンの生涯、モーツアルトの生涯、歌劇などを、音楽とレクチュアでたどるコンサートである。ソプラノ歌手たちが、モーツアルトやコンスタンツェを滑稽に演じて、ほとんど青島一座である。
次第に余興的要素が強くなり、講義のような要素は影をひそめ、もはや宴会の域である。
しかし、巧みな話術、コンサートの構成、曲目の選択、エピソードの組立てなど、学ぶべき要素が多々ある。人の心を惹きつける技術がある。
今回は、エンゲルベルト・フンパーディンク作曲、歌劇『ヘンゼルとグレーテル』である。
■「憧れのハワイ航路」
しかし、筋とは関係なく、ソプラノ歌手たちと一緒に、御客さんが「憧れのハワイ航路」を四回歌う。指揮はもちろん青島広志である。
♪晴れた空 そよぐ風
港 出船の ドラの音愉し
別れテープを 笑顔で切れば
希望はてない 遥かな潮路
ああ 憧れのハワイ航路♪
途中、弦楽奏者たちが、オッフェンバック「ホフマンの舟歌」などを奏でて、妙技を披露する。青島コンサートは、いつも笑いの渦である。
■ブルーアイランド版「青い鳥」、オペラシティコンサートホールにて
エンゲルベルト・フンパーディンク:歌劇『ヘンゼルとグレーテル』
ピアノ・編曲・台詞・指揮:青島広志 ソプラノ:江口二美 ソプラノ:赤星啓子 テノール:小野勉
コンサートマスター:高畠浩 ヴァイオリン:浅井万水美 ビオラ:植村理一 チェロ:伊藤耕司
http://www.ne.jp/asahi/tsugumi-eguchi/opera/korekara.html
★あなたが「世界一受けたい授業」は何ですか?

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2008年7月31日 (木)

川口聖加ソプラノコンサート・・・きみは星に火を灯す、天使の輝き

1_3 7月26日 灼熱の夏の午後、川口聖加ソプラノコンサート、三菱電線本社、新国際ビルに行く。
試聴室の一列目で聴く。川口聖加さんは、歌い始めるまで大きな間をとり、コンセントレーションしている。歌手のすぐ近く、目のまえで聴くと、ソプラニスタの肉声の集中力、内心の悩みが聴こえる。荒々しい潮騒のようである。
歌手の1m以内の至近距離で聴くのは、稀なる体験で、猛夏の午後、美しい歌声に時のたつのを忘れる。
Roseさんにはじめて、コンサートで会う。コンサートのあと、移動して、炭火焼「射虎留」、中華料理「歓迎」にて、宴会である。中華料理店にて、Roseさん、有加さんと話に花が咲き、楽しいひと時でした。有加さんと美術部の活動について話す。
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出演:川口聖加=ソプラノ 古屋かおり=ピアノ
コンサートと同時にその音を生録音し、ライブと再生音の違いや共通点を楽しむ会。
1部: 川口聖加ソプラノコンサート。
2部: 川口聖加さんの解説による「声楽の楽しみ方」
3部: 生録音CDRによる再生音を楽しむ。
曲目
1.カントルーブ作曲 『オーベルニュの歌』より「バイレロ」
2.サティ作曲 「ジュ・トゥ・ヴ」
3.アーン作曲 「クローリスへ」
4.プッチーニ作曲 オペラ『ラ・ボエーム』より「私がひとりで街を行くと(ムゼッタのワルツ)」
5.ホルスト作曲 「ジュピター」英語歌詞版
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川口聖加さんの解説による試聴で聴いた歌では、「All the things you are」にとくに酔いしれる。
★シルヴィア・マクネアーSylvia Mcnair(歌)、アンドレ・プレヴィン(ピアノ)
Jerome Kern作曲「オール・ザシングス・ユー・アー」All the things you are

君こそ、約束の春のキス、
それは、孤独な冬を長く感じさせる。
君は、息つかぬ夕暮れの静寂、
それは、美しい歌の淵に震える。
きみは星に火を灯す、天使の輝き
わたしが知る最も大切なものは、君という存在なのだ。
いつの日か、わが幸せな腕は君を抱き、
そして、何時か、ぼくは素晴らしき時を知る、
それは君の総てが、ぼくのものになる時。
*All The Things You Are (Oscar Hammerstein/Jerome Kern)1939
You are the promised kiss of Springtime
That makes the lonely winter seem long
You are the breathless hush of evening
That trembles on the brink of a lovely song
You are the angel-glow that lights a star
The dearest things that I know are what you are
Some day my happy arms will hold you
And some day I'll know that moment divine
When all the things you are, are mine!
★CD:Sylvia Mcnair『Sure Thing (The Jerome Kern Songbook)』1993録音。
★あなたの好きなスタンダード・ナンバーは何ですか?
 例、ムーン・リバー、A列車で行こう、サマータイム、オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート
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川口聖加さんの許可を得て、画像掲載しています。 http://www.seikakawaguchi.com/index

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2008年1月15日 (火)

「フルートとハープのコンサート♪」国立新美術館にて

金曜日夕方、『松井冬子展』に行き、サントリー美術館から帰路、国立新美術館にたちよると、また偶然にも「フルートとハープのコンサート」を行っていたので、きく。
演奏家がハバネラのリズムをハープで弾いて、説明していた。これはどこかで聴いたことがあると思って考えると、アルフレッド・ヒッチコック『めまい』である。
新春、人の気配のない、静まり返った美術館に、ハープとフルートの音色が響き渡る。
一戸敦(フルート)、井上美江子(ハープ)
曲目
M・ラヴェル:ハバネラ
G.ビゼー:「アルルの女」メヌエット
クロード・ドビュッシー:シリンクス(フルート)
クロード・ドビュッシー:月の光(ハープ)
宮城道雄:春の海
F.ボーン:カルメン幻想曲
尺八と筝のかわりに、フルートとハープによる「春の海」も自然な演奏である。ドビュッシー「月の光」の曲目と合う。
ドビュッシーは、北斎「神奈川沖浪裏」をみて、交響詩「海」を作曲した。日本文化の繊細な感性と響き合うものがある。だが、その繊細さは今どこへ行ったのか。
フルートの代表的な曲は、モーツァルト「フルート協奏曲」第1番、第2番だろう。
――――――――――
★開館1周年「フルートとハープのコンサート♪」国立新美術館
2008年1月11日(金)17:45~18:30
2008年1月18日(金)17:45~18:30
http://www.nact.jp/event/2007/1st_anniversary/concert200801.html

★『松井冬子展』につづく。

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2007年12月25日 (火)

丘の上の病院、クリスマスコンサート

病院のロビーには、蘭の花があふれている。胡蝶蘭、カトレア、冬にはポインセチアの花の鉢も沢山おかれている。蘭の花は患者の家族たちが寄贈したものである。
 私は、この都市の丘の上に住んでいるが、さらに郊外の丘の上にこの病院がある。

 この病院は、毎月土曜日にクラシック・コンサートがある。藝大出身の演奏家、ヨーロッパの大学で学んだ演奏家が来て演奏している。ポーランドに留学したピアニストも何人かいて、ショパン「幻想即興曲」「英雄ポロネーズ」などよく演奏する。患者と家族が並んで聴いている。
 例年、12月にはソプラノ歌手が来て、ピアノ、ヴァイオリンの伴奏で、クリスマスソングや「オンブラ・マイフ」「歌の翼に」などを歌う。
 ソプラノ歌手が松田聖子「瑠璃色の地球」を歌ったことがあり、まるで別の歌のように美しく響いた。

♪朝陽が水平線から 光の矢を放ち
二人を包んでゆくの
瑠璃色の地球
泣き顔が微笑みに変わる
瞬間の涙を 世界中の人たちに
そっとわけてあげたい
争って傷つけあったり 人は弱いものね
だけど愛する力も きっとあるはず
ガラスの海の向こうには
広がりゆく銀河
地球という名の船の 誰もが旅人
ひとつしかない
私たちの星を守りたい♪(作詞 松本隆)
名曲だ。まるで、地球環境問題のテーマソングだ。

 終わりに、患者と家族が一緒に「浜辺の歌」「夏の思い出」など歌を、ピアノ、ヴァイオリンの伴奏で、歌ったりする。
 フランス語を話す老人がいて、
 Tres bien! Je suis tres content!
 と、感想をのべたりする。
 私の母は重篤な病気ではないのだが、食事管理が必要であり、この病院に入院している。

 病院にきた演奏家で、記憶に残っている人は、アントニオ古賀、ピアニスト吉川元子、ヴァイオリニスト梅津美葉、パンフルート藤山明、ハーピスト大村典子、等である。
 若い女性の演奏家が多く、病院の空気が華やかになり楽しい。

 この病院の人々は、毎月、生演奏をきくので、耳が洗練されてくる。
 モーツアルト、ショパン、バッハ、チャイコフスキー、などの音楽が、病気の苦しみをつかの間、癒してくれる。
 病気は患者にとっても家族にとっても苦しみだが、音楽によって、患者も家族も、看護婦、医師たちも、心の安らぎをしばし取り戻すのである。

 梅津美葉 http://pia-julien.com/profile/umedu.html
 大村典子 http://www.akiyama-music.co.jp/artist/ohmura.htm

Phalaenopsis_11small_2

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2007年11月23日 (金)

100回記念「花コンサート」洗足学園音楽大学前田ホール

100回記念「花コンサート」洗足学園音楽大学前田ホールにて、
川崎市高津区主催。市民のための無料コンサート。
まちづくり協議会の視察をかねて、聴きに行きました。
斎藤牧子(ヴァイオリン) ピアソラ「ブエノスアイレスの夏」、持田正樹・日南由紀子(ピアノ連弾)ブラームス「ハンガリー舞曲」、寺島夕紗子(ソプラノ)寺島尚彦「さとうきび畑」グノー「私は夢に生きたい」『ロミオとジュリエット』、田中良一(テノール)プッチーニ「誰も寝てはならぬ」、サルトリ「君とともに旅立とう」、他21曲。
「君とともに旅立とう(Con te partiro)」は、10年前の秋、イタリアで聴いてから、サラ・ブライトマンの歌聲で愛聴しています。
「困難な現実のなかで、音楽は一瞬の涼風をもたらしてくれる」ことを実感する秋の夕暮れでした。楽しい一時をあたえてくれた友人に感謝します。2007/11/23

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